信じるか信じないかはあなた次第
- 【ついに出馬か?】日本人の99.99%が知らない事劇場版~序~@アシタノワダイ
- 2019年都道府県別死者数ベスト5・ワースト5
- 2019年都道府県別の10万人当たりの死者数ベスト5・ワースト5
- 2019年都道府県別交通事故死者数の増減数ベスト5・ワースト5
- 2019年都道府県別交通事故死者数の増減率ベスト5・ワースト5
- 交通事故死者数を減少させるには
- 都道府県別の全データ
- はじめに
- 調査結果
- 2006年の派遣事業者数、先進諸国中4位
- 過去10年の派遣労働者増加率、日本に次ぐ高水準
- 中小企業経営を知りぬいた上での結論
- OECDも日本の中小企業政策に「疑念」の目
- 炎上どころか評価される「中小企業淘汰論」
- イギリスとの交渉の決裂
- 「戦争によって戦争を賄う」
- 計画なき日本軍のファイナンス
【ついに出馬か?】日本人の99.99%が知らない事劇場版~序~@アシタノワダイ
2019年交通事故死者数・都道府県別データ詳報!最多は千葉県。
2019年の交通事故死者数統計が警察庁より発表された。都道府県別データによると、死者数最多は千葉県で172人。過去3年間連続で最多だった愛知県を超えてワースト1となった。また、人口10万人当たりの死者数で最少は東京都の0.96人であった。
警察庁は2020年1月6日、2019年の交通事故死者数統計を発表した。2019年の全国の交通事故死者数は3215人。2018年と比較すると317人減少し、2016年から4年連続で4000人を下回った。
本記事では、都道府県別データにフォーカスし、各県の交通事故死者数、人口10万人当たりの死者数、2018年と比較した増減数と増減率を紹介する。
2019年都道府県別死者数ベスト5・ワースト5
まずは、都道府県別の死者数のベスト5とワースト5を紹介しよう。ベスト5は死者数の少ない順、ワースト5は多い順である。
最も死者数が少なかったのは、山梨県と島根県で25人。島根県が死者数最少となるのは2017年から3年連続である。最も死者数が多かったのは千葉県の172人。3年連続で死者数最多だった愛知県を超えてワースト1となった。
2019年都道府県別の10万人当たりの死者数ベスト5・ワースト5
人口が多ければそれだけ事故が発生する確率が高くなるため、大都市を抱える都道府県はどうしても死者数も増えやすくなる。そこで、総人口を考慮した上での死者数がどれだけになるのかを表したのが、人口10万人当たりの死者数である。ちなみに2019年の全国平均は、2.54人である。
人口10万人当たりの死者数の計算は、その都道府県の総人口を10万で割り、出た答えで死者数を割るだけだ。例えば東京の場合、死者数は133人で、総人口が1394万2856人(※)であるので下記のような計算になる。
交通事故死者数 133人 ÷ (人口 1394万2856人 ÷ 10万 )= 0.96人
※算出に用いた人口は、各年の前年の人口であり、総務省統計資料「人口推計」(10月1日現在人口)又は「国勢調査」による。
ベスト5は10万人当たりの死者数の少ない順、ワースト5は多い順である。最も少ないのは東京の0.96人。多いのは徳島県の5.57人であった。
ここで注目したいのは、ワースト2となった鳥取県とベスト1になった東京都。鳥取県は、死者数で見るとベスト3に入っており、一見死亡交通事故が起こりにくいようだが、人口10万人当たりで見ると多い。
これの逆が東京で、死者数で見るとワースト5であるが、人口10万人当たりでみるとベスト1と少なくなる。単に死者数を見ただけでは、実情は分からないのだ。
2019年都道府県別交通事故死者数の増減数ベスト5・ワースト5
2018年と2019年の死者数を比較した「増減数」の都道府県別ベスト5とワースト5を紹介する。ベスト5は死者数の減少が多い順で、ワースト5は死者数の増加が多い順である。
最も死者数が減少したのは埼玉県で46人減。増加したのは滋賀県で18人増であった。2018年の交通事故死者数が最多だった愛知県は33人減。2019年最多の千葉県は11人減だった。その差が愛知県を死者数ワースト1から脱却させた。
また、2019年最も死者数が増加した滋賀県は、2018年に16人減らしていたが、2019年は18人増で結果的に2年間で2人増加となった。死者数を減らすことの難しさが垣間見える。
2019年都道府県別交通事故死者数の増減率ベスト5・ワースト5
都道府県別の死者数「増減率」のベスト5とワースト5を紹介する。ベスト5は死者数の減少率の高い順で、ワースト5は増加率の高い順である。
ここでの増減率とは、2019年の増減数を2018年の死者数で割ったパーセンテージのこと(小数点以下第2位を四捨五入)。つまり、2017年の死者数に対して、どれだけ増減したかを見る数値だ。
例えば増減数が同じく10人減だったとしても、20人から10人に減った場合と、100人から10人に減った場合では、前者の方が減少率が高くなる。前年に死者数の少なかった県が、さらに死者数を減らすことは難しいため、努力の程を垣間見ることのできる数値である。なお、2019年の全国の死者数増減率は9.0%減となった。
最も死者数の減少率が高かったのは山形県で37.3%減。最も死者数の増加率が高かったのは鳥取県の55.0%増であった。
2019年にワースト1となった鳥取県は2018年はベスト6。ワースト2となった滋賀県はベスト3だった。どちらの県も2018年に死者数を減少させたが、2019年になると前年の減少数よりも多く死者数を増加させ増加率が高くなった。
交通事故死者数を減少させるには
内閣府発表の第10次交通安全基本計画では、2020年12月末までの統計値で交通事故死者数を年間2500人以下にするとしている。この目標を達成するには残り1年間で全体の交通事故死者数を約23%減らす必要がある。
単純計算すると、どの都道府県も1年間で23%ずつ死者数を減少させれば目標を達成できることになる。しかし、鳥取県の増加率は55.0%。滋賀県は46.2%となっており、なかなか一筋縄ではいきそうにない。さらに鳥取県は人口10万人当たりの死者数も2番目に多いため、死亡事故が発生しやすい県と言えるだろう。
