信じるか信じないかはあなた次第
北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が遭難し、11人が死亡、15人が行方不明となった事故。掃除用具のレンタルや経営コンサルを行なっている株式会社武蔵野の小山昇社長はかつて、事故を起こした運行会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に黒字化に向けたアドバイスを行っていた。
そのアドバイスの内容は小山社長自身がダイヤモンド・オンラインで記事にしていたが、なぜか記事は現在、削除されていることがネットで話題になっている。
ポイント① 当日は強風・波浪注意報が出ていた
ポイント② 遊覧船が壊れ26人全員が沈没
ポイント③ 経験不足の船長と杜撰な管理が露呈された
ポイント④ 説明不十分な記者会見と家族説明でさらに不問を募らせた
〈知床観光船事故〉GWに同じコースを辿った50代観光客が証言する「寒さ」と「強風」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f95f1be8a561e70049dd0779cb50a3cedbc9cb13
北海道の知床半島沖で起きた観光船「KAZU 1」の遭難事故。発生から3日目となる4月25日には、新たに子ども1人の死亡が発表された。事故当日、観光船は乗客・乗員合わせて26人を乗せて斜里町ウトロを出港したが、これまでに救助された11人全員の死亡が確認されたことになる。このニュースを耳にして「背筋が凍った」と語るのは、2019年に家族で知床岬を巡るクルージングに参加した50代の男性だ。
同じ会社の別船の臨時船長“証言”注意報など十分確認せず出航か…社長会見「船長判断、引き返す条件付きで認めた」
北海道の知床半島の沖合で、26人を乗せた観光船「KAZUⅠ」が消息を絶ってから5日目…運航会社の社長が初めて会見しました。
当日の出航について「最終判断は船長。天気が荒れたら引き返す条件付きで認めた」などと説明しました。
これより先、当日、同じ会社の観光船「KAZUⅢ」で、短いコースで出航していた臨時船長が「KAZUⅠ」の豊田徳幸船長の判断について、すでに出されていた強風と波浪の注意報など「天気予報、ちゃんと確認していないのかなという印象を受けました」と話しました。
また、事故の背景に「社長は(海や船の)知識なく、人任せだったのに、ベテランの社員を解雇したことなどがあるのでは」と指摘しています。
<臨時船長(社長会見前に取材)>
◆「KAZUⅠ(カズワン)」が消息を絶った当日は何を?
「(同じ知床遊覧船が運航する)『KAZUⅢ(カズスリー)』の操船をしていました」
◆同じ会社で2隻出たということ?
「そうですね」
◆「KAZUⅢ」は何時に出航した?
「午前10時30分の便で、ちょっと早めの10時20分ごろに出航しました」
◆どのコース?
「短い『カムイワッカの滝』という滝で折り返す70分のコース」
※「KAZUⅠ」は知床半島の先端部を折り返す3時間コース
◆当日の天候状況は?
「当日は予報が昼前くらいから風と波が出て来る予報になっていまして、出航時の午前10時とか10時半のときは、波風は、ほぼなかった状況です」
「あのとき強風注意報が出ていて、昼前から波風が出る予報だったので、案の定、やっぱり午前11時ごろから波風は若干出てきた場面でした」
◆午前10時20分に出航して、結果的には戻って来たのか?
「いいえ、70分コースで運航したので、通常通りに帰ってきた感じです」
◆悪天候も懸念されていたと思うが、出航の判断は誰が?
「基本的には船長の判断で、運航管理者に決定していただくのが運営方針だと思うんですが、あの場合ですと船長独断の判断になりますね」
◆ご自身の判断で、その日は出ようと?
「そうですね」
◆特にそこでは、運航会社の社長とのやりとりは?
「ないですね」
◆当日「KAZUⅠ」に関して何かやりとりは?
「もちろん、豊田船長とも朝、話し合いましたが、やっぱり天気の話とか、午後になって、昼前から波が出てきそうだという話もしたんですが、反応がなかったんですよ」
◆反応がないというのは?
「返答がないみたいな。その当日、午後2時出航の便もあったんですよ。その午後2時の便は、時間帯的に完全に波が出る時間なので『無理だよね』という話を朝したところ、反応が薄かったので『ああ、天気予報ちゃんと確認していないのかな』という印象を受けました」
◆海に出るときに天気予報を確認しないことはありうる?
