信じるか信じないかはあなた次第
兵庫県芦屋市にある六麓荘町は、豪邸が立ち並ぶ日本屈指の高級住宅街です。住人の中にはセレブ系有名人も多く、六麓荘町に住むことが一種のステータスになっています。芦屋市六麓荘町の場所や特徴、強い自治力を持つ町内会の詳細情報などをまとめてみました。
- 【兵庫県】日本一の高級住宅街「芦屋市六麓荘町」の実態を漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ
- 芦屋市六麓荘町は高級住宅街?兵庫県の豪邸が並ぶ街を写真付きで紹介
- 芦屋市の高級住宅街・六麓荘町を紹介
- 六麓荘町とは?
- 六麓荘町の特徴
- 豪邸が建ち並ぶ六麓荘町の美しい街並みを紹介
- 六麓荘町の景観は町内会により守られる
- 六麓荘町に住むにはどうしたらいい?
- 芦屋市六麓荘町の高級住宅街を見に行こう
【兵庫県】日本一の高級住宅街「芦屋市六麓荘町」の実態を漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ
芦屋市六麓荘町は高級住宅街?兵庫県の豪邸が並ぶ街を写真付きで紹介
兵庫県芦屋市にある六麓荘町は、豪邸が立ち並ぶ日本屈指の高級住宅街です。住人の中にはセレブ系有名人も多く、六麓荘町に住むことが一種のステータスになっています。芦屋市六麓荘町の場所や特徴、強い自治力を持つ町内会の詳細情報などをまとめてみました。
芦屋市の高級住宅街・六麓荘町を紹介
皆さんは兵庫県芦屋市の六麓荘町(ろくろくそうちょう)という地域をご存知でしょうか?
芦屋市六麓荘町は日本国内屈指の高級住宅街であり、辺りには巨大な豪邸が立ち並んでいます。景観を守るために特殊な建築基準が条例化までされており、現地の住人は一般庶民にとって雲の上のような存在となっています。
そこで今回は、兵庫県芦屋市六麓荘町の特徴や豪邸物件が建てられるようになった歴史、町内会の役割などをまとめてみました。高級住宅街に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
六麓荘町とは?
兵庫県芦屋市の六麓荘町は一般人にとってあまり馴染みのない場所であり、詳細を知らない方が少なくありません。
六麓荘町とはどのような街なのか?まずは、芦屋市六麓荘町の概要について解説していきます。
芦屋市の中でも特に高級な住宅街
芦屋市六麓荘町は、兵庫県の南東部に位置しているエリアです。六甲山地の南東麓斜面の海抜200~250m付近に広がる高台の街で、周辺の街並みや大阪湾などを一望できる景観に定評があります。市内南部は、谷崎潤一郎氏の小説・細雪の舞台でもあります。
昭和初期から関西の財界人・森本喜太郎氏らによって土地開発が進められ、道幅の拡充・電線類の地中化・独自駐在所の設立などが実現。「東洋一の住宅地にする」というコンセプト通り、他の地域とは一線を画す風光明媚な街が作られました。
兵庫県芦屋市の人口はおよそ9万人ですが、六麓荘町には約200世帯・600人少々の方々しか住んでいません。
何故なら芦屋市六麓荘町には街の景観保護のために厳格な入居ルールが定められており、ごく一部の富裕層でなければこの町で暮らすことが許されないからです。
土地開発当初から六麓荘町内で取り決められていた建築協定は、「景観保護条例」として2006年に芦屋市議会で正式に可決。いわゆる「豪邸条例」が施行され、高級住宅街の広がる六麓荘町の美しい街並みが法的に守られています。
六麓荘町の場所
芦屋市六麓荘町は、神戸市と西宮市に挟まれたエリアにあります。阪急甲陽線・苦楽園口駅で下車し、西に向かって30分ほど歩けば六麓荘町に到着します。
なお、芦屋市六麓荘町は六甲山地の斜面にあり、周辺には坂道が少なくありません。徒歩では多大な肉体的疲労を伴うので、車での移動が一般的です。
六麓荘町の特徴
15
東京の田園調布や大阪の帝塚山など、豪邸の立ち並ぶ高級住宅街は日本国内にいくつもあります。その中でも、兵庫県芦屋市の六麓荘町は異彩を放っている特殊なエリアです。
ここでは、六麓荘町の特筆すべき注目点を4つ紹介していきます。
すべて戸建て住宅
芦屋市六麓荘町の一つ目の魅力は、全ての家屋が一戸建て住宅に統一されていることです。
一般的な高級住宅街では巨大なタワーマンションがあちこちに建てられていますが、六麓荘町内では2階建以下の一戸建て住宅しか建ててはいけないと取り決められています。
町内で高層マンション建設が禁止されている理由は、すべて六麓荘町の景観を保つためです。住宅の高さを均一化することで、閑静な高級住宅街としての街並みを維持しているのです。
なお、戸建て住宅であれば居住形態は不問です。
必ずしも豪邸を購入して固定資産として保有しなければならないわけではなく、賃貸契約を交わして生活することも出来ます。
それでも、六麓荘町の豪邸の家賃相場は70~80万円程度であり、とても一般庶民の手が出る物件ではないでしょう。一部の富裕層だけが住める特別な空間であることに変わりはありません。
コンビニなど商業施設なし
芦屋市六麓荘町の二つ目の魅力は、商業施設が一切存在しないことです。
近所にショッピングモールのあるエリアは生活に便利ですが、多くの客が集まって来て騒々しいというデメリットにもつながります。その点、芦屋市六麓荘町内ではあらゆるショッピング施設の設立が禁止されていて、コンビニや自動販売機すらありません。
