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- 【ペットショップの闇】ペットショップのペットは売れ残るとどうなるのか?漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ
- ペット業界の闇…パピーミルってなに?
- パピーミルの実態
- パピーミルからオークションへ
- パピーミルの弊害
- ブリーダーとの違いは?
- パピーミルに加担しないために…
- まとめ
- 売れ残った動物は「引き取り屋」に流れる
- ブリーダーの殺処分がバレない理由
- 過剰繁殖で遺伝子疾患や奇形の動物が生まれやすい理由
- 海外から見た日本は「動物愛護の三流国」
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【ペットショップの闇】ペットショップのペットは売れ残るとどうなるのか?漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ
パピーミルとは?動物好きには知っておいてもらいたい「子犬の工場」の実態とは
「子犬の工場」と呼ばれるパピーミル。
子犬に囲まれたフワフワ優しい幸せな場所ではありません。
そこでは、命を商品としてしか扱わない人間の勝手で、不自由や虐待を押し付けられる場所。
子犬を生み出す親犬は劣悪な環境で最低限の栄養だけを与えられ、無理な繁殖をさせられます。
生まれてきた子犬も親の温もりや兄弟との遊びを十分に知らないまま市場に乗せられるなど、ひどいもの。
ここでは、そんな劣悪なパピーミルについてご紹介していきましょう。ペット業界の闇…パピーミルってなに?
あなたがペットを迎えたいと考えたとき、購入するためにまず思い浮かべるのはペットショップではないでしょうか。
ショーケースに動物を展示して売り出しているのはもう見慣れたものですね。
しかし、 犬 や 猫 をショーケースで展示販売するのは、欧米では「不思議なこと」に映るようです。
欧米でのペットショップでは、 鳥 などの 小動物 はあったとしても基本生体販売を行わず、ペットのエサなど製品を購入する場所。
犬猫はブリーダーから直接購入するのがペットを迎える一般的なルートで、日本のペット販売とは流通からシステムが異なります。
それでは、日本のペットたちはペットショップのショーケースの前はどこにいたのでしょうか。
あるペットは、パピーミルと呼ばれるような、金儲けのためだけに 子犬 を乱繁殖する悪質な業者にいたかもしれません。
パピーミルでは、動物福祉を顧みない繁殖・管理がなされています。
命を売り買いするペット業界の闇とも言えるこのパピーミル、本記事ではその実態について詳しく見ていきましょう。
パピーミルの実態
「Puppy mill」を直訳すると、「子犬の工場」。
なんだか可愛らしい響きがありますが、実際はペットにとっても人間社会にとっても粗悪なものです。
前述した通り、パピーミルは利益ばかりを追求したペットの悪質な繁殖場。
その時々の人気の 犬種 を取り扱い、その犬種を理解しないまま、利益を得るための商品として「売れるから」と無理な繁殖を行います。
親犬は子犬を出産する「道具」として扱われ、生まれた子犬は売れる時期に「出荷」されます。
多くの場合劣悪な飼育環境で、 ケージ の中に入れられてろくに 散歩 に連れられることもありません。
最低限の栄養を補う粗悪な ドッグフード を与えられ、痩せ細り、毛艶も悪く、糞尿まみれの生活を強いられることになります。
さらに、パピーミル業者は子犬を生むことが出来なくなった母犬や老犬、利益を生むことができなくなった犬は、保健所へ連れ込むなどして「処分」します。
このようなパピーミルは犬だけでなく、猫や小動物などにおいても存在しているのです。
購入者がペット業界の闇に呑まれない正しい眼を持つことが必要とされています。
パピーミルからオークションへ
パピーミルで育てられた子犬たちは、そのままペットショップに並ぶのでしょうか?
