信じるか信じないかはあなた次第
ポイント① 課長の息子の友達になるよう頼まれる
ポイント② 引きこもりをやめて働く気持ちになっているダシオ
一橋大出身ひきこもり50代男性が告白 勉強嫌がると「お母さん、死んでやるからね」と脅され…「毒母」に食い潰された人生
子どもの人生を支配する「毒親問題」は、母娘間で語られがちだが、実は母と息子間にも存在する。それは中高年のひきこもりにもつながっている。AERA 2020年10月19日号で、ノンフィクション作家・黒川祥子氏が当事者の声を聞いた。
子どもを支配したり傷つけたりして害になる「毒親」。なかでも「毒母問題」はこれまで、母娘間のものとして語られることが多かった。だが、母と息子間にも毒母問題は確かに存在する。そう、気づいたのは、中高年ひきこもりの当事者会「ひ老会」で語られた、男性たちの痛切な言葉からだった。
「ひ老会」を主宰する、ぼそっと池井多さん(58)自身、母親に人生を食い潰された、「毒母」の被害者でもあった。現在、うつ病で生活保護を受け、一人で暮らしながら、ひきこもり当事者としての発信を続けている。
池井多さんは昭和8年生まれの父、昭和11年生まれの母の第1子として生まれた。世は高度経済成長期、ただし当時の一般家庭と異なり、一家の権力を握っていたのは母親だった。
「父は工業高校卒で、中小企業の平社員。母は女子大卒の塾経営者、父の3倍は稼いでいた」
■常に緊張を強いられた
幼い頃より、母親から呪いのような言葉をかけられて育った。
「あなたね、お父さんみたいになったらおしまいよ。学歴もない、収入もない、才能もない」
父の背中に向けて放たれる侮蔑が、子どもにとってどれほど耐え難いか。加えて「一橋大学に入らなければならない」という母親の厳命を背負わされた。
家庭はあたたかな場所であったためしはなく、常に緊張を強いられた。母親の夕食準備は、いつもこの言葉から始まった。
「おまえ、夕ごはん、何が食べたいの?」
希望が言える関係ではないゆえ、答えは決まっていた。
「なんでも、いい」
「なんでもいいじゃ、わからないわ。何か、言いなさい!」母親は、意図通りに誘導する。
「スパゲティ食べたくない?」
「え? スパゲティ食べたいの? そう、食べたいのね!」こうして目の前にスパゲティが置かれても、食は進まない。その様子に母親は激昂する。
「食べたくないなら、食べなくていい!」
皿を取り上げ、スパゲティを流しにぶちまける。この頃になると、父親が帰宅する。
「お父さん、この子、スパゲティが食べたいというから作ったのに、『こんなもの食えるか!』って捨てちゃったのよ。ねえ、お父さん、この子、殴って」
父はズボンからベルトを取り出し、息子を打つ。食事ばかりか家族旅行でも、母親による「冤罪」が作られ、父親が“刑”を執行するのが日常だった。
一橋大入学のため小学生でも、夜中2時までの勉強が強いられた。嫌がると、「お母さん、死んでやるからね」と脅された。
「幼い子にとって親の死は、自分の死より恐ろしい。抵抗する術はなく、どんな理不尽でも受け入れていました」
無事に一橋大に合格したが、母親からは「おめでとう」すらなく、返ってきたのはこの言葉。
「おまえは明日から、英語を勉強しなさい。私は一橋の英語のレベルをよく知っているから」
報酬なき人生だったと、池井多さんは振り返る。大学4年次、大手企業の内定を手にしたが、身体が固まりアパートから出られなくなった。
「ここまでだと思いました、母の言うことを聞くのは。就職したら母の虐待を肯定してしまう」
世は1980年代半ば、ひきこもりという概念がなく格好がつかないと海外へ出た。バックパッカーをしながら安宿にひきこもる「そとこもり」を経て、50代後半まで紆余曲折はあったものの、うつで働けない状態だ。
「今でも毎朝、母親への怒りで目が覚めます。うつの原因は、母親への怒りです」
20年ほど前、家族療法を提案したが、母親は自身の虐待行為を全面否認。以来、実家とは音信不通のままだ。(ノンフィクション作家・黒川祥子)
過剰に手をかけすぎ!? コドモを支配しようとする“毒親”の特徴と危険性
こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。
昨今、自分の子どもを所有物という目で見ている親が多いと、さまざまなメディアで取り上げられていることはご存じでしょうか。
その上、 “毒親”や“毒母”なんていう言葉が出てきている世の中になっています。
自分の子どもを一生懸命に育てている親にとっては、ひどい言葉だと感じている方もいるでしょう。
しかし、残念なことに、実際にそういった考えを持っていたり、知らずにそうなっていたりする親もいるのです。
目次“毒親”“毒母”とは?子どもへの影響支配的な親の特徴おわりに
●“毒親”“毒母”とは?
この言葉は、1990年代にアメリカから入ってきた言葉 です。
要は、
・子どもに過剰に関わり先回りする親
・子どもの人生をあたかも自分のもののように感じてレールを敷きたがる親
・自分の叶えられなかった夢を子どもで叶えようとする親
につけられた言葉です。
一生懸命に子育てをしている状態で、しかも核家族が進行し、孤独の中で子育てをしてきたために、間違った方向に考えが向かってしまう人もいるでしょう。
だから、始めから親が悪いのではなかったと私は考えています。
子育て環境や孤独といった生活背景が、支配的な親になってしまう要因になっていると思います。
そこに子どもを大切に思うあまり過剰になってしまった考え方があいまって、こういう親を作り出してしまったのでしょう。
自分はそうなっていないか、そういう考えをしていないかと立ち止まって、いま一度自分を見つめるようにしていただきたいと思います。
●子どもへの影響
こういった支配的な親から子どもは大きな影響を受けます。
・いい子症候群になってしまう
・常に親の目を気にしてしまう
・失敗を経験していないので、ちょっとのことでつまずいたら大変なことになってしまう
・考えて行動することができない
・主体性を持てない
・いつもビクビクしていておびえが強い
・条件付でないと愛してもらえないと思ってしまう
・自己肯定感が異常に低い
・居場所がないと感じる(家に帰りたくない)
こんな状態では心が健全に育ちません 。一見普通に見える子どもでも、何かしらの闇を抱えてしまうことになります。そんな状態にしたくないですよね。
先生に怒られた、友達に悪口を言われたなど、社会ではさまざまな嫌なことがあります。