「もってのほかですね」
◆それにも関わらず、なぜ出航した?
「自分の中に自信があったのか、去年も1シーズンだけですけど、操縦してましたから。自信があったんでしょうかね」<桂田精一社長の会見>
◆基本的に、その日の出港は船長が天気図など見て、行けるか、行けないかの判断をして、社長が承認するというのが基本的な判断ということか?
「そうでございます」
◆荒れる可能性があるけど、大丈夫だと言われたということでいいか?
「はい」
◆荒れたから帰ってきなさいという条件を出したのは、社長ということでいいか?
「そうです」
「もう、それは何年もやっていることで、このように形にもなっていて、船会社のフロントに貼ってあり、その横にまたこういうことがあるかもしれないので、その時は船長判断に従ってくださいということで張り紙をしている」
◆社長にとっては、行けるか、行けないかの判断は、豊田さんに任せていたということでいいか?
「基本的に船のどの会社も、最終的には船長判断でございます」
◆会社の安全管理規程はどうなっていたのか?
「波が1メートル以上で欠航。風速8メートル以上で欠航。視界が300メートル以上ないと出航できない」
「数字で言うと、そんな感じ」
「その時点で海を見ても荒れてはいないし、天気予報を見ても問題ないということで」
「また、第2便も(KAZUⅢ)普通に出航して戻っておりますので」
「あの、お客様もですね、やっぱり一番このような先端まで来てですね、できればちょっとでも走って欲しいという要望がすごくあります」
「前で体感していただければ揺れて、帰って、もう帰ってくれという気持ちに納得していただく方法をとっていました」
◆今あらためて、あの日の出航判断はどう思うか?
「まあ…、今となれば、このような事故を起こしてしまったことですので、判断的には間違ったなと感じております」
◆午前9時40分に札幌管区気象台から波浪注意報が発表されていたが、その事実を社長知っていた?
「知っております」
◆波浪注意報が出ているにも関わらず、出航をそのまま止めなかった?
「現実に(船が出る)ウトロ港、車で少し走ったところ、波も平穏だったからです。風もなく」<臨時船長(社長会見前に取材)>
◆何か、社長からの「今日出ろ」などの指示は?
「ただ、朝の出航間際の時点の判断では、波風がまだない状態でしたので。午前10時の時間帯は」
「あの辺では強制的に運航させられたという雰囲気は全くなかったのですが、ただ時間が経つにつれて波風が出て来る予報だったので」
「その辺の判断の見誤りと、他の同業者がまだ運航していない場面でしたから、単独での運航になりますから、その辺も慎重になるべきでしたね」
◆なぜ単独で運航していた?「元々昔から、連休前から営業する会社だったんです。その辺は逆にいうと通常通り」
◆29日から皆さんスタートするという中、それより早く知床遊覧船は営業開始したと?
「それは元々なんで、ずるいとかいう感じもなく」
「他の会社も2社だけ4月の中ぐらいから営業してるのわかっていたので、今回はたまたま1社だった」
「ただ、そういう場面で単独運航だったので、慎重になるべきだったと思っています」
◆午前中には漁船も戻ってきていたが、午前10時台に出てしまうのは危険なのでは?
「場所によっては風上の方に関しては、吹いてきていた可能性はありますよね」
◆「KAZUⅢ」は危険を感じなかった?
「全く感じなかったです。ただ折り返しの時点で波風がちょっと立ってきて、しぶきがかかるような風が吹いてきたので、しぶきがかかる風は結構な風速だと思うんですよ」
◆2隻は、ほぼ同じ時間に出航しているが、どのように受け止めている?
「『KAZUⅠ』の船長の豊田さんも単独で、しかも去年からの経験もまだ浅いですから、もう少し慎重になって、まわりの話や天気予報の話もちゃんと聞いて、途中で折り返すような判断はできなかったのかという感じはします」
◆会社の指示、体質に関しては?
