信じるか信じないかはあなた次第
ミスタードーナツの大量閉店が止まらなくなっている。
運営会社のダスキンによると、2019年3月末時点のミスドの国内稼働店舗数は1007店で、1年前から79店減った。
年間70~80店規模の大幅減が3期連続で続いている。 ミスドの国内チェーン全店売上高も減少の一途をたどっている。19年3月期は740億円で前期比5%減だ。
減少は11年連続で、ピーク(08年3月期)の1253億円から4割減っている。
【ひでママ】ミスド200店舗超えの大量閉店。その衝撃理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)
ポイント① ミスドが閉店
ポイント② 健康ブームでドーナッツが売れづらい
ポイント③ ドーナツ以外のメニューと固定費の削減で営業利益は回復基調
DUSKIN 全国チェーン店お客様売上高
全国チェーン店お客様売上高
(単位:百万円)
第55期
2017年
3月期第56期
2018年
3月期第57期
2019年
3月期第58期
2020年
3月期第59期
2021年3月期増減率 ダストコントロール(国内) 84,259 81,502 79,312 77,046 74,124 △3.8% その他 9,555 9,644 9,462 9,485 9,076 △4.3% ホームサービス合計 93,814 91,146 88,775 86,532 83,200 △3.9% ダストコントロール(国内) 76,365 76,035 75,514 75,466 72,162 △4.4% その他 18,581 18,471 18,426 18,596 17,922 △3.6% ビジネスサービス合計 94,946 94,507 93,940 94,062 90,084 △4.2% サービスマスター 27,749 28,646 29,358 29,638 30,015 1.3% メリーメイド 10,533 10,910 11,127 11,248 10,850 △3.5% ターミニックス 8,062 8,231 8,357 8,650 8,269 △4.4% トータルグリーン 2,542 2,594 2,723 2,880 3,098 7.5% ホームリペア 36 55 111 153 210 36.9% 役務提供サービス 48,924 50,437 51,678 52,571 52,444 △0.2% ヘルス&ビューティ 2,746 2,869 2,546 2,538 2,088 △17.7% アザレプロダクツグループ 3,726 3,525 3,536 3,289 2,776 △15.6% ダスキンライフケア 2,157 2,218 2,137 2,089 1,886 △9.7% レントオール 12,846 13,627 14,353 14,655 4,846 △66.9% ヘルスレント 8,640 9,236 9,901 10,562 11,463 8.5% ユニフォームサービス 3,304 3,426 3,399 3,391 3,081 △9.1% ドリンクサービス 1,524 1,580 1,541 1,495 1,305 △12.7% 訪販グループ 272,633 272,577 271,811 271,189 253,178 △6.6% ミスタードーナツ(国内) 81,814 77,957 74,018 77,198 78,024 1.1% かつアンドかつ 1,397 1,670 1,796 1,783 1,649 △7.5% カフェデュモンド 667 460 - - - - ザ・どん 873 - - - - - ザ・シフォン&スプーン 517 393 291 176 3 △98.3% パイフェイス 329 295 300 237 154 △35.1% その他 459 370 334 318 316 △0.6% フードグループ 86,058 81,148 76,741 79,714 80,148 0.5% ダストコントロール(海外) 4,222 4,809 5,027 5,439 5,327 △2.1% ミスタードーナツ(海外) 14,328 14,372 13,925 14,450 11,340 △21.5% Big Apple - 1,660 1,519 1,290 1,168 △9.5% 海外 18,551 20,843 20,472 21,180 17,835 △15.8% ダスキンヘルスケア 7,304 7,535 7,968 8,340 8,420 1.0% その他 25,855 28,378 28,440 29,521 26,255 △11.1% 合計 384,547 382,104 376,994 380,425 359,582 △5.5%
- ※記載金額は、単位未満を切り捨てて表示しております。
- ※国内外の直営店・子会社売上高及び加盟店推定売上高の合計を参考数値として記載しております。
- ※海外のお客様売上高は、連結財務諸表に含まれる海外子会社の決算期に揃える為、1~12月の合計値を掲載しております。
- ※MOSDOはミスタードーナツに含まれております。
- ※2017年4月1日(2018年3月期)より「トゥルグリーン」は「トータルグリーン」に改称しているため「トータルグリーン」と記載しております。