もちろん、パピーミルと直接契約しているペットショップであれば、そのまま店頭に並びます。
しかし、店内に数10頭単位の犬を確保しているような中・大型店舗では、商品として子犬たちを大量に仕入れる必要があります。
そのときによく利用されるのがペットオークション。
その名の通り、各地から集められたペットのオークションです。
犬の場合、子犬たちが段ボール箱に詰められ、さまざまな店舗から集まったバイヤーによって野菜や鮮魚のように競り落とされていきます。
ある会場では、段ボール箱に入れられた子犬がベルトコンベアに乗せられ、次から次へとペットショップのバイヤーの手へ。
会場には健康な犬もいれば、寄生虫や感染症を保有した犬もいるでしょうが、子犬を病気から守るための措置もなく、見知らぬ場所に連れられて怯える子犬のストレス緩和の配慮もない場合がほとんど。
そのようなペットオークションは売る側も買う側も、子犬たちを商品としてしか見ていないのでしょう。
パピーミルの弊害
パピーミルで生まれた子犬たちは「より売れる」幼齢期にペットショップに並べられます。
幼く愛らしい犬が安価で売られていることは、消費者にとっては非常に魅力的でしょう。
しかし、パピーミル育ちの子犬を購入することによる弊害もたくさんあります。
・栄養状態、衛生状態により病気がちに
前述したように、利益だけを最優先にしたパピーミルは、衛生状態も栄養状態も悪い中、子犬や親犬を飼育・管理しています。
親の健康状態が悪いと当然生まれてくる子犬も病気になりやすい傾向にあります。
また、不衛生の中で育つ子犬のお腹には寄生虫がいたり、骨格不形成で育ったりとさまざまな問題が。
親犬の遺伝病などを考慮しない乱繁殖により、遺伝疾患のある子犬が産まれてくる、毛色や体格もスタンダードを大きく外れるなどの弊害もあります。
・社会化不足の犬が流通
パピーミルに限らず、悪質な犬の繁殖業者・ ブリーダー ・ペットショップでは、「幼いほど売れる」という理由から、早い時期に子犬を売りに出します。
確かに「小さい=可愛い」という日本人の価値観を見ると合理的に映るかもしれません。
しかし、幼い頃に親から引き離された犬は母乳から必要な栄養を摂れず、病弱に育ってしまう可能性もあります。
また、親兄弟と引き離されることにより深刻な社会化不足となるのです。
犬の社会化とは、親や兄弟との触れ合いの中でさまざまなことを学んでいくこと。
例えば兄弟との遊びを通して、噛む力を学ぶなど。
この社会化不足の犬は極端に警戒心が強くなるなったり、後に問題行動を起こしやすくなったり、飼いにくい犬になってしまいます。
ペットショップの陳列棚で可愛さに、「思わず買ってしまった」というような飼育知識のない飼い主の犬がそのような問題行動を起こしてしまうとどうなるでしょうか。
悪い場合では、捨てられる、虐待にあうかもしれません。
・日本社会に悪影響
パピーミル育ちの病弱で虐げられてきた子犬を、多くの人は「かわいそう」と思うでしょう。
手を差し伸べて飼ってあげたいと思うかもしれません。
ただ、それでは根本的な解決になりません。
購入によってパピーミルは需要があると判断して、さらに不幸な犬が増えるだけです。
このようなパピーミルが繁栄している国は、とても文化的とはいえません。
動物を虐げる人間は、子どもや老人など弱者を虐げる傾向にあることが、犯罪研究でも分かっています。
動物への虐待が平然と許される国になってしまっては、日本社会は人間への犯罪すらも啓発する悪影響ばかりの社会になってしまうのです。
ブリーダーとの違いは?
