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- (漫画)イチローの裏の顔。メディアの嫌われ者だったイチローをジーターが暴露した件を漫画にしてみた(マンガで分かる)
- ジーター氏がイチローへの想い綴る 「何よりも胸に刻まれている」時間とは
- 元同僚イチローについてコラム執筆、「彼のような存在は見たことがない」「能力が備わっている」
- 様々なエピソード綴ったジーター氏、「忘れられない出来事」とは…
- イチローへ多大な敬意、「僕らの世代や他の世代を通じて最も素晴らしい選手の一人」
(漫画)イチローの裏の顔。メディアの嫌われ者だったイチローをジーターが暴露した件を漫画にしてみた(マンガで分かる)
ジーター氏がイチローへの想い綴る 「何よりも胸に刻まれている」時間とは
ジーター氏は現役時代、ヤンキース生え抜きのキャプテンとして黄金時代を築き、5度のワールドシリーズ制覇に大きく貢献。MLBを代表するプレーヤーとして、華やかなプレーに加えて圧倒的なリーダーシップと紳士的な人柄でも、ファンやチームメートを魅了した。01年にマリナーズに加入したイチローとは敵として対戦を重ね、12年途中からヤンキースで2年半チームメートとしてプレー。現役最後のシーズンとなった14年も同じユニホームを着ていた。
「イチローはいつだってストレッチをしている。試合前、試合後、オフの日、ネクストバッターズサークル、出塁した時、いつもだ。試合の日に早く球場に来てみれば、クラブハウスのカーペットでストレッチをしているイチローをいつも目にすることだろう」
ジーター氏はまずイチローの“ルーティン“について言及し、コラムをスタートさせている。さらに、01年に初めて対戦した際に、普通のショートゴロをさばいたつもりが、内野安打になりそうだったという記憶について振り返り「こう思ったのを覚えているよ。『ワオ! 誰なんだ彼は? 彼は飛んでるじゃないか』。本当に驚いたよ」と、圧倒的なスピードに驚かされたことを明かしている。
様々なエピソード綴ったジーター氏、「忘れられない出来事」とは…
コラムの中で、ジーター氏は他にもイチローとの様々なエピソードを披露している。デビューイヤーから、イチローが出塁した際には二塁上で言葉を交わしてきたという2人。「いつだってフレンドリーで、イチローの英語が上達するにつれて僕らの会話の時間も増えていった」という。
2人はヤンキース時代にチームメートとしても交流を深めており、ジーター氏が引退した14年シーズンの終了後には、ロッカーを片付けにヤンキースタジアムに行くと、打撃ケージに向かおうとしているイチローを見たといういう逸話も紹介。ジーター氏は「彼がほんの数日でも休めるように」と思ったという。
また、「忘れられない出来事」として挙げているのが、12年のリーグ優勝決定シリーズの話。ジーター氏は第1戦で足首を骨折して離脱したが、その試合後にイチローがユニホームを着替えることもせず、気持ちの整理をつけたジーター氏が帰るまでほぼ無人となったクラブハウスでずっと座っていたという。
「とうとう僕は松葉杖を使って立ち上がり出ていこうとした。その時に気がついたんだ。イチローは僕のことを待っていてくれたのだと。僕が立ち上がると彼も立ち上がり、僕が去るのを見送っていた。
これが敬意の表れなのかどうかはわからない。彼に尋ねなければならない。ただ、僕は彼が何を言おうとしてくれたのかはわかる。何年も続いた二塁上でのちょっとした会話やチームメイトとして過ごした時間を経て、あの夜、僕らの間にあった沈黙の瞬間は何よりも胸に刻まれている」
ジーター氏はその時の気持ちをこのように振り返っている。
イチローへ多大な敬意、「僕らの世代や他の世代を通じて最も素晴らしい選手の一人」
イチローはメジャー通算3000安打まで「2」と迫っているが、ジーター氏は「日本時代の1278本も考慮すれば、彼は僕らの世代や他の世代を通じて最も素晴らしい選手の一人だろう」とも指摘する。日米合算の記録には当初から理解を示しており、ヤンキース時代に日米通算4000安打を達成した際にも「僕はそのヒットをどこで打とうが気にしない。彼はずっと安定して結果を出し続けている」と話していた。
コラムではさらに、「ここでは3000安打の向こう側に思いを馳せてみよう」と言及。「彼には全ての能力が備わっている」とした上で「彼の走塁技術や真の俊敏さは、野球界で他には誰も似た存在がいない。彼はそのスピードをプロ生活の25年間でメインの武器としているんだ。イチの肩は信じられないものだ」と打撃以外も優れたプレーヤーであることを強調している。
「イチローに敬意を表するよ。彼は一生に一度現れるかどうかといった存在だ。誰も彼のような存在を見たことはない。正直なところ、これから先、彼のような人物にお目にかかれることはないだろう。
彼に伝えたいのは『近いうちに休暇を楽しんでくれ』ということだけど、彼はそんなこと聞きたがらないだろうな。彼が休暇ってものがどんな感じなのか知っているのか、僕にはわからないよ」
ジーター氏のコラムは、最後はこのような文章で締めくくられている。お互いを認め合い、敬意を抱き合う2人の“レジェンド”。特別な関係は今後も変わることはなさそうだ。