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【お色気おっぱい?医療おっぱい?部族おっぱい?】なぜテレビからお◯ぱいが消えたのか漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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信じるか信じないかはあなた次第

 

 

 

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【お色気おっぱい?医療おっぱい?部族おっぱい?】なぜテレビからお◯ぱいが消えたのか漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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おっぱいかく戦えり 地上波最後のおっぱいを探せ

990年代当時、私は南太平洋の小国・フィジーに家族と住んでいた。その頃のフィジーはまだテレビ放送すら存在せず、無論まだインターネットもない。唯一の日本の情報源は、大使館から駐在日本人の間を回りに回って回覧された挙句、ボロボロになった日本の新聞で、当時中学生だった自分の手元に届くのはだいたい発行から1年も経った後だった。

おっぱいOKの日本のテレビ番組は海外で大人気だった

 毎週ジャンプの発売と、ドラゴンボールZのテレビ放送を楽しみにしていた日本の少年が、ある日を境にそんな境遇に置かれてしまったことを思いやってか、時折、日本に住む祖父がテレビ番組を撮りためたVHSをフィジーまで送ってきてくれた。それをビデオにセットして再生すると、自宅の隣にある部落から部族たちがいつの間にか集まってきて、私の同時通訳で鑑賞会が始まる。やはり、人が転んだり爆発したりするのは人類共通の笑いのようで、『お笑いウルトラクイズ』のウケが一番良かったことを今でも覚えている。

 私はそのVHSを部族のみならず、クラスメイトの韓国人やアメリカ人たちにもよく見せていた。すると、特に「おっぱい」について絶賛された。当時の日本のテレビ番組は『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』や『バカ殿様』など、志村けんについていけばだいたいおっぱいが見られたものだが、韓国やアメリカのテレビではおっぱいはNGらしく、

韓国人「我が国は保守的でここまで開放的ではない。だから日本がうらやましい!」
アメリカ人「おっぱいは有料チャンネルじゃないと見られない。制限がない日本がうらやましい!」


 といった感想が寄せられた。90年代の日本はニンテンドーやウォークマンなど、世界中の中学生にとってまさに黄金の国であり、おっぱいを前に驚く彼らに対して私は、

「見たか、これがライジングサンの表現の自由よ! いつか君らの国のテレビでもおっぱいが解禁になるだろう、はははは!」

 と非常に勝ち誇っていた。そして、今後ますます日本のテレビはより過激に、より自由になっていくのだろうと思っていた……

が、そうならなかった。

社会が成熟して細かく整備されていくうちに、地上波テレビからはおっぱいが消え、今やスカパーなどでしか見られなくなった。アメリカの後追いになってしまったのだ。

地上波から消えた「おっぱい」

 では、いつから地上波でおっぱいはNGになってしまったのだろうか? 前振りが異様に長くなってしまったが、「地上波のラストおっぱい」を探すことにしてみよう。しかし、その前に定義しておきたい。ここでいうおっぱいとは女性の「乳房」のことではなく「乳首」、厳密には「乳輪から先」のことだ。

 かつて、そんな「乳輪から先」を死ぬほど露出していた番組といえば、まずフジテレビの『志村けんのバカ殿様』が挙げられるだろう。今でも1年に3回くらい不定期放送している長寿番組なので、そろそろまた放送しそうな頃合いなのだが、当然ながら今はおっぱいは出てこない。では消えたタイミングはいつなのか? それを調べた記事が以下のリンクだ。これによると、『バカ殿様』からおっぱいが消えたのは2000年以降としている。
https://sirabee.com/2015/03/27/23334/

『バカ殿様』を筆頭に、おそらく2000年以降、徐々にゴールデンタイムからおっぱいは粛清されていったものと思われる。しかし、おっぱいたちは深夜帯に立てこもって抵抗を続け、風前の灯ではあるものの、わりと最近まで地上波で放送されていたようだ。されど、スマホが普及しつつあった2012年1月7日、ついにおっぱいたちは最後のひと燃えのような輝きを放ち、その有終の美を地上波で飾る。

 その日の0:12、まずテレ東『湯けむりスナイパー お正月スペシャル2012』で開始早々おっぱい丸出し2名、さらに同じ日の23:15、今度はテレ朝『特命係長 只野仁 ファイナル 第二夜』でも開始早々1名と、1日で2番組もおっぱい特攻をしかけてきたのだ。さらに付け加えると、その前日である1月6日の23:15から『特命係長 只野仁 ファイナル 第一夜』でも開始早々におっぱいが露出されていたので、

「只野仁 第一夜」→日が変わった直後に「湯けむりスナイパー」→睡眠&日中待機して夜11時に「只野仁 第二夜」

 という感じで、2012年1月6日の夜から1月7日の夜にかけて怒涛のおっぱい巡りができた奇跡の日になったのだ。しかしこの狂い咲きをもって、おっぱいたちは東京の地上波から消滅。そして東京を放棄したおっぱいたちは、拠点を大阪に変え、さらなる抵抗を続けようとした。