ここまで、パピーミルについてご紹介してきました。
それでは、ブリーダーとの違いはどんなものでしょうか。
本来ブリーダーとは、パピーミルのように数ばかりを増やす工場的な考えを持たず、より良い個体種を生み出し、犬を愛してくれる飼い主を見つける繁殖家をいいます。
愛犬家であり、繁殖する犬種を心より愛し、その犬種の良さを知ってもらいたいという気持ちを持っているのが良質なブリーダー。
犬種のスダンダードや血統・毛色の組み合わせと犬の幸せを考え、より良い環境で親犬を育てます。
また、その親犬から生まれた子犬を健康的に社会的に育てます。
犬種の流行には左右されず、専門の犬種のために日々勉強を重ねるのも良質なブリーダーの特徴。
もちろん、世の中には悪質なブリーダーというものも存在します。
流行に乗って乱繁殖を繰り返し、劣悪な環境で飼育しているブリーダーは、パピーミルと同じくペット業界の闇とされています。
このような悪質な業者を排除し、動物福祉が考えられた社会にするためには、我々消費者が厳しい目を持つことが必要でしょう。
パピーミルに加担しないために…
これから子犬を迎える方にぜひ知っておいていただきたいのは、パピーミル育ちの犬を買わないこと。
これまで不遇の目にあったその犬の未来を考えると、手を差し伸べたくなるのも分かりますが、その助けによってパピーミルに貢献してしまえば、さらに不幸な犬が増えてしまいます。
なんとそんな同情で犬を買わせる悪質な小売店も存在。
ペットが不幸になる負の連鎖を断ち切るためにも、パピーミル業者から購入しない、良質なブリーダーなどから購入するという選択が必要です。
その選択をするために、私たちができることはなんでしょうか。
・どこで生まれた子犬か聞く
ペットショップなどの小売店で犬を購入する場合、その犬の生まれた場所を聞きましょう。
漠然とした返答や子犬の来歴が不明瞭な場合は、パピーミルで生産されてペットオークションを経てやって来た犬かもしれません。
・月齢など子犬を観察する
子犬の場合、月齢はしっかり見ておく必要があります。
「動物愛護法」の改正により、2013年9月から生後56日を経過しない子犬は販売、ならびに販売のための展示や引渡しが禁止となりました。
つまり、生後56日に満たない子犬は購入も販売もできないはずです。
これよりも幼い子犬が販売されている場合、その小売店は法律を遵守できてないお店。
悪質な小売店であるか、パピーミルに加担している店である可能性が高いです。
ただし、法改正の際の政府説明によると、「円滑に施行し、すべての販売業者に遵守してもらうため」に、「平成28年8月いっぱいまでの3年間は制限月齢を生後45日とし、その後は新たに法律で定めるまでの間は生後49日とする」とされているため、生後49日で売り出しているペットショップも多いかもしれません。
どちらにせよ、生後2ヶ月以内に親兄弟から引き離された子犬は しつけ などで苦労することが多いものです。
「幼いうちに売ってしまおう」という店より、しつけのことや飼いやすさまで考慮して育てられた店・ブリーダーで購入する方が良いでしょう。
・断尾(だんび)をされていないか確認する
断尾とは、生まれて間もない子犬の尻尾を人為的に切り落とすこと。
かつては狩猟犬として飼育されていた犬の負傷を防ぐために行われてきました。
しかし、現在の家庭犬には必要がないため、ヨーロッパでは多くの国で禁止されています。
一方、日本では今なお「見た目を良くする」ため、「よりその犬種らしく見せる」ため、断尾された犬が売られています。
日本で人気が高い トイプードル 、 ジャックラッセルテリア 、 ミニチュアシュナウザー 、 コーギー などの犬種が、犬種標準に合わせるために無意味な苦痛にさらされているのです。
これらの断尾を行う業者は、犬の苦痛などを顧みない悪質な業者。そんな業者からの購入は避けたいものです。
・悪質なペットショップや小売店で買う以外の方法を考える
悪質な小売店の例を挙げてきましたが、こういった店から犬を買わないというのもパピーミルに加担しない方法です。
悪質業者というものは、子犬が売れる適齢期を過ぎると保健所などで 殺処分 してしまうところもありますが、そこに同情してしまうと悪質業者を増やすことにも繋がりかねません。