- ※2018年4月1日(2019年3月期)より「ホームインステッド」は「ダスキンライフケア」に改称しているため「ダスキンライフケア」と記載しております。
- ※2018年4月1日(2019年3月期)より「クリーン・ケアグループ」は「訪販グループ」に改称しているため「訪販グループ」と記載しております。
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ミスド、大量閉店ラッシュ…深刻な客離れの兆候、「ドーナツを食べる」という習慣が急減
ミスタードーナツの店舗(撮影=編集部)
ミスタードーナツの大量閉店が止まらなくなっている。運営会社のダスキンによると、2019年3月末時点のミスドの国内稼働店舗数は1007店で、1年前から79店減った。年間70~80店規模の大幅減が3期連続で続いている。ミスドの国内チェーン全店売上高も減少の一途をたどっている。19年3月期は740億円で前期比5%減だ。減少は11年連続で、ピーク(08年3月期)の1253億円から4割減っている。コンビニエンスストアで、ドーナツを含めたスイーツや菓子を手軽に買えるようになったほか、消費者の健康志向の高まりで高カロリーのイメージが強いドーナツを敬遠する人が増えたことが影響し、ミスドは苦戦するようになった。
苦戦が続く一方、収益性が改善傾向にあることは救いだ。
19年3月期の稼働店1店当たりの売上高は、前期比1.7%増だった。ミスドを主体としたダスキンのフード事業も収益性改善基調が続いており、19年3月期の営業利益は3億2000万円と2期連続で黒字を確保した。
17年3月期までは4期連続で赤字が続いていたが、不採算店の閉鎖が功を奏し、収益性が改善している。
さらなる収益性の改善を期待したいところだが、今後が危ぶまれる出来事が起きてしまった。ダスキンは5月21日、ミスタードーナツ門司駅前店(北九州市)で元アルバイト従業員が厨房に入って不適切な動画を撮影し、インターネット上に投稿していたと発表した。それは、元アルバイト従業員が店舗の厨房に入り、調理器具や食材を触るように見える場面が映った動画だった。
この動画が拡散し、批判の声が上がった。ミスドでいわゆる“バイトテロ”が起きてしまった格好だ。バイトテロで深刻な客離れの恐れ
今年に入ってからだけでもバイトテロはいくつか発生しているが、バイトテロが起きた飲食店では深刻な客離れが起きている。たとえば、アルバイト従業員がごみ箱に捨てた魚をまな板に戻して調理しようとする様子を映した動画がネット上で拡散した回転ずしチェーン「くら寿司」では、騒動が起きた2月の既存店客数が、前年同月比6.1%減、翌3月が5.2%減となるなど、客数の大幅減が続いている。
また、定食チェーン「大戸屋ごはん処」では、アルバイト従業員が配膳用のトレーで裸の下半身を覆う様子を映した動画が拡散し、大きな問題となった。動画が拡散した2月の客数は6.4%減、翌3月は10.8%減と、くら寿司同様に深刻な客離れが起きている。
なお、3月は大半の店舗を1日休業して再発防止の研修を実施しており、その休業日を除外して前年と同じ営業日数で比較した場合の増減率を大戸屋は8.5%減としているが、大幅マイナスであることに変わりはない。
このように、バイトテロが起きた飲食店では深刻な客離れが生じており、ミスドも同様の客離れが懸念される。
ダスキンはミスドの月次の販売動向を公表していないため、バイトテロの影響を確認することは難しいが、たとえ一時期的だったとしても、客離れが起きることは必至だろう。
ミスドの動画では、アルバイトが食材を触るように見える様子が映っていたが、その食材が客に出された可能性があると思うと、ミスドのドーナツを食べようという気は失せる。同様に感じる人は少なくないだろう。
これをきっかけに客離れが起きてしまえば、さらなる業績悪化は避けられない。
このように、ミスドは業績悪化で苦しんでいるが、バイトテロによる客離れでさらなる業績悪化が懸念される。バイトテロによる影響はいずれ沈静化するので、時間がたつのを待つほかないが、以前からの販売不振から来る業績悪化に対しては、抜本的な対策を講じる必要がある。「非ドーナツ」商品強化で業績改善を図る
そうしたなか、ミスドは「非ドーナツ」商品の販売を強化することで売り上げ向上を実現し、業績改善を図りたい考えだ。
ミスドは17年11月からパスタなどの軽食メニューを「ミスドゴハン」として販売を開始した。さまざまな軽食メニューを販売してきたが、最近では4月下旬から春夏の期間限定で、フランクフルトやグラタン、リンゴなどをそれぞれパイ生地で包んだ軽食メニュー6種を販売している。
同時に、今若者に人気のタピオカドリンク4種も期間限定で販売を始めた。このように軽食メニューを強化することでランチ需要などを取り込みたい考えだ。
こうした“非ドーナツ”強化の動きは、ドーナツの本場、米国でも起きている。日本でもかつて展開されていた、米国生まれの世界的なドーナツチェーン「ダンキンドーナツ」は非ドーナツをアピールするため、今年1月からブランド名から「ドーナツ」を外し、「ダンキン」の名で再出発を図っている。