「船2隻あるにも関わらず、豊田さん1人しかいない状況でして」
「船1隻で運航していくのかと思ったら、新しい船長を探していて、そういった矢先で自分が手伝いに行くことになったんですが…」
「この状態で、また新しい船長を雇って運航していた場合、去年の二の舞になっていた」
「去年も新しい船長が事故を起こしていますから、新しい船長が…」
◆なぜ事故がくり返される?
「これは、明らかに去年のシーズン初めに元いた船長とかのベテラン従業員を一斉解雇したことに始まりますね」
「そのあとに船長を3人新規で採用して、そのうちの2人が去年事故を起こして、残った1人が豊田さん」
◆3人中3人、事故を起こした?
「よく報道などで、去年を事故を起こしたのが豊田さんだったってありますけど、去年の事故は船長の登録が豊田さんで、事故を起こした時は別の人が操縦して事故を起こしたんですけど、会員名簿が豊田さんになっていたので、船長という名目になっている」
「なので、豊田船長は2回事故を起こしたとなっているが、実際にやったのは別の人」
◆「KAZUⅠ」に傷があったとの報道もあるが?
「まさに去年2回事故あって、船底を傷つけていまして、2回目の事故の時に当局から修理しないと運航許可を出さないという話を聞いてまして、それで去年船を修理しているはずなんですよね」
「事故当日の波の振動で亀裂が広がったという話は、うちらの業界ではそういう可能性はあるかなという話はしている」
◆傷は誰が修理した?「去年の1人目の事故を起こした船長が自ら修理を始めて、当局から『ちゃんとプロの業者に頼まないとだめだ』と言われたような気がします。そのあと業者が来たのかは知らないです」
◆GPSは付いていた?
「もちろん、付いていたとは思う」
◆救難装備は、しっかりしていた?
「もちろんです。法定備品の検査が毎年ありますので」
◆沈んでいったということは大きな損傷?
「前の方から沈み始めたという報告で、後ろが浮いていて、2階のデッキに避難しているという無線の連絡があったらしいんです」
「前の方が沈んでいるということは完全に穴があいている。上から波をかぶって沈むことはまずないので」
◆なぜ船が出てきていないと思うか?
「完全に沈んだと、仲間内ではそういう話になっている」
「単独での出航で、トラブルが起こらないとは言えないので、トラブルが起こった時にどう対応できるかという判断ができないと」
「あの場面では単独出航でしたから、慎重になるべきでした。船長は」
◆単独運航になるのも経営体制が変わってから?
「そんなことはないです」
◆同じ日に出航した船長として、今回の事故をどうとらえるか?
「浸水した原因を明確にしないとわからないが、浸水し始めた時点で気づくべきだった」
「そこで何か対処できたのかなと。例えば、海岸に強引に乗り上げて、そこから乗客を降ろすとか」
「あと、波があって救助が遅れたというのは大きいので、やっぱり天気予報はチェックして、あと単独の運航だったので、その時はもっと慎重になるべきだったと思いますね」
◆事故があったの連絡は、戻ってきた時に?
「もう事務所で待っている時ですね」
◆それは誰から連絡があった?
「豊田さん、船長から」
◆その時社長はどこにいた?
「北見市か、どこかの病院に行っていて、夕方に着いた」
◆事故後の社長の様子は?
「あたふたしている感じでしたね、当時の現状を把握しようと」
◆もし、自分が『KAZUⅠ』のルートだったら出ていましたか?