また、10万人当たりの死者数の少ない東京、神奈川、大阪においては、公共交通機関が発達しているため、自動車を運転する機会が少ないことも死者数の少なさに関係しているといえよう。
逆に、人口減少や高齢化が進んでいる地域では、公共交通機関も減少し、高齢者が外出するために自動車を運転せざるを得ないことが死者数の増加に関係していそうだ。
交通事故死者数を減らすために、近年、実証実験の行われている自動運転バスなどの次世代公共交通機関の登場や衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全機能の拡充にも期待したい。
もちろん、ドライバー1人1人が安全運転を心掛けることも重要である。歩行者がいる場合は必ず横断歩道前で停止すること。ながら運転、飲酒運転などの危険行為は絶対にしないことなど、当たり前のことが真に当たり前になる交通社会を目指したい。
都道府県別の全データ
都道府県別の全データは以下のリンクからご覧いただけます。他の都道府県の交通事故死者数が気になる方はクリックされたし。
年末年始、餅による窒息事故に御注意ください!-加齢に伴い、噛む力や飲み込む力が衰えてきます。小さく切って、少量ずつ食べましょう。-
令和2年12月23日公開
厚生労働省の人口動態調査 によると、「不慮の事故」による死因のうち、食物が原因となった窒息による65歳以上の高齢者の死亡者数は、年間3,500人以上、中でも、80歳以上の死亡者数は2,500人以上です。
さらに、人口動態調査の調査票情報を基に、消費者庁で平成30年から令和
元年までの2年間を分析したところ、餅による窒息死亡事故の43%が、餅を
食べる機会が多い1月に発生しており、特に正月三が日に多いことが分かり
ました。また、男性の死亡者数は、女性より2.6倍も多いことが明らかになり
ました。
高齢になると、口内や喉の機能等に変化が生じ、噛む力や飲み込む力が弱
くなります。
1.食物の誤えん
による窒息事故の死亡者数の推移
厚生労働省の人口動態調査から、不慮の事故の「その他の不慮の窒息」の
うち、「気道閉塞を生じた食物の誤えん」による死亡者数について、平成 21
年から令和元年までの推移を調べました。
年齢別の死亡者数を見たところ、「45~64 歳」及び「65~79 歳」の死亡
者数は、平成 21 年に比べ 20%以上減少していましたが、「80 歳以上」の死
亡者数は、平成 21 年以降、2,500 人を超える水準で推移しています。そし
て高齢であるほど、死亡者数が多いことが分かります。
また、65 歳
以上は年間死亡者数の 87~91%を占めていました。
入浴中の急死:「ヒートショック」などで年間1万9000人の推計も
自宅などで入浴中に溺れて死亡する高齢者(65歳以上)は日本全国で年5000人を超え、冬場が最も多い。脱衣場と浴槽内の急激な寒暖差により、血圧が大きく変動して心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」に要注意だ。
厚生労働省の人口動態統計によると、2018年の家庭の浴槽での溺死者数は5398人で、前年比138人減、16年比で260人増となった。15年前の04年の死者は2870人。この数字と比べると2倍近くに増えており、ここ数年は5000人前後で高止まりの傾向になっている。
消費者庁が同統計などを分析した調査では、入浴中に何らかのアクシデントが起きて命を落とす人の数は年間約1万9000人と推計されるという。近年の高齢者人口激増を背景に、溺死者数のうち9割以上は65歳以上の高齢者となっており、とりわけ75歳以上の年齢層で増加している。冬季に増える傾向があり、その多くは、入浴時の急激な寒暖差により、血圧が大きく変動して心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」が原因とみられる。
同庁は、ヒートショック予防を含めた安全な入浴のための注意事項として、①入浴前に脱衣所や浴室を暖める②湯温は41度以下とし、湯につかる時間は10分までを目安にする③浴槽から急に立ち上がらない④食後すぐの入浴や、アルコールが抜けていない状態での入浴は控える―などを挙げている。
日本気象協会も、17年から、ヒートショックの危険度を「警戒」「注意」「油断禁物」の大きく3段階で示した「ヒートショック予報」をホームページ「tenki.jp」で公開している。
バナー写真:(GARAGE38/PIXTA)
年間死亡数11年ぶり減 コロナ対策で感染症激減
2020年の国内の死亡数は前年より約9千人減少したことが22日分かった。死亡数は高齢化で年平均2万人程度増えており、減少は11年ぶり。新型コロナウイルス対策で他の感染症が流行せず、コロナ以外の肺炎やインフルエンザの死亡数が大きく減少したためとみられる。
厚生労働省が22日に発表した人口動態統計(速報)によると、20年に死亡したのは138万4544人で、前年より9373人(0.7%)減った。速報に死因別のデータはない。
同省が9月分まで発表している死因別の死亡数(概数)によると、前年同期より最も減少したのは呼吸器系疾患で約1万6千人減っていた。内訳は肺炎(新型コロナなどを除く)が約1万2千人、インフルエンザが約2千人減っていた。
新型コロナの感染対策としてマスク着用や手洗い、手指消毒などが広がり、他の細菌やウイルスが流行しなかった影響とみられる。
一方、各自治体に報告された新型コロナ感染者の死亡数は1年間で約3500人。コロナ対策による死亡数の減少幅の方が大きかったことになる。
このほか心筋梗塞や脳梗塞など循環器系の疾患も約8千人減少した。救急患者のたらい回しは生じたが、救命できずに死亡数が急増する事態には陥っていなかった。
9月分までの死亡数で前年同期より最も増えていたのは老衰で、約7千人増加していた。老衰は高齢化の影響で2000年代に増加傾向が続いている。
警察庁によると、20年は自殺者が11年ぶりに増加したが、前年比で750人増だっため国内の死亡数は減少した。