 2012年9月12日の0:12、テレビ大阪は「地上波の限界に挑戦する!?」と銘打って、『ガチバラ! こちら温泉DVD制作会社』を放送。入浴中のAV女優・麻美ゆまのポロリで最後の決戦をしかけたのだ。
http://www.tv-osaka.co.jp/gachi/

 この戦の将軍は、田原総一朗氏である。田原氏はその番組中、温泉DVD制作監督という役柄で登場する。これについて氏に直撃してみると、

「僕はね、バスタオルを巻いたまま温泉に入るのがずっとおかしいと思っていた。だから、至って真面目に温泉番組を作ったんだ。大阪だからこそ実現した企画」

 とこだわりを明かしてくれた。当時、この「大阪だからこそ」というポイントは重要だったみたいで、実際にこの番組を見た浅草キッドの水道橋博士も以下のツイートを残している。「東京じゃもうポロリは無理だけど、大阪ならあるいは…」と一縷の望みを託した空気が、漂う人には漂っていたようだ。


「ご好評いただいたら、レギュラー化も夢ではない」という位置付けの実験的番組であったが、田原氏のマネージャーによると、放送後、テレビ大阪はだいぶ怒られたようで、この番組は結局レギュラー化もされないままに、結局これが地上波での本当に最後のおっぱいになってしまう。真の意味で「地上波の限界に挑戦した番組」になってしまったのだ。

 しかも、その地上波おっぱいの幕引きを、かつて浅草キッドによって「日本初のAV監督」と評された田原氏が務めることになったとは、もはや運命というべきなのか、皮肉というべきなのか…。

「そうか、僕の番組が最後だったのか……」

 老将は一抹の寂しさを見せつつも満足げに、そっと瞼を閉じて言った。2012年9月12日、我々はこの日を忘れない。

が、まだまだおっぱいたちは生き残り続けた。

 

医療番組でもおっぱいNGに

あくまで絶滅したのは「お色気おっぱい」であって、「医療用」ならまだセーフ。まるで大麻のような話であるが、実際に「乳がん検診」を紹介する番組で、丸出しおっぱいは、細々と、地味に、登場し続けていたのであった。

 しかし、そんな真面目な医療用おっぱいたちも、残党狩りのごとく駆逐されてしまう。今から4年前の2013年6月16日、日曜の朝にTBSで放送された『健康カプセル! ゲンキの時間』を最後に、たとえ医療用であろうとモザイク処理が施されるようになってしまったのだ。大阪の陣からわずか9カ月の命であった。

 これ以降、日本人女性の「乳輪から先」は地上波では映っていない。ここから先は、アフリカやアマゾンなどの「部族おっぱい」に限定されてしまう。

部族はOKだけど日本人はNGという謎基準

 実際に、つい先日の2017年3月4日、フジテレビで『アナと雪の女王』がテレビ初放送されていた裏で、“おっぱいダブルスタンダード”が発生していた。その日、TBS『世界ふしぎ発見』と、テレ東『出没! アド街ック天国』は、おっぱい祭りを開催して裏のアナ雪に対抗していたのだが、TBSはアフリカの部族の丸出しおっぱいだったのに対して、テレ東は氷のツララなどを用いて、入浴中の日本人女性の乳輪から先を絶妙に隠していたのだ。

 というわけで、2017年現在は「部族はOKだけど、日本人はNG」という基準が継続されている。そしてこの線引きによってある種、異様な映像となったのが、2015年9月17日のTBS『クレイジージャーニー』だ。この番組では自らもおっぱいをさらけ出し、部族の輪に飛び込んで撮影をする日本人女性カメラマンが紹介されていたのだが、彼女の胸だけにモザイク処理が施され、部族のそれは丸出し状態。せっかく輪に飛び込んで“部族のおっぱい”になったというのに、あくまで“日本人のおっぱい”として扱われているという矛盾が浮き彫りになった。

 では、部族じゃない外国人はどうなのか? 至近の例でいうと、2017年1月13日のテレ東『午後のロードショー』では、白人女優がおっぱいを出そうとした瞬間、「しじみ習慣〜♪」のCMがカットインしてきたという報告もあり、日本人のみならず「普段服を着てそうな人」のおっぱいは、基本的に全部NGになっているようだ。

 しかし、この「普段服を着てそうな人」という判断が非常に難しい。確かに胸を隠さない文明に属する部族は存在するし、私も冒頭で述べたフィジーでの生活を通して、実際に部族のおっぱいを目撃したことがある。彼らは普段からそのスタイルなので、それを日本のテレビで放送することは特に問題ではない。じゃあ、同じように普段から裸である「ヌーディスト」はどうなるのか?