ダンキンは1948年の創業当初から、ドーナツとコーヒーを看板メニューとして販売してきた。そのため、ドーナツ店でありながらカフェの性格も強くある。イメージとしてはミスドとスターバックスが合わさったような店といえるかもしれない。それが今はカフェの性格がかなり強くなっており、ドーナツの名を外したのは、実態に即してカフェの面を強く訴求したい思惑がありそうだ。ダンキンは、もはや名実ともにドーナツ店ではないのかもしれない。
なお、米国発祥のミスドは1990年に米食品大手のアライド・リヨンズに買収され、米国のミスドのほとんどがダンキンドーナツへ移行している。これにより米国では現在ミスドブランドはイリノイ州に1店舗を残すのみとなっており、存在感はほとんどない。
米国でドーナツ店といえばミスドではなくダンキンとなっているのだ。
米国では、ドーナツはコーヒーと一緒に朝食にする人がいるほど根強い人気がある。しかし、米国でも健康志向が広がっており、ドーナツは敬遠されるようになった。こうしたことから、ダンキンは非ドーナツメニューとして朝食メニューを強化している。
ダンキンで販売する「ベジ・エッグ・ホワイト」は、ピーマンやマッシュルーム、ネギが入った卵白のオムレツとチーズをバンズ(パン)で挟んだホットサンドイッチで、健康志向の消費者向け朝食メニューとして売り出している。
もちろんドーナツは入っていない。 今春には非ドーナツの朝食メニューとして「エッグ・ホワイト・ボウル」と「ソーセージ・スクランブル・ボウル」を発売。カップ麺のような容器の中に、前者は卵白、ホウレンソウ、ローストポテト、タマネギ、チーズが入り、後者はスクランブルエッグ、ソーセージ、ピーマン、タマネギ、チーズが入っている。
こうしてダンキンでは、ドーナツはどんどん脇に追いやられている。非ドーナツの流れは米国も日本も同じで、消費者の健康志向が続く限り、ドーナツ販売はどちらの国でも厳しくなっている。日本のコンビニエンスストアでは、カウンターコーヒーとの併売を狙ってドーナツをカウンターで販売する動きがあったが、今となってはドーナツをカウンターで見かけることはなくなってしまった。
コンビニカウンターの力をもってしても、消費者の購買行動を変えてドーナツを爆発的に売ることはできなかった。
日本のミスドもダンキンと同様に、ドーナツに頼らない運営を行っていかざるを得ない状況になっている。ダンキンとは方向性がやや異なるが、ミスドは軽食メニューを強化することで非ドーナツ需要を取り込み、業績を改善させたい考えだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
元バイトの50代男、ミスド厨房に入り不適切行為を動画配信 “店舗が許した理由”に同情の声も
21日、ミスタードーナツ店舗の厨房に入り、不適切な行為をする様子を動画配信した男性に対し、運営するダスキンが法的措置を検討していることが判明。さらに、「止められなかった理由」も明らかになり、怒りの声が広がっている。
問題の動画は、「ひでママ」と呼ばれる50代と思われる動画配信者が、約30年前にアルバイトをしていたというミスタードーナツ門司駅前店を訪れ、厨房に入り込むなどした上、不適切な行為に及んだもの。
店長とされる男性とは一緒に働いた過去があり、先輩後輩の関係だった様子。顔を見るなり、「ちょっと中に入れて。中入りたくない?」と笑う。女性の止める声が入るが、ひでママは店長に「中入っていい?」と話すと、店長は「どうぞどうぞ」と認めてしまう。
そして、厨房に入ると施設の説明を始める。さらに、冷蔵庫からクリームなどを取り出して見せた上、「懐かしい・懐かしい」と言いながら闊歩する。また、その途中、ドーナツ用のチョコレートに触れたような場面もあった。
そんな様子に、飛んできた店長は「どこに配信してるんですか? 配信して大丈夫なんですか?」と止めに入り、「静かに」と諭すが、配信者はそれでも配信を止めず、「懐かしい、懐かしい」と言いながら、事務所などに入り込んだ。
この様子に、ネットユーザーが激怒。騒動に発展した21日、店舗を運営する株式会社ダスキンは公式サイトで謝罪文を掲載し、「部外者の入室ルールの徹底、従業の再教育と管理体制の強化を行う」と宣言した。そして、同社はひでママに対し法的手段も検討する模様だ。なお、門司駅前店は19日に営業を一時中止し、店内を清掃。また、男が触ったチョコは廃棄処分しており、顧客に提供していないという。
なぜ、このひでママという男が入り込むことができたのか。店長は社内調査に対し、「先輩だったので止められなかった」と話しているという。本来なら断固として断るべきところだけに店長への批判も。一方で、ひでママはかなり威圧的に「ズケズケ」と入りこんできた上、店長が忙しく顧客対応をしていたことから、「責めるのは酷ではないか」という声もあった。
元バイトの動画配信者による不適切動画。これもYouTuber同様、炎上で注目を集めようという心理によるものだと思われるが、適切でないことは明らかだ。
動画配信者やYouTuberによる不祥事が相次ぐ昨今。このような動画を投稿した者については、被害者の法的手段はもちろんだが、動画配信サービス運営者もアカウントの永久停止や収益化無効などの措置を取るべきだろう。
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— 桂川Yuko (@katsuragawayuko) May 21, 2019