「単独なので、自分だったらルシャで折り返したかなと思います」
「ルシャなら、行って帰ってきて2時間なので、午前10時にでたら午後0時に帰って来ている」
なぜ出航したのか…26人乗船の知床観光船「大荒天で強行」の背景
「午後から風が強くなり海が荒れるとわかっていた。出航するのは無謀で、今でも信じられません」
FRIDAYデジタル
「沈没しよるけん、今までありがとうね」 知床観光船から妻に電話
北海道・知床半島沖で乗員乗客26人を乗せた観光船「KAZU Ⅰ(カズ ワン)」が浸水した事故で、安否が分かっていない佐賀県有田町の70代男性が事故のあった23日午後、妻に「船が沈没しよるけん、今までありがとうね」と電話をしていた。男性は息子と製材所を経営し、かつては商工会の中心的存在だった。家族思いで知られ、親族らは「怖かっただろうに、あの人らしい」と涙を流した。
「奥さんにお礼を言いたかったんだろう。優しい人だから」。男性の義弟(69)は寂しそうな表情を浮かべた。男性は地元商工会などで親しかったゴルフ仲間2人と乗船し、事故に巻き込まれたとみられる。 男性の製材所は父から引き継いだ頃、従業員が数人規模だったが、男性の経営手腕で二十数人を雇用するまでに成長した。自身も勤めていた義弟は「仕事に厳しいが、思いやりがある。奥さん思い、家族思いで、孫のことも可愛がってくれる」と話した。 かつては地元の西有田商工振興会で理事を務めた。男性を知る有田商工会議所の川原耕洋事務局長は「いつもにこにこしていて、みんなに慕われている。地域の発展に尽くした人だ。無事に帰ってきてほしい」と祈るように話す。 ゴルフ仲間の男性(72)は17日にゴルフをした時、男性から「北海道に行く」と聞いていた。「しっかり者で慎重な人だから(カズ ワンが)昨年、事故を起こしていると知ったら乗船していなかったと思う。周囲もこんな事故が起きないよう対処してほしかった」と悔やんだ。【山口響、城島勇人、峰下喜之】
観光船不明 自衛隊機捜索続ける 護衛艦も現場へ(2022年4月24日)
「やっぱりやったか…」知床遊覧船の元船長が明かす問題点 悪天候でも出航指示?「ブラック企業」会社に批判も
「やっぱりやったか…」難しい地形、悪天候時の判断も困難
さらに、知床遊覧船で働いていたという元船長に話しを聞くと――。
知床遊覧船の元船長:あぁ、やっぱりやったかという感じ。
もう一言いうと「去年あれだけの事故でよく済んだな」と。
僕から言わせると。
今回事故を起こしたKAZU1の豊田船長は、2021年6月にも座礁事故を起こし、業務上過失往来危険の容疑で書類送検されていました。
知床遊覧船の元船長:海岸線をはしるので、ところどころ狭いところや岩や定置網を抜けるところはある。
何年経験があっても慣れない。
行って帰ってきたら腕がパンパン。
さらに、難しいのが悪天候時の判断。
知床遊覧船の元船長:出回っている当日の映像を見る限り、出ていくには出ていける雰囲気はあった。
その部分は船長を非難しない。
知床遊覧船の元船長:(運行するかは)最後は船長の判断。
厳しいからやめる判断をしたことも多々ある。
港の周りは風向きにもよるけれど波が穏やかで、沖に出るとどんどん波が高くなる。
10分ほど走ったところで、波の高さや船の揺れ具合を確認するなどして判断していた。当日の波の状況などを見極める経験と冷静な判断が必要だといいます。
海上保安庁は今回の事故について原因を調べるとともに、「業務上過失往来危険」と「業務上過失致死」での立件を視野に捜査を進めています。
(「めざまし8」4月26日放送)めざまし8
「荒天でも出せ!」知床遊覧船社長 海の素人のブラックな履歴書
およそ2時間半の会見で、土下座すること3度――。
北海道・知床沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU1」(以下「カズワン」。全長12m、19トン)が行方不明となる事故が起きてから4日後、4月27日になって運営会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)はようやく謝罪会見を開いた。
しかし「午前中はシケていなかった」など、海の状況を判断する能力を疑うような説明に終始。安全意識の欠落を吐露する内容となった。
FRIDAYデジタル
【独自】観光船社長の会見前 乗客家族に説明会“音声入手”…怒り、悲しみ、むなしさ
テレビ朝日
知床観光船 “もう一つの謎”、桂田精一社長への「黒字化アドバイス記事」はなぜ消えた?