9月までに新型コロナと診断された人は約1500人。同月までに自治体が発表した新型コロナの死亡数と比べ100人ほど少ない。同省は「末期がんで感染が確認されて死亡したケースは、がんが死因となる。こうしたケースが差になっている」としている。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーの岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「欧米では平年より死亡数が大きく上回る『超過死亡』が生じたが、日本は逆に抑えられた」と指摘。一方で「感染症関連の死亡が減少する厳しい感染症対策でも新型コロナの流行を止められていない」とみている。
国内ではワクチンの実際の効果はまだ分かっていない。岡部所長は「自殺者の増加など社会全体への影響も考慮しつつ、引き続き警戒していく必要がある」としている。
(社会保障エディター 前村聡)
飲食店の倒産動向調査(2020年)
飲食店倒産は780件で過去最多
~ 業態別では「酒場・ビヤホール」が最多 ~はじめに
帝国データバンクでは、2020年(1月~12月)の飲食店事業者の倒産(※)動向について集計・分析した。
※飲食事業を主業とする事業者(法人・個人事業者)で、法的整理かつ負債1000 万円以上を対象としている
調査結果
- 1 2020年における飲食店事業者の倒産は780件発生し、過去最多の水準となった
- 2 業態別で見ると、「酒場・ビヤホール」が189件(構成比24.2%)で最多。次いで、「中華・東洋料理店」(105件、構成比13.5%)、「西洋料理店」(100件、同12.8%)、「日本料理店」(79件、同10.1%)が続く
- 3 負債規模別で見ると、「5000万円未満」が620件(構成比79.5%)で最多。一方、負債50億円以上の倒産は2013年以降8年連続で発生していない
特別企画:飲食店の倒産動向調査(2020 年)https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210101.pdf
企業の配当金・人件費・利益の推移
2019年度株式分布状況調査の調査結果について
青色が外国法人等
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/examination/nlsgeu000004tjzy-att/j-bunpu2019.pdf
過去10年の派遣労働者増加率、先進諸国のなかで最高水準―CIETT人材派遣事業国際比較調査
日本では昨年暮れから新年にかけて、「年越し派遣村」がマスコミで大きく取り上げられた。国際人材派遣事業団体連合(CIETT)のデータによって、「労働者に占める派遣労働者の割合」を見ると、先進国の中で、日本とドイツの両国が過去10年間に派遣労働市場が最も急成長している。ドイツは今秋に総選挙を控え、急増する派遣労働者の処遇などが政策課題として浮上している(注1)。
2006年の派遣事業者数、先進諸国中4位
CIETT最新年の2006年データによると、世界の労働者派遣事業者総数(図1)は2万6000社(1996年)から7万7500社(2006年)と、過去10年間に飛躍的に増加した。事業者数が最も多いのは日本(3万6000社)で、これにイギリス(1万500社)、アメリカ(6200社)、ドイツ(5058社)が続く。増加率でみると約5倍に跳ね上がったオランダが最も大きく、約3倍の日本、約2倍のドイツ、イギリスの順となった。アメリカは、企業合併などを理由にほぼ同水準の推移だった。また、同期間の支社数の推移(図2)をみると、ドイツ、日本、スペインの支社数がほぼ3倍に急増しており、オランダ、オーストリア、アイルランド、イギリスでも2倍前後の増加となった。
急拡大する世界の労働者派遣事業収益は2280億ユーロに及んだが、国別シェア(図3)をみると、アメリカ(38%)、イギリス(16%)、日本(11%)が上位を占め、ドイツのシェアは4%に過ぎなかった。
図1 国別派遣事業者数(1996年、2006年)
図2 国別派遣事業支社数(1996年、2006年)
図3 労働者派遣事業収益:国別シェア(2006年、%)
出所:Ciett, ING, Randstad.
過去10年の派遣労働者増加率、日本に次ぐ高水準
06年の派遣労働者総数(フルタイム換算、一日当たり平均)(表1)を見ると、アメリカが圧倒的に多く(296万人)、イギリス(126.5万人)、日本(122万人)、ブラジル(80万人)、フランス(60.3万人)、ドイツ(50万人)の順となった。だが、過去10年間の派遣労働者の増加率(表1)を見ると、日本(約4倍)とドイツ(約3倍)が圧倒的に高くなっている。過去10年間の年平均伸び率(図4)をみても、各々14.9%、12.9%と他の主要先進諸国の伸び率を大幅に上回った。2006年の雇用者全体に占める派遣労働者の割合(表2)は、ドイツの場合1.3%に過ぎず、アメリカ(2.0%)、イギリス(4.5%)、フランス(2.4%)など主要諸国を下回っているが、過去10年の推移を見ると、0.4%(1996年)から1.3%(2006年)へと顕著な上昇をみせた。独連邦統計局が昨年公表したデータ(当機構ウェブサイト2008年11月の記事を参照)では、2007年の派遣労働者比率は2.0%に達している。2002年のハルツ改革の影響を受け、ドイツの派遣労働市場は急成長しつつあることを示している。
表1 派遣労働者数の推移(フルタイム換算、一日当たり平均)(単位:千人)
Ns: 統計的に非有意。. Nlr: 法的に容認されていない。 Na: データなし。
出所: Ciett & SEO Economic Research, University of Amsterdam.
表2 雇用労働者に占める派遣労働者比率の割合(1996年-2006年)
*ns: 統計的に非有意
*nlr: 法的に容認されていない
出所: Eurociett & SEO Economic Research, University of Amsterdam.
図4 派遣労働者数の推移および年平均増加率(1996~2006年) (単位:千人)
出所: EuroFound, EuroStat, Ciett, Federgon, Prisme, BZA, ABU, REC, AGETT, German state statistics, ONS, Danish Federation, Prognos.