犬を迎えるなら、大量生産・大量消費・大量処分を行うようなペットショップではなく、良質なブリーダーから購入する、保護犬を引き取るなど他の選択肢を考えてみてください。
前述した通り、ペットショップではなく、犬種を知り尽くしたブリーダーから購入すれば、健康的に優れ、社会化が完了してしつけも施された優れた子犬が手に入ります。
また、保健所や愛護団体の 保護犬 を引き取るのも良いでしょう。
保護犬たちの中には、パピーミルで生まれ、質の悪いペットショップで売られ、衝動買いした無責任な飼い主に捨てられた個体もいます。
保健所の引き取り基準が厳しくなったものの、パピーミルや小売店から直接来た犬もいるでしょう。
そんな犬たちを救い、残りの生を幸せに全うさせてあげる。
犬を迎えたいとお考えでしたら、ぜひ検討してみてください。
まとめ
アメリカやイギリスにはペットを守る「アニマルポリス」が存在するのはご存知でしょうか。
その名の通り、ペットのための警察であり、悪質なペット業者や飼い主から動物を守る役割を担っています。
通報は民間から入り、ペットに携わる人が悪行を働かないための抑止力ともなっています。
現在の日本では残念ながら、「悪質業者からペットを購入しない」という消極的な働きかけしかできません。
さらに、悪質なペット業者はパピーミルだけでなく、ブリーダーであろうとペットショップであろうと露店販売であろうと存在します。
だからこそ私たち消費者は、ペット業者が正しくペットと関わっているか、常に考えて消費行動を起こす必要があるのでしょう。
「殺処分ゼロ」はまやかし、日本でペットの「闇処分」が横行する理由
売れ残った動物は
「引き取り屋」に流れるさらに、動物愛護団体やボランティアに行き着くまでの段階では、多くの犬や猫が「闇処分」されている現実もあるのだ。
ペット業界では、まずブリーダーのもとで産まれた子犬・子猫がオークションで取引され、ペットショップを経て飼い主に渡ることが多い。しかしその過程で、“商品にならない”“大きくなって価値がない”“繁殖できないなら不必要”という烙印(らくいん)を押された犬や猫を引き取る闇の業者が存在する。
「ブリーダーやペットショップなどで売れ残った動物たちは、一昔前までは自治体が引き取っていたケースもありましたが、2012年に動物愛護法が改正されて以降それが難しくなったため、より『引き取り屋』の動きが活発になってきました。引き取り屋は、一応表向きは『1匹につき数千円~数万円の飼育費をもらえれば、あとはこっちで一生面倒見ますよ』というタテマエで引き取ります。しかし実際には、積み上げた狭いケージに犬や猫を閉じ込め、餌もろくに与えず、病気になっても治療をせず、結局は死なせてしまう業者も少なくないのです」
しばしばメディアで報じられるように、引き取り屋の中には事実上殺処分を代行しているところも多い。引き取り屋自体は違法ではないが、飼育放棄や虐待などが疑われるケースも少なくないのだ。
「最近は動物愛護団体や個人のボランティアも目を光らせており、ペットショップなどに電話して『そちらのお店では引き取り屋に犬や猫を流したりしていないですよね?』と聞いて回っているところもあるようです。そのため、ペットショップによる闇処分の数は減っているとは思いますが、それでも中には里親募集をかけるのが面倒だ、飼育代がかさむといった理由から流しているところもあるようです」
ブリーダーの殺処分が
バレない理由犬や猫の販売は、生き物だけにトラブルもつきもの。最近、業界のネガティブなイメージを払拭するため、大手ペットショップでは子犬や子猫の遺伝子検査を始めるようになった。遺伝子疾患を発症しやすい遺伝子を持っていることを知らずに販売してしまい、後々ペットに症状が出てきて飼い主とトラブルになるケースも多いため、子犬や子猫の健康を担保するのが目的だ。しかし、その検査の中身は不十分である上に、検査自体が新たな問題の温床となっている。
「遺伝子検査といえば聞こえは良いものの、実際には重篤な遺伝子疾患の検査しか行われていません。日本はまだその分野は遅れていて、検査ができる項目がかなり少ない上に、その必要性に対する意識が低すぎるのです。遺伝子検査を始めたこと自体はペット業界の進歩といえますが、一部しか行わないのであれば健康を担保したとはいえません。