北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が遭難し、11人が死亡、15人が行方不明となった事故。掃除用具のレンタルや経営コンサルを行なっている株式会社武蔵野の小山昇社長はかつて、事故を起こした運行会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に黒字化に向けたアドバイスを行っていた。
そのアドバイスの内容は小山社長自身がダイヤモンド・オンラインで記事にしていたが、なぜか記事は現在、削除されていることがネットで話題になっている。
知床遊覧船ホームページより
小山社長は2017年夏、コンサルタントの顧客であった桂田精一社長の運営する宿泊施設「しれとこ村」に宿泊。桂田社長について、こう記述している。
いい宿ですが、桂田精一社長は有名百貨店で個展を行うほどの元陶芸家で、突然ホテル経営を任され、右も左もわからないド素人。運よく何もわからないから、小山にアドバイスされたことは「はい」「YES」「喜んで」ですぐ実行した。
観光船を是非とも購入するよう、後押しをしたという。
知床観光船が売り出されたとき、私は、
「値切ってはダメ! 言い値で買いなさい」
と指導した。小山社長のコンサルタントによって、桂田社長は利益を生み出すことに成功した。
すると、赤字の会社があっというまに黒字に変わった。
一方、今回の事故は利益至上主義が招いた“人災”とも言われている。事故当日は波浪注意報が出ており、他の観光船や漁船は出航を取り止めていた。
小山社長は桂田社長に対して、どのような経営コンサルを行なっていたのか。また、記事が削除された理由は何なのか。株式会社武蔵野に問い合わせると、
小山は不在にしており、戻りません。この件について、一切お答えできかねます。メディアからの取材には応じておりません。
との回答だった。
記事削除の経緯についてダイヤモンド・オンラインに問い合わせたが、担当者不在のため、メールで質問を送付した。
小山社長のアドバイスは、
知床の冬は寒すぎて客数が減りますが、それなら寒さを逆手に取って、外にテントでも張ってマイナス20度の世界を体験できるプランを販売すればいい。
など、確かにアイデアとして面白いが、安全性を度外視しているようにも見える。2017年に桂田社長はどんな助言を受けていたのか、気になるところである。
■
【追記:4/30朝】ダイヤモンド・オンラインは29日までに当該記事を再公開した。編集部は「本記事は2022年4月25日に公開停止しましたが、不適切な判断でした。同年4月28日に再公開しました」と釈明している。
また、取材に対してもメールで回答があり「いったん削除はいたしましたが、中立・公正の立場を貫くべきメディアとして再公開するのが適切と判断いたしました」、「削除の経緯や助言については当方でお答えできかねるため対応は株式会社武蔵野さまに一任しております」とのことだった。武蔵野から削除依頼を受けて、安易に対応してしまったものと考えられる。
同じ会社の別線の臨時船長”証言”注意報など十分確認せず出向か…社長会見「船長判断、引き返す条件付きで認めた」
27日朝、会見前の桂田精一社長
北海道の知床半島の沖合で、26人を乗せた観光船「KAZUⅠ」が消息を絶ってから5日目…運航会社の社長が初めて会見しました。当日の出航について「最終判断は船長。天気が荒れたら引き返す条件付きで認めた」などと説明しました。
これより先、当日、同じ会社の観光船「KAZUⅢ」で、短いコースで出航していた臨時船長が「KAZUⅠ」の豊田徳幸船長の判断について、すでに出されていた強風と波浪の注意報など「天気予報、ちゃんと確認していないのかなという印象を受けました」と話しました。
また、事故の背景に「社長は(海や船の)知識なく、人任せだったのに、ベテランの社員を解雇したことなどがあるのでは」と指摘しています。
<臨時船長(社長会見前に取材)>
◆「KAZUⅠ(カズワン)」が消息を絶った当日は何を?
「(同じ知床遊覧船が運航する)『KAZUⅢ(カズスリー)』の操船をしていました」
◆同じ会社で2隻出たということ?
「そうですね」
◆「KAZUⅢ」は何時に出航した?
「午前10時30分の便で、ちょっと早めの10時20分ごろに出航しました」
◆どのコース?
「短い『カムイワッカの滝』という滝で折り返す70分のコース」
※「KAZUⅠ」は知床半島の先端部を折り返す3時間コース
◆当日の天候状況は?
「当日は予報が昼前くらいから風と波が出て来る予報になっていまして、出航時の午前10時とか10時半のときは、波風は、ほぼなかった状況です」
「あのとき強風注意報が出ていて、昼前から波風が出る予報だったので、案の定、やっぱり午前11時ごろから波風は若干出てきた場面でした」
◆午前10時20分に出航して、結果的には戻って来たのか?