注
- このデータを使って、当機構発行の『データブック国際労働比較』は、「労働者に占める派遣労働者の割合」などを収録している。
資料出所
- CIETT (2007) Economic Report 2007.
「中小企業は今の半分以下に」 暴論か正論か話題呼ぶ
「日本は、2060年までに中小企業の数を現在の半分以下、160万社程度まで減らすべきである」。そんな「中小企業淘汰論」を主張し、経済界で話題を呼んでいる人物がいる。300年以上の歴史を持つ老舗企業で、国宝や重要文化財の修復などを手掛ける小西美術工芸社(東京・港)の社長、デービッド・アトキンソン氏だ。
ゴールドマン・サックス証券(GS)のアナリストだった1990年代に、日本の不良債権の実態を暴くリポートを発表。以来、日本経済を客観的立場から分析する論客として知られてきたアトキンソン氏が、小西美術工芸社の社長に就任したのは2011年のことだった。GSを退職した後、日本の伝統文化に関心を持ち京都に住んでいたところ、後継者を探していた同社の先代社長、小西美奈氏と偶然知り合ったのがきっかけだ。
経営を任されたアトキンソン氏は、非正規雇用だった職人を正社員にするなど様々な改革を進め、在庫管理など社内の仕組みも次々に刷新した。利益率を大幅に向上させ、従業員約80人の中小企業を一気によみがえらせた。
中小企業経営を知りぬいた上での結論
こうして中小企業経営に期せずして深く携わったアトキンソン氏が19年9月に出版した書籍が『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』(講談社+α新書)だ。だが、中小企業経営を知りぬいた上で書かれたであろうその本の中身は、それこそ中小企業経営者にとって衝撃的なものだった。「中小企業こそが日本経済の停滞の原因であり、再浮揚のためにはその淘汰が不可欠」。これがこの本の骨子だ。
「中小企業を半減させるなど、とんでもない暴論」。そう憤る人は多いはずだ。日本の企業数のうち99.7%は中小企業が占め、国民の雇用の7割を担っている。アトキンソン氏が「宝」と評価する文化財同様、中小企業もまた「日本の宝」ではないか、という声もあるに違いない。
そんな声について、アトキンソン氏は「感情論ではなく、論理とデータを用いて冷静に議論すべきだ」と話す。
日本の経済成長率が1%台にとどまり、デフレが続き景気が上向かないのはなぜか。それが議論の出発点だ。アトキンソン氏は停滞の原因を「人口の急減少」と「生産性(就業者1人あたりGDP)の低迷」に分解し、とりわけ後者が日本の最重要課題だと指摘する。その上で、国が賃金の引き上げを主導し、GDPのおよそ半分を占める個人消費を刺激することで生産性を向上できる、と訴えてきた。
この浮揚策を実現する上で最大の壁になるのが中小企業、というのがアトキンソン氏の見解だ。
一般的に、中小企業は大企業に比べると賃金が低く、賃上げも難しい。かといって業務効率を高めようにも、小規模な組織ではIT活用や柔軟な働き方に割ける資金的な余裕にも乏しい。生産性の低い中小企業の退出を促し、本当に競争力のある企業に経済活動を集約して初めて、国全体の生産性は高まる。個人消費を増やすには毎年5%程度の最低賃金引き上げが望ましく、対応できない企業は統廃合されてよい――。
こうしたアトキンソン氏の主張は、国際統計にも裏打ちされている。例えば、OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、従業員数20人未満のいわゆる零細企業に勤める人が働く人の全体に占める比率は、日本の製造業では18.9%(2016年)。米国(9.9%、15年)、スウェーデン(16.1%、17年)などと比べ高水準にある。そして、先進国では零細企業の比率が高いほど、国全体の生産性は低くなる傾向にある。
OECDも日本の中小企業政策に「疑念」の目
「高水準の公的支援は資源配分をゆがめ、『本来生き残れないはずの企業(non-viable enterprises)』を市場に残すことで、改革を遅らせる」。これは、前述のOECDが2年に一度出す「対日経済審査報告書」の文言であり、17年版にも19年版にも使われたもはや決まり文句である。注目すべきはやはり「日本の中小企業政策」に向けられている点だ。
日本には中小企業向けの「手厚い支援」があり、「生き残れないはずの企業を延命している環境」が残り、それこそが日本の成長力や競争力の足かせになっている。これは何もアトキンソン氏だけでなく、国際機関の見方でもあるのだ。
「そもそも大企業が少なく中小企業が多い状況は規模の経済という大原則に反している」。こう強調するアトキンソン氏によれば、日本で中小企業が激増した背景には、1963年に成立した中小企業基本法があるという。
中小企業基本法では、「中小企業」の定義は製造業などで従業員300人以下、小売業では50人以下などと決められ、その上で、定義に見合う小さな会社への手厚い優遇策が加わった。「これによって、経営者が小さな企業を成長させないまま維持するインセンティブを与えてしまった」と、アトキンソン氏は訴える。
炎上どころか評価される「中小企業淘汰論」
日本のために中小企業は半分消えていい――。一昔前の日本であれば確実に炎上したはずのアトキンソン流経済再生法。だが現実には、炎上どころか評判がいい。発売以来、書籍の発行部数は3万部を突破。ネット書店のレビューを見ると、もちろん「社員の生活を守るため体を張って頑張っている中小企業を悪者にするな」との批判もある。だがそれ以上に、「日本人の多くが目をそらしたがる問題にメス」といった「よくぞ言ってくれました」的評価が圧倒的なのだ。
芸能人の納税絡みの騒ぎを機に強まる個人事業者への風当たり、大胆な「中小企業淘汰論」を展開する書籍のヒット――。かつて「弱き存在」として様々な保護を受けてきた自営業者や零細中小企業を取り巻く環境に、今までにない変化が起きつつあることは間違いない。だが、本当に「中小企業は消えていい」のだろうか。