Getty Images

 …と思ったのだが、2013年8月2日毎日放送『世界の日本人妻は見た!』で紹介されたフランス・ニースのヌーディストビーチの模様は、おばあちゃんも含め、しっかりスタンプみたいなやつで隠されていた。

フランス人は服を着ていて我々とライフスタイルが近いはずだから、どうしてもエロく見えてしまう。それゆえヌーディストであろうと隠すことにしたのだろう。しかし、2016年7月21日にNHKで再放送された『地球でイチバンの海の楽園と神秘の島』はどうだろう。ミクロネシア連邦のヤップ島民の丸出しおっぱいが映されている。

 彼らは普段裸ではない。おっぱいを出すのは基本的にお祭りのときだけだ。その証拠に、ヤップ語にブラジャーを意味する言葉がある。それも「チチバンド」という。東京から1万kmも離れたフランスのニースと違って、わずか2800kmしか離れていないヤップ島は、終戦まで日本の委任統治領であり、当時の日本語教育の名残がこのような形で現地の言葉に残っているのだ。

 そんな我々と同じチチバンドを普段してる人たちのおっぱいを、よりによって準国営放送でオンエアしているという現状。別に、彼らのおっぱいを映すなと言っているわけではない。お祭りの映像だし、公開おっぱいだから基本的に問題はない。問題なのは、

「なんで普段服を着ていてチチバンドもしてるヤップ島民はOKで、フランスのヌーディストはNGなんだ?」

 という矛盾である。ヌーディストを隠すならヤップ島も隠してしかるべきなのだが、でもそれだと、ドミノ倒しでアマゾンやアフリカの部族おっぱいも隠すことになって、テレビにはなんのリアリティも残らなくなってしまう。したがって、

「ヌーディストもOKにする」

ここに線を引くべきだろう。これも立派な「風習」だ。

 先に触れた『クレイジージャーニー』の日本人女性のおっぱいも、部族の風習に倣ったものなのでそのまま放送すべきであった。今の基準だと単に「先進国かどうか」ないし「一般日本人的にエロく見えそうかどうか」といった、終わりのない主観レベルの議論で決められているように思えてしまう。はっきり言って、中学校の学級会以下のレベルだ。我々はもっとおっぱいに対してフェアになるべきだと思うし、現に、ヤップ島のおっぱいは十分エロく見える。

 そんなことを、ヤップ島から南に下ることさらに4400km離れたフィジーで、かつて部族と一緒に日本のおっぱい番組を見ていた私は思う。フィジーから見ると、ヤップ島はお年寄りが日本語を話すし、肌の色も薄いので、もうほとんど日本のように見えるのだ。

なのに当の日本からだと、ヤップ島をはじめとした南東方面の島々は、地中海よりも遠い未開の地のように見られているようで、堂々とさらけ出された白人ヌーディストの胸についスタンプを押してしまう日本人心理の生々しさに、なんだか悲しさを感じてしまう。ミクロネシアのお年寄りたちは、いまだに日本のことを「内地」と呼んでいるそうだ。もっと近くの素敵な隣人たちに目を向けてもらいたい。

 話がなんだか変なところに行き着いてしまったが、最後に時系列で整理しよう。

* 2012年1月7日:テレ東『湯けむりスナイパー お正月スペシャル2012』と、テレ朝『特命係長 只野仁 ファイナル 第二夜』の2番組で、最後の丸出しおっぱいの乱勃発(東京の地上波でお色気おっぱい絶滅)。

* 2012年9月12日:テレビ大阪『ガチバラ! こちら温泉DVD制作会社』で田原総一朗が特攻、玉砕(全地上波お色気おっぱい全滅)。

* 2013年6月16日:TBS『健康カプセル! ゲンキの時間』での乳がん検診紹介で、最後の医療用おっぱい確認(日本人おっぱい完全消滅)。

* 2013年8月2日:毎日放送『世界の日本人妻は見た!』で、フランスのヌーディストにスタンプ(先進国おっぱいNG)。

* 2015年9月17日:TBS『クレイジージャーニー』で、日本人女性のおっぱいだけをモザイク処理。部族は放置(先進国NG基準再確認)。

* 2016年7月21日:NHK『地球でイチバンの海の楽園と神秘の島』再放送で、普段はチチバンドをしているヤップ島民のおっぱいを放送。

* 2017年1月13日:テレ東『午後のロードショー』で、白人おっぱいを「しじみ習慣」で隠蔽(武田久美子かよ!)。

* 2017年3月4日:アナ雪テレビ初放送の裏で、TBS『世界ふしぎ発見』とテレ東『出没! アド街ック天国』が先進国NG基準を継続。


 とにかくヌーディストの「乳輪から先」を解禁できたら、「風習はそのまま映す」という明確な基準が生まれ、おっぱい差別はなくなる。先進国か部族か、エロく見えるか否かといった曖昧な線引きは消滅して丸く収まるだろう。

結局どこにエロさを感じるのかはひとそれぞれなので、テレビ局が決めることではないのだ。いろんなクレームを考慮した末に、多めに隠したくなる気持ちもわからなくもないが、そこは毅然たるポリシーをもって、おっぱいを放送し続けてもらえたらと願っている。

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