「いいえ、70分コースで運航したので、通常通りに帰ってきた感じです」
◆悪天候も懸念されていたと思うが、出航の判断は誰が?
「基本的には船長の判断で、運航管理者に決定していただくのが運営方針だと思うんですが、あの場合ですと船長独断の判断になりますね」
◆ご自身の判断で、その日は出ようと?
「そうですね」
◆特にそこでは、運航会社の社長とのやりとりは?
「ないですね」
◆当日「KAZUⅠ」に関して何かやりとりは?
「もちろん、豊田船長とも朝、話し合いましたが、やっぱり天気の話とか、午後になって、昼前から波が出てきそうだという話もしたんですが、反応がなかったんですよ」
◆反応がないというのは?
「返答がないみたいな。その当日、午後2時出航の便もあったんですよ。その午後2時の便は、時間帯的に完全に波が出る時間なので『無理だよね』という話を朝したところ、反応が薄かったので『ああ、天気予報ちゃんと確認していないのかな』という印象を受けました」
◆海に出るときに天気予報を確認しないことはありうる?
「もってのほかですね」
◆それにも関わらず、なぜ出航した?
「自分の中に自信があったのか、去年も1シーズンだけですけど、操縦してましたから。自信があったんでしょうかね」
<桂田精一社長の会見>
◆基本的に、その日の出港は船長が天気図など見て、行けるか、行けないかの判断をして、社長が承認するというのが基本的な判断ということか?
「そうでございます」
◆荒れる可能性があるけど、大丈夫だと言われたということでいいか?
「はい」
◆荒れたから帰ってきなさいという条件を出したのは、社長ということでいいか?
「そうです」
「もう、それは何年もやっていることで、このように形にもなっていて、船会社のフロントに貼ってあり、その横にまたこういうことがあるかもしれないので、その時は船長判断に従ってくださいということで張り紙をしている」
◆社長にとっては、行けるか、行けないかの判断は、豊田さんに任せていたということでいいか?
「基本的に船のどの会社も、最終的には船長判断でございます」
◆会社の安全管理規程はどうなっていたのか?
「波が1メートル以上で欠航。風速8メートル以上で欠航。視界が300メートル以上ないと出航できない」
「数字で言うと、そんな感じ」
「その時点で海を見ても荒れてはいないし、天気予報を見ても問題ないということで」
「また、第2便も(KAZUⅢ)普通に出航して戻っておりますので」
「あの、お客様もですね、やっぱり一番このような先端まで来てですね、できればちょっとでも走って欲しいという要望がすごくあります」
「前で体感していただければ揺れて、帰って、もう帰ってくれという気持ちに納得していただく方法をとっていました」
◆今あらためて、あの日の出航判断はどう思うか?
「まあ…、今となれば、このような事故を起こしてしまったことですので、判断的には間違ったなと感じております」
◆午前9時40分に札幌管区気象台から波浪注意報が発表されていたが、その事実を社長知っていた?
「知っております」
◆波浪注意報が出ているにも関わらず、出航をそのまま止めなかった?
「現実に(船が出る)ウトロ港、車で少し走ったところ、波も平穏だったからです。風もなく」
<臨時船長(社長会見前に取材)>
◆何か、社長からの「今日出ろ」などの指示は?
「ただ、朝の出航間際の時点の判断では、波風がまだない状態でしたので。午前10時の時間帯は」
「あの辺では強制的に運航させられたという雰囲気は全くなかったのですが、ただ時間が経つにつれて波風が出て来る予報だったので」
「その辺の判断の見誤りと、他の同業者がまだ運航していない場面でしたから、単独での運航になりますから、その辺も慎重になるべきでしたね」
◆なぜ単独で運航していた?
「元々昔から、連休前から営業する会社だったんです。その辺は逆にいうと通常通り」
◆29日から皆さんスタートするという中、それより早く知床遊覧船は営業開始したと?
「それは元々なんで、ずるいとかいう感じもなく」
「他の会社も2社だけ4月の中ぐらいから営業してるのわかっていたので、今回はたまたま1社だった」
「ただ、そういう場面で単独運航だったので、慎重になるべきだったと思っています」
◆午前中には漁船も戻ってきていたが、午前10時台に出てしまうのは危険なのでは?