(日経ビジネス 中沢康彦、津久井悠太、山田宏逸、神田啓晴)
[日経ビジネス電子版 2019年11月12日の記事を再構成]
「7000人リストラ」シャープは結局、鴻海にダマされたのか?~知っておきたいM&A「後出しジャンケン」の善し悪し
これは、ごく当たり前のこと
「約束がまったく違う」
「やっぱりあいつらは信用できない」M&Aされた企業関係者からしばしば聞かれる言葉です。
先日の行われたシャープの株主総会でも鴻海がリストラするという噂に対しても同様の声が出ていると聞きます。確かに、鴻海はシャープを買収する前は「リストラしない」とアピールをしていました。こうした事前の約束はどこまで信じていいものでしょうか。今回はこの問題について考えてみたいと思います。
まず、結論から言って、買収・投資実行後の運営についての事前の約束はあくまでも「努力目標」であり、反故にされる可能性は常にあると捉えるべきです。とりわけ片方の業績が極端に悪く、もう片方が支援するタイプのM&Aでは一層その可能性は高くなります。
第一の理由は、どれだけ事前に調べても、相手企業の内情を100%知ることは不可能だからです。直感的に言えば、会社の真実の姿を100とすれば、買収交渉前のデューデリジェンス(会社の資産などあらゆる側面を評価するプロセス)時点で理解できる内容は、30にも満たないというところでしょう。
買収する側にとっては、蓋を開けてみないとわからないことが相当あるのが普通で、その結果として「事前に約束した内容を変更せざるを得ない」という事態に至ることは、ごく当たり前のこととして起きるわけです。
もちろん、「高い買い物をしたと後で文句を言われても困る。約束は約束。守ってもらわなければ困る」と相手に言いたくなる気持ちも理解できないわけではありません。しかし、契約の段階で「どんな状況になっても約束は守る。破った場合は●●のペナルティがある」といった条項があるならば、恐くて買収する気になれないでしょう。その結果、だれも救済の手をさしのべてくれないとすれば、買収される側にとっても、賢い選択とは言えません。
決して二枚舌ではない
さらに言えば、大きな自然災害やテロが起こる可能性もゼロではありませんし、そうした当事者ではどうしようもない外部要因を考慮するためにも、将来にわたって「必ず」という約束はしたくてもできないのが現実です。
最近流行の言葉で言えば、「新しい判断」が必要になる事態を考え、契約書にはさまざまな付帯事項が付けられるのが一般的です。雇用で言えば、雇用は守るように努力はするが、結果的にどうなるかわからないとうことは、あらかじめ書面から読み取れるようになっています。
もちろん、買収する側が悪意を持って、何かトラップめいたものを契約書の文面に仕込んでいるわけでもありません。
仮に買収直後に雇用の整理や事業の撤退などをすることになったとしても、買収交渉時点では最大限の配慮をしたいと純粋に思っているのが普通で、初めから「よーし、人を減らすぞ」と思って買収することはありません。仮にこうした二枚舌のように見えることをやっていると、あの会社は誠意が感じられない、という評判が立ち、その後に同様のM&Aができなくなってしまう危険があるからです。
そうした経営上の大きな制約をわざわざ作る会社は、一定レベルの規模を超えているような社会においてはあり得ません。
そう考えると、契約書の「『原則として』を『不測の事態が起こった場合に限り』など違う表現にしてください」とか、「人員等」とあったら「等」を外せとか外さないとか、そうした言葉の入れ込み方で延々と議論したりすることもお互いの信頼を築く上からもいいこととは言えません。
M&Aと結婚はよく似ていると言われます。あらかじめ決めた約束事なんて時間が経てばどこかに行ってしまい、それを後からほじくり返したところで何かが解決するわけでもなく、喧嘩だけ起こったりもします。事前に契約書面の文字で縛ろうにも限界がありますし、先に縛ろうとしすぎても、その後一緒にやっていくことを考えると難しいということです。
大切なことは、その状況や場面において未来を考えて、最善のことは何かを一緒に考えられるようにしておくことです。建設的な展開が生まれることもないような話題や議論は、言わないでおくほうが無難に収まり、何かにつけいいようなこともあるでしょう。
文句を言えない厳しい現実
鴻海によるシャープ救済を巡る情報において、一般の方から見ると「リストラしないというようなことを言っていたはずなのに、正式に決定したらもうリストラの話を出してるじゃないか」と感じるかもしれません。
真相は著者も知りえませんが、直近5期のうち4期が営業赤字の会社を、何千億円も投入して買収したのですから、1日でも1秒でも早く様々な手を打ちたいと考えるのは当たり前でしょう。むしろ連日のように出てくる「新しい判断」に即断即決で対処するのが正解。それを後のばしにしてきたからこそ、いまのシャープがあるわけです。
どっちがどう得をするためだなど、色々な推論が飛び交うとは思いますが、まずは結婚した以上は家計のやりくりを早く安定化させてから将来のことをじっくり話し合いましょうということかと思います。
こうした後出しジャンケンを少しでも減らしたいと思うなら、交渉において「降りる」という選択肢を持つことです。交渉をしていて相手に対して不信感が募って、嫌になってきたならば降りればいいのですが、(例えば法的整理に入った場合などとの合理的な比較により)降りるという選択肢を持てなくなった段階で、交渉は優先順位を考えた妥協の連続で行くしかないことを覚悟しなくてはなりません。
原則として雇用は守りますと約束されていても、「よくよく見たらリストラすべき会社だった」と言われてしまうリスクを徹底的に排除しようと思ったら、交渉は成立しなかったでしょうし、後からそう言われても文句は言えないのが厳しい現実です。