『健康な子犬・子猫』とうたっているペットショップがありますが、飼い主が望むような健全なレベルとはいえないのです。さらに気になるのが、検査で引っ掛かった遺伝子疾患の遺伝子を持つ子犬や子猫、その親犬や親猫(子にその遺伝子があれば親も持っている可能性がある)は最終的にどこに連れていかれているのか…ということです」
需要があるため、引き取り屋という商売も存在し続けるのだ。
そもそもブリーダーが過剰に犬や猫を供給し、遺伝子疾患のリスクに十分配慮しないため、引き取り屋のような商売が成り立つわけで、この“元栓”を締めない限り解決は難しい。
「闇処分の一部はブリーダーの段階でも行われています。悪徳ブリーダーの中には、引き取り屋に払うお金も惜しいため、商品にならない子犬や子猫を遺棄したり、自分で殺処分したりしている人もいるようです。
19年6月に改正された動物愛護法では、繁殖犬や繁殖猫、販売される子犬や子猫にはマイクロチップを装着し、登録することが義務づけられましたが(公布から3年以内に施行)、ブリーダーの段階では子犬や子猫は装着前なので遺棄・殺処分をしても明るみに出ることはありません。また、現行の法律では飼育施設や繁殖回数などに具体的な数値規制もないため(環境省令として検討中)、事実上、犬や猫の過剰繁殖と闇の殺処分が、し放題なのです」
過剰繁殖で遺伝子疾患や
奇形の動物が生まれやすい理由ブリーダーにとってはペットショップに買いたたかれるため、動物を量産せざるを得ないという事情もあるのかもしれない。さらに、最も問題視すべきは、一部のブリーダーが、専門性の知識が乏しいために問題のある繁殖をしてしまっているという事実だ。
「たとえば折れ耳のスコティッシュ・フォールドはかわいいと人気ですが、あの折れ耳は軟骨の形成異常(骨軟骨異形成症)によって生まれたものです。特に折れ耳同士の繁殖で産まれた子猫は、『骨瘤』という関節の病気が重症化しやすいため、絶対にしてはならない繁殖です。
犬の場合でも、ペットショップなどで販売されているレトリーバー系の子犬の多くは、股関節の形成異常(股関節形成不全)があるといわれています。それを防ぐためには親犬の股関節のレントゲンを撮り、専門機関で見てもらい、問題のない犬同士の繁殖をする必要があります。本来、繁殖は注意深く行う必要がありますが、日本では専門性に乏しいブリーダーが多く、過剰繁殖や間違った繁殖を繰り返しています。当然、不幸な子犬や子猫がたくさん生まれてくることになります」
例えるならこれは、薬学の知識を持たない薬剤師がでたらめに薬を配合しているようなもの。その結果、商品に“なれなかった”子犬や子猫たちが量産されては闇処分されてしまうのだ。
問題の根底には、ブリーダーになるハードルの低さも関係している。
「ブリーダーは、一昔前なら自己申告さえすればできる仕事でした。現在は必ず事業所ごとに動物取扱責任者(ブリーダーと兼ねている場合が多い)を置かなければならないのですが、その者はいくつかの要件をクリアする必要があります。そのひとつは、現場で半年間以上の実務経験が必要なのですが、実際には半年の勤務期間で月に1~2日の出勤でも要件がクリアできたと聞いたことがあります。
また、2カ月ぐらいの通信教育を受けて、認定資格を取得すれば簡単になれてしまいます。『命』を扱う職業である以上、しっかりとした知識と技術を兼ね備え、学ぶ中でその責任を心に刻まなくてはいけません。本来ならブリーダーを国家資格にすべきだと思います」
海外から見た日本は
「動物愛護の三流国」お上がその気になれば、ブリーダーを免許制の職業にする、あるいは飼育施設や繁殖回数に厳しい規制を設けるなどいくらでも対処法はあるように思えるが…。
「動物愛護部会に参加している有識者の中には、ペット業界で影響力のある企業や団体の方々もいますので、時に何らかの圧力などが働いているのではないかと聞くこともあります。ブリーダーに厳しい規制がかかれば、業界全体が打撃を受けることになりますから、なかなか一筋縄ではいかないというところでしょう。
残念ながら、動物愛護という観点では、日本は海外から“三流国”といわれています。実際に私も欧米のブリーダーから猫を譲ってもらおうと問い合わせをしたことがあるのですが、『意識が低い日本になんて絶対に譲りません』と断られました」
いまこの瞬間も、新たな命が生まれては大量廃棄されている。そこに生命の尊厳はなく、ただ“物”として命が間引かれているのだ。