「場所によっては風上の方に関しては、吹いてきていた可能性はありますよね」
◆「KAZUⅢ」は危険を感じなかった?
「全く感じなかったです。ただ折り返しの時点で波風がちょっと立ってきて、しぶきがかかるような風が吹いてきたので、しぶきがかかる風は結構な風速だと思うんですよ」
◆2隻は、ほぼ同じ時間に出航しているが、どのように受け止めている?
「『KAZUⅠ』の船長の豊田さんも単独で、しかも去年からの経験もまだ浅いですから、もう少し慎重になって、まわりの話や天気予報の話もちゃんと聞いて、途中で折り返すような判断はできなかったのかという感じはします」
◆会社の指示、体質に関しては?
「船2隻あるにも関わらず、豊田さん1人しかいない状況でして」
「船1隻で運航していくのかと思ったら、新しい船長を探していて、そういった矢先で自分が手伝いに行くことになったんですが…」
「この状態で、また新しい船長を雇って運航していた場合、去年の二の舞になっていた」
「去年も新しい船長が事故を起こしていますから、新しい船長が…」
◆なぜ事故がくり返される?
「これは、明らかに去年のシーズン初めに元いた船長とかのベテラン従業員を一斉解雇したことに始まりますね」
「そのあとに船長を3人新規で採用して、そのうちの2人が去年事故を起こして、残った1人が豊田さん」
◆3人中3人、事故を起こした?
「よく報道などで、去年を事故を起こしたのが豊田さんだったってありますけど、去年の事故は船長の登録が豊田さんで、事故を起こした時は別の人が操縦して事故を起こしたんですけど、会員名簿が豊田さんになっていたので、船長という名目になっている」
「なので、豊田船長は2回事故を起こしたとなっているが、実際にやったのは別の人」
◆「KAZUⅠ」に傷があったとの報道もあるが?
「まさに去年2回事故あって、船底を傷つけていまして、2回目の事故の時に当局から修理しないと運航許可を出さないという話を聞いてまして、それで去年船を修理しているはずなんですよね」
「事故当日の波の振動で亀裂が広がったという話は、うちらの業界ではそういう可能性はあるかなという話はしている」
◆傷は誰が修理した?
「去年の1人目の事故を起こした船長が自ら修理を始めて、当局から『ちゃんとプロの業者に頼まないとだめだ』と言われたような気がします。そのあと業者が来たのかは知らないです」
◆GPSは付いていた?
「もちろん、付いていたとは思う」
◆救難装備は、しっかりしていた?
「もちろんです。法定備品の検査が毎年ありますので」
◆沈んでいったということは大きな損傷?
「前の方から沈み始めたという報告で、後ろが浮いていて、2階のデッキに避難しているという無線の連絡があったらしいんです」
「前の方が沈んでいるということは完全に穴があいている。上から波をかぶって沈むことはまずないので」
◆なぜ船が出てきていないと思うか?
「完全に沈んだと、仲間内ではそういう話になっている」
「単独での出航で、トラブルが起こらないとは言えないので、トラブルが起こった時にどう対応できるかという判断ができないと」
「あの場面では単独出航でしたから、慎重になるべきでした。船長は」
◆単独運航になるのも経営体制が変わってから?
「そんなことはないです」
◆同じ日に出航した船長として、今回の事故をどうとらえるか?
「浸水した原因を明確にしないとわからないが、浸水し始めた時点で気づくべきだった」
「そこで何か対処できたのかなと。例えば、海岸に強引に乗り上げて、そこから乗客を降ろすとか」
「あと、波があって救助が遅れたというのは大きいので、やっぱり天気予報はチェックして、あと単独の運航だったので、その時はもっと慎重になるべきだったと思いますね」
◆事故があったの連絡は、戻ってきた時に?
「もう事務所で待っている時ですね」
◆それは誰から連絡があった?
「豊田さん、船長から」
◆その時社長はどこにいた?
「北見市か、どこかの病院に行っていて、夕方に着いた」
◆事故後の社長の様子は?
「あたふたしている感じでしたね、当時の現状を把握しようと」
◆もし、自分が『KAZUⅠ』のルートだったら出ていましたか?