買収されるのに慣れている会社はそう多くないと思いますが、今後はM&A案件自体増える事があっても減るとは考えられません。多くの経営者はそうした現実を意識した経営を心がけて欲しいものですね。
「買われる側」になったら、どう立ち回るべきか
最後に、あなたが買われる側の従業員であった場合、どう立ち回るべきかについて触れます。
社員個人の対応として一般論として言えることは、少なくとも、焦って飛び出しても良いことはないです。かといって、何もしないのも良くないと思います。
とりあえず転職先がないか情報収集に当たり、選考があればどんどん書類を出し、面接があればどんどん受けていくべきだと思います。理想的な状態は次への内定を確保してから早期退職制度に応募することですが、割増退職金はスパッと諦める覚悟も必要かと捉えています。それよりも次への機会を大事にすべきです。
そして、内定をもらった後に改めて考え直して「やっぱり今の会社が好きだ」と考えたら、辞退すればいいでしょう。そこまで素晴らしいと思える会社だったと確認したプロセスがあれば、その後も誇りを持って(仮に給与が将来下がるような事態になったとしても、納得して)頑張れると思います。
最悪の選択は、「とりあえず、今の会社や仕事に愛着あるし」といって何もしないで忠誠を誓っているような態度を取るのは、小説的な美しさはありますが、その姿勢を誰かが評価してくれたり、自分自身で心の底からずっと納得できたりする可能性よりも、将来何かあった時に「あの時動いていたら違う人生になっていたのでは?」と思ってしまう可能性のほうが高いと思います。
それは、会社や経営者にとっても、社員に選ばれるか否かが試される局面になるということでもあります。
正確な情報はわかりませんが、多くの人がシャープから日本電産に転職しているという話があります。転職した方々は「技術者」と「管理者」に分かれるのかと推測されます。
技術者においては現場感覚が残っていれば元々優秀な人も多いようですから、普通に結果を出して過ごせるのかと思います。一方で管理者の方は技術(者)マネジメントを求められるのかと思いますが、そのマネジメントスキル自体の問題よりも、恐らくは永守会長・日本電産の目線からすると時間軸・スピード感が噛み合うかが懸念されます。3カ月でやって欲しいことを2年かけてやろうとして、とがめられるような例です。
著者の経験上、良い時代の大企業に長く在籍し(て、その後自分の会社が悪くなって転職し)た管理職の場合、環境が変わっても、何か不都合なことが起こると「前の職場にあったあれやこれがないからダメなんだ。部下のレベルが低い。だから用意してくれ」と、より恵まれた条件を望んだり言い訳をたくさん並べたりすることは得意ですが、早く結果を出す、そのために自分がプレーヤーの仕事を一時期背負ってでも手段を選ばずPDCAを早く回すというような姿勢が決定的に欠けていることが少なくありません。
シャープの元社員がどうかはわかりませんが、その予測が当たるかどうかは、1,2年もすれば見えてくるでしょう。
菅氏、中小企業の再編促す 競争力強化へ法改正検討
菅義偉官房長官は5日の日本経済新聞のインタビューで中小企業の統合・再編を促進すると表明した。中小の成長や効率化の阻害要因とも指摘される中小企業基本法の見直しに言及した。アベノミクスの継承と同時に、グローバル市場における日本経済の競争力強化に政策の照準を定める。
新型コロナウイルス禍でマスクや医療機器などの供給が困難になった経験を踏まえ、中国依存を念頭に生産拠点の分散を進めると語った。
デービッド・アトキンソン
在日イギリス人の経営者。
小西美術工藝社社長。
三田証券株式会社社外取締役。
金融アナリストの経歴を持つ日本の観光・文化財活用・経済政策の専門家。英国出身。
経歴
オックスフォード大学で日本学を学ぶ。
アンダーセン・コンサルティング(アクセンチュアの前身)やソロモン・ブラザーズに勤務し、1990年頃に渡日。
1992年にゴールドマン・サックスに移ってアナリストとして活動し、バブル崩壊後の日本の銀行に眠る巨額の不良債権を指摘。
ほどなく不良債権問題が顕在化し、その名を高める。
2006年にパートナーに昇任した後、2007年に「マネーゲームを達観するに至って」退社した。アナリストを引退して茶道に打ち込む時期を経て、所有する別荘の隣家が日本の国宝や重要文化財などを補修している小西美術工藝社社長の家だった縁で経営に誘われて2009年に同社に入社し、2010年5月に会長就任。
2011年4月に社長兼務となって、高齢・高給職人に対する賃金カットと若年職人に対する正規雇用化と体系的な教育の導入などの経営の近代化と建て直しにあたった。
その後は日本の文化財政策・観光政策に関する提言などを積極的に行うようになり、東洋経済新報社の著書『新・観光立国論』で第24回山本七平賞を受賞した。
2015年5月より東洋経済ONLINEにて文化財・観光・経済政策に関する題材を中心とした連載を開始。
2016年より三田証券株式会社の社外取締役に就任。
2017年6月より日本政府観光局の特別顧問に就任。菅義偉内閣総理大臣のブレーンの一人で、菅が内閣官房長官時代から観光政策や経済政策に関して助言を行ってきており、2020年に政府の成長戦略会議の議員に起用された。
主張
日本の国宝や重要文化財に指定された建造物文化財の年間修復予算が80億円で、一例として経済規模が半分のイギリスの500億円と比べても低予算すぎると指摘し(2011年時点)、建造物文化財の保存に支障をきたし、観光などの経済効果の面でも機会損失をしていると主張している。
また日本の観光業界・行政が売り物にする「おもてなし」が外国人旅行者から見ると優先度が実は低いと指摘。
長期滞在してもらえる仕組みづくりやガイドの配置、公衆トイレといった環境整備を積極的に行うべきであると主張している。
日本経済と社会保障に関して、人口減少社会と少子高齢化社会における将来の社会保障の持続困難性を指摘したうえで、企業の生産性向上が絶対に必要であると繰り返し主張している。
特に技術革新や海外展開に対応できる人材が乏しく、最新設備の導入にも限界がある、日本に過剰な数がある中小企業が生産性低下の大きな要因だとし、そのために最低賃金を引き上げて経営力と競争力がない中小企業を淘汰・統合するなどの政策を行うべきであると提言している。
【リース・ロス】カネで読み解くビジネスマンのための歴史講座「第17講・中国と日本、通貨の戦争 ②」
イギリスとの交渉の決裂
日本は1932年、「満州国」を樹立し、満州から華北(中国北部)地方への進出を狙っていました。日本は傀儡の冀東防共自治政府を樹立し、華北を蒋介石率いる国民党支配から切り離す「北支分離工作」を進めていましたが、国民党政府が通貨統一事業を達成し、中国経済圏を確立すると、次第に分離工作は困難になります。 この間、イギリスは日本に対し、中国の幣制改革で協調するように呼び掛けていました(リース・ロス、広田弘毅、重光葵との会談)。日本が協調するならば、イギリスや中国は「満州国」を承認するという条件を日本に提示していました。しかし、日本は更なる領土拡大の路線に傾斜しており、イギリスの申し出を断りました。 日本がイギリスの経済協調案に乗らなかったことが、日中戦争や太平洋戦争という災禍を招く大きな原因となります。
「戦争によって戦争を賄う」
1937年、盧溝橋事件が勃発し、日中戦争がはじまると、日本軍は華北を速やかに占領し、さらに南下して、上海、南京を占領します。日本は「華北連合銀行」(華北地方)、「蒙彊銀行」(モンゴル・ウイグル地方)、「華興商業銀行」(上海)、「中央儲備銀行」(南京、華南地方)を設立し、国民党政府の法幣「元」を排除し、これらの銀行の銀行券を新たに通貨として発行します。 これらの銀行が発行する銀行券は「圓(円)」であり、本国の日本銀行券と同じ価値を持つものと喧伝されました。しかし、実際には、日本銀行券との交換は不可能であり、日本銀行券と切り離された通貨でした。 日本の軍部は「戦争によって戦争を賄う」という考え方のもと、占領地で裏付けのない紙幣を大量印刷し、強引に流通させようとしました。そもそも、日本には、中国を軍事支配するのに耐えられるだけの資金力などありませんでした。 日本は台湾や朝鮮でも、銀行を設立し、台湾銀行券や朝鮮銀行券を発行していました。台湾や朝鮮は規模が小さく、統治が比較的容易でした。徴税も円滑に進み、徴税権に裏付けされた植民地銀行券は一定のレベルで信用されました。 しかし、大国の中国は、台湾や朝鮮と事情が異なります。それにも関わらず、日本の軍部は台湾や朝鮮で成功した財政モデルをそのまま、中国に当てはめようとし、失敗したのです。
計画なき日本軍のファイナンス
日本軍により発行された銀行券は、軍費調達のための手形である軍票とともに乱発され、価値が暴落していきます。結局、これらの銀行の銀行券は信用を得られず、ポンドやドルの裏付けのある国民党政府の法幣に取って代わることはできませんでした。 こうして、日本軍は占領地でのファイナンスに窮したため、軍事力による強制徴用で、軍事物資を調達するしかなく、広大な中国において、際限なく戦線を拡大していきました。日本軍はファイナンスの計画性をほとんど持たず、また、当時、浸透しつつあった法幣への対抗手段を持たず、無謀な戦争に突入したのです。
モーリー・ロバートソンの考え
5. 続けて日本の国際化を望みます。次世代までに数千万人(かな?)ぐらいの外国人に日本国籍を与え、移民大国になることがいいと思っています。勿論さまざまなフィルターをかけないとそれこそ中国政府に新たな「武器」を与えることになるので慎重さは必要。ただ「単一民族」モデルはもう継続不可能。— モーリー・ロバートソン (@gjmorley) 2020年9月18日
東芝に2兆円買収提案 英ファンド、非公開化の方針―1株5000円で買い取り
英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝に買収を提案したことが7日、分かった。「物言う株主」との対立が続く東芝の株式を非公開化した上で、企業統治体制を抜本的に見直し、経営判断を速める狙いとみられる。買収額は2兆円を超える可能性がある。
東芝は同日午前、取締役会を開き、対応を協議した。関係筋によると、執行役による検討チームに加え、社外取締役も投資家保護の観点から提案を検証。本格提案を待って結論を早急にまとめる。CVCはTOB(株式公開買い付け)を検討し、他ファンドなどにも参加を呼び掛ける。6日終値を3割程度上回る1株5000円での買い取りを提案したという。
車谷暢昭社長は、CVCの日本法人会長を務めていた。株式を非公開化すれば、物言う株主からの経営に対する介入を排除し、経営判断の機動性を確保できる。ただ、東芝は原子力事業を持ち、外資の出資に際しては改正外為法の規制を受ける。今後の展開は不透明だ。
「日本人なら中国人の3分の1で済む」アニメ制作で進む"日中逆転"の深刻さ
日本のアニメスタジオが、中国企業の下請けになるケースが増えている。新聞記者の中藤玲さんは「中国の求人サイトによると、アニメーターの平均月収は杭州では3万4062元(約52万円)。一方、日本では月収17万5000円でも業界平均よりずっと高い。中国と日本の関係が逆転しつつある」という――。
町田市の雑居ビルで若い日本人アニメーターが描いているのは…
東京都町田市の住宅街にある雑居ビル。エレベーターで5階にのぼって一室に入ると、数人の若い男女が液晶ペンを使い、大きなタブレット画面に神社のような絵を描いていた。
ここはカラード・ペンシル・アニメーション・ジャパンというアニメ制作スタジオだ。