「単独なので、自分だったらルシャで折り返したかなと思います」
「ルシャなら、行って帰ってきて2時間なので、午前10時にでたら午後0時に帰って来ている」
なぜ、世界遺産知床の「赤字旅館」はあっというまに黒字になったのか?
JR新宿ミライナタワー改札から15秒!夏は神宮外苑の花火大会、冬は日本一高い富士山の雪化粧が見られる10階の一等地。
ここに15年連続増収の株式会社武蔵野がセミナールームを開いたのは2017年2月。あれから1年弱……。
社長の小山昇氏を直撃すると、「新卒説明会にも前年比2.36倍の1020名がきて、どんどん採用できる。しかも辞めない」という。JR新宿ミライナタワーの家賃は「月500万円」。
ここだけで年間6000万円にもなる。
小山氏が社長に就任した1989年の売上が7億円だったが、直近では63億円に達した。
実に28年間で売上を「9倍」にした“経営のカリスマ”は、なぜこれだけの大金を1ヵ所に投資したのか?全国700社以上を指導し、倒産企業ゼロ、5社に1社が過去最高益、自社も日本初の「日本経営品質賞」2度受賞、15年連続増収の小山氏が、創業以来最も大切にするのが「数字は人格」という経営哲学だ。
発売たちまち重版が決定した話題の『数字は人格――できる人はどんな数字を見て、どこまで数字で判断しているか』に関して、「書いてはマズイ全51社のエピソードと、99%の社長が勘違いしている“人を育てる数字・ダメにする数字”を書き尽くしてしまった。
“数字は人格”には魔力がひそんでいる」と小山氏。
企業の不正発覚が相次ぐ中、なぜいま「数字は人格」なのか?全国を飛び回っている分刻みのスケジュールの小山氏をついにつかまえた!(構成:寺田庸二)。
知床へプライベートで行ったはずが……
2017年夏、私は妻と世界遺産の知床に行きました。
宿泊は、経営サポート会員でもある有限会社しれとこ村(北海道、旅館業)。いい宿ですが、桂田精一社長は有名百貨店で個展を行うほどの元陶芸家で、突然ホテル経営を任され、右も左もわからないド素人。
運よく何もわからないから、小山にアドバイスされたことは「はい」「YES」「喜んで」ですぐ実行した。
知床観光船が売り出されたとき、私は、
「値切ってはダメ! 言い値で買いなさい」
と指導した。世界遺産のなかにあるホテルが売り出されたときも、
「買いなさい。自然に溶け込む外壁にしなさい」
と指示した。すると、赤字の会社があっというまに黒字に変わった。
ただ、ところどころでもったいないところがあった。当時の旅館の名前「国民宿舎桂田」も無味乾燥で、お客様がラブストーリーを感じない。
「夕映えの宿」と知床らしい名前に変えるべきとアドバイスした。
知床の冬は寒すぎて客数が減りますが、それなら寒さを逆手に取って、外にテントでも張ってマイナス20度の世界を体験できるプランを販売すればいい。
ハイボールも、普通の氷の代わりに氷柱(自然の氷柱は保健所が許可しないので人工でつくった氷柱)を使えば、倍の値段で売れます。私は観光で行ったはずなのに、結局、経営指導して帰ってきました(笑)。
(有)知床遊覧船の沈没事故で代表者の桂田精一のコンサルティングをしていた経営コンサルタントの小山昇について関心が高まっているようなので、割と詳しい私が小山昇と小山が経営する株式会社武蔵野について語ろうと思います。#知床遊覧船 #浸水事故 #桂田精一 #小山昇
— 大山落 (@ooyamaotita) April 26, 2022
伸びてきたのでこっちは宣伝というか拡散希望。
— 石武丈嗣(24時間働き詰め、コロナ赤字から早く脱したい万年赤字経営者。年収40万円で暮らす日々。) (@_596_) April 28, 2022
知床半島の観光船事故。
小型船は追跡のAIS(海上の追跡装置)の
設置義務が無いんですけど
「実は補助金あるので
地元の観光船とかつけてほしい!
そしたら悲惨な事故減るかもしんない!」
ってツイート。https://t.co/0M0vCcr6fl