実は彼らが描いているのは、中国のヒット作品「マスターオブスキル」などの作画。そう、カラード社は中国重慶市のアニメスタジオ・彩色鉛筆動漫の日本拠点であり、中国アニメの制作をサポートするために2018年に設けられた。
最近では彩色鉛筆動漫のように、日本に拠点を作って日本人アニメーターを抱え込もうとする中国企業の動きが増えている。
中国ではアニメ人気が高まる一方で、海外ネットコンテンツの流通規制が強化されており、2018年ごろから日本アニメの買い控えが始まった。そこで、自社の配信コンテンツを拡充させたい動画配信企業が採った策が、自前制作、とりわけ「日本品質の内製化」だった。
彩色鉛筆動漫には、中国ネット大手プラットフォーマーである騰訊控股(テンセント)傘下の閲文集団(チャイナ・リテラチャー)が出資している。
テンセントはLINEのような対話アプリ「ウィーチャット」の運営企業として日本でも有名だが、ゲームで世界最大級の企業でもあり、世界の時価総額ランキングではGAFAと並びトップ10位に入る。動画配信サービスも手掛けて「テンセントビデオ」など独自のプラットフォーム(配信網)も展開しており、そこでマスターオブスキルなどのアニメ作品を配信している。
その作画を担うのがカラード社だ。
つまりこういった中国の巨大企業が、日本の制作会社を傘下に持つことで、豊富な資金力を活用してクオリティーの高いアニメを自前で制作し、自社のプラットフォームで独占配信できるというわけだ。
「国会議員5人に現金」中国企業側が供述 IR汚職巡り
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者(48)に現金を渡したとされる中国企業側が東京地検特捜部の調べに対し、自民党などに所属する他の国会議員5人の名前を挙げ、「それぞれに100万円前後の現金を配った」と供述していることが関係者への取材でわかった。特捜部は供述と符合するメモも押収しており、実際に金が渡ったかどうかなどについて慎重に調べている。
IR事業をめぐり、中国企業が日本の政界に幅広く工作しようとしていた疑惑が新たに浮かび上がった。
関係者によると、5人の内訳は自民党4人、日本維新の会1人。北海道を含むIR誘致を検討していた自治体出身の議員や超党派でつくる「国際観光産業振興議員連盟(IR議連)」の幹部らで、閣僚経験者や現職の政務官も含まれる。
5人に現金を渡したと供述しているのは、贈賄容疑で逮捕された中国企業「500ドットコム」(本社・広東省深圳)の顧問で、元沖縄県浦添市議の仲里勝憲容疑者(47)。同社側の別の3人が2017年、計約2千万円を無届けで日本に持ち込み、国会議員らへの現金提供を計画。衆院解散当日の同年9月28日に秋元議員へ300万円を渡したほか、同時期に「国会議員5人にそれぞれ100万円前後を渡した」と話しているという。
特捜部は、同社関係者が無届けで多額の現金を国内に持ち込んだ外国為替及び外国貿易法違反の容疑でも、秋元議員の元秘書宅などを家宅捜索していた。
仲里容疑者らは電子機器に、秋元議員のほか5人の議員名や金額が類推される内容をメモしていた。このメモと仲里容疑者の供述も一致するという。
5人のうちの1人は、自身が代…
橋本元首相、新聞記者ら 中国ハニートラップにハマった人々
ハニートラップは古来、中国の情報工作の一つ。女性工作員が男性を籠絡して機密情報を得る、または弱みを握って揺さぶる策謀だ。対象は政治家、官僚など多岐に渡る。
有名なのは、橋本龍太郎元首相を籠絡した中国人女性通訳のケースだ。1996年、橋本氏に、中国政府関係者を夫に持ち駐日中国大使館への勤務経験もある中国人女性との親密な関係が発覚した。
後に、この女性は北京市公安局の情報工作員だったことが判明。橋本氏と交流を持ちながら、中国へのODA増額などの働きかけを行なっていた疑いがある。
2人の出会いは1970年代末、ホテルニューオータニのロビー。女性は橋本氏の前で、白いハンドバッグを落とし、それを拾ってもらう。橋本氏は、突如現われた女性の美貌に心を躍らせるが、あらかじめ仕組まれた工作の可能性が高い。
2004年、上海総領事館員も巧妙な罠に嵌まってしまった。上海のナイトクラブで働くホステスと交際していた領事館員は、このホステスとの交際などをネタに中国公安の「協力者」になることを迫られる。中国公安は、領事館員が暗号電文を送受信する立場であることを既に知っていた。
思い悩んだ領事館員は、領事館内の宿直室で自ら首を吊る。遺書にはこう綴られる。
<日本を売らない限り私は出国できそうにありませんので、この道を選びました>
日頃、中国共産党を取材する立場のジャーナリストにもハニートラップの毒牙が及ぶ。
昨年7月、大手全国紙で数多のスクープを飛ばしていたエース特派員とテレビ局の中国人スタッフの「禁断不倫」が週刊誌によって報じられた。
記者は中国人女性と仕事で知り合う。その後、取材現場で顔を合わすうちに恋愛に発展していくのだが、これを“男の火遊び”と軽視することはできない。記者は、中国人女性を支局内に連れ込み、取材情報が集積されたパソコン端末を使用させていたと記事には綴られている。
昨今、その大手紙は中国共産党の暗部を執拗に報じている。それらの情報源を割り出したい当局にとっては、新聞社の内部情報は何としてでも手に入れたいものだ。ちなみに、この女性は中国軍幹部の娘だという。
狙われるのは民間のビジネスマンも同様だ。例えば国家間のプロジェクトに関わる財界人などは、ハニートラップの格好の対象になろう。
「中国進出メーカーの駐在員もハニートラップの被害者となることがある。ある現地支社長は、愛人兼秘書に若い中国人女性を雇い、奥さんの監視を逃れて、“我が世の春”を謳歌していた。この中国人女性に関係を家族や会社にばらすと脅迫され、多額の金銭を支払ったと聞きました」(大手メーカー・中国駐在員)
心を許したが最後。中国人の策謀はしたたかで恐ろしい。
※SAPIO2014年9月号