六麓荘町内での営業活動も全面禁止されていて、セールスや広告展示も厳しく取り締まられています。
住民が静かに安心して暮らせる生活環境が整っている六麓荘町は、精神的にも豊かな高級住宅街と言えるでしょう。
独自の建築基準
芦屋市六麓荘町の三つ目の魅力は、日本一厳しいと言われる建築基準の存在です。
2007年に景観保護条例(旧建築協定)が施行されて以来、六麓荘町内で家屋を建築する際には様々な条件を満たした物件でなければ認可されなくなっています。
「敷地面積は400㎡(121坪)以上」、「建物の高さは最高10mかつ軒の高さは7m以下の2階建てまで」、「屋根や壁の配色は周囲の景観と調和したもの」など、枚挙にいとまがないほど厳格な基準があります。
独自のルールを取り決めている高級住宅街は少なくないものの、近年の不況のあおりを受けてうやむやになっている所が大半です。
しかし、六麓荘町は条例を制定して法的に街の美観を守っており、立ち並ぶ豪邸に対して敬意を払いたくなります。
家を建てる時は必ず近隣説明会
芦屋市六麓荘町の四つ目の魅力は、強固なコミュニティーです。
六麓荘町内で新しい家を建てる際には、近隣住民を集めて説明会が行われます。建築予定物件の模型を見ながら意見を交わし合い、街の美観を損ねると判断された場合は施工内容の修正を求められることもあります。
煩わしく感じる方がいるかもしれませんが、六麓荘町の治安を守る上で町内会の存在は非常に重要な役割を担っています。
豪邸の立ち並ぶ高級住宅街は、得てして窃盗や強盗といった犯罪の標的にされるもの。その点、六麓荘町では独自の駐在所を設けて警備に力を入れており、有事の際には各家庭にメールやFAXで連絡を取れるセキュリティシステムが敷かれています。
不審者をすぐに特定・通報できるため、女性や子供も安心して暮らせる環境が構築されています。隣の住人の顔も素性も知らないことが珍しくない現代社会において、六麓荘町のコミュニティーは見本とすべき存在と言えるでしょう。
豪邸が建ち並ぶ六麓荘町の美しい街並みを紹介
日本国内の選ばれた者だけが住むことを許される六麓荘町には、他の地域と比べてどのような特色があるのでしょうか?
ここでは、豪邸の立ち並ぶ高級住宅街・芦屋市六麓荘町の実際の街並みを見ていきましょう。
①戸建ての豪邸がいっぱい
芦屋市の六麓荘町に実際に足を踏み入れると、巨大な戸建ての豪邸の数々に圧倒されます。
花崗岩を積み上げた純和風建築の家屋から洋風の宮殿のような物件まで多彩な住居が立ち並んでいて、とても同じ日本国内とは思えないような特殊な空間が広がっています。
アメリカのビバリーヒルズのような高級感がみなぎっていて、六麓荘町に住むこと自体が一種のステータスとなっているようです。
②ロゴマークが刻印された台座
芦屋市六麓荘町内を散策していると、見慣れないロゴマークを街のあちこちで見かけます。
中心に「荘」をイメージした書体を配置し、円周上に「六」の漢字を6つ並べたこのロゴマークは、六麓荘町が土地開発された当初から使われているオリジナルデザインです。
街灯の台座やマンホールなどのオブジェクトに刻印されていて、街の独自性が強く表れています。
③住民の意識の高さ
芦屋市六麓荘町内に、まちづくりに関する注意書きの看板が立っています。
転入時の届出や戸建て住宅の建築協定など、この町で暮らす上で守るべき事項が詳しく列挙されています。
よその地域の人が見たら「冗談だろ!」と言いたくなるほど細かい条件が制定されていて、地域住民の意識の高さがうかがえます。たとえ大金持ちでも、六麓荘町で生活することは容易ではないようです。
④豊富な自然
多くの方は、「高級住宅街=豪邸だらけの無機質な街」というイメージを抱いていることでしょう。しかし、芦屋市六麓荘町は自然も豊富です。
桜やソメイヨシノなどの美しい樹々が咲き誇り、春の季節には絶好の花見スポットになります。
自然と人工が調和した和のテイストが満載。町内を散策するだけで、目の保養になることでしょう。
⑤高台からの美しい眺め
芦屋市六麓荘町は海抜200メートル程度の高台にあるため、周辺を見渡すと大阪湾や市内の街並みを一望できます。
この景観は、平地に作られた高級住宅街には無い魅力です。何気ない日常生活の中でも、リゾート地でのんびりしているような感覚を満喫できます。
六麓荘町の景観は町内会により守られる
兵庫県芦屋市の六麓荘町が日本随一の高級住宅街として名を馳せているのは、住民同士で結成されている町内会(自治会)の存在があってこそです。
ここでは、芦屋市六麓荘町の町内会について解説していきます。
先人のこだわりを受け継ぐ
当初、芦屋市六麓荘町の管理は開発会社である株式会社六麓荘が行っており、同社が町内会としての機能も兼任していました。しかし、戦後になると住民同士で結成した町内会が正式に発足し、現在では15名程度の代表者によって運営されています。
環境・治安保全、住民同士の親睦などを目的とした六麓荘町の町内会は、他の地域の町内会とは比較にならないほど強い自治力を持っています。道路部分の土地および六麓荘倶楽部(町内会館)の建物を所有しており、まちづくり計画を一手に担っています。
部外者を監視・通報するシステムや町の美観を損ねる建築物の施工を制する権限もあり、マンションや商業施設を町内に作らないという規約は条例によって現在でも保持されています。
「単なる拝金主義ではなく、住民が安心して暮らせる理想的な街を作る」という先人からの想いを現代にまで受け継いでいるのは、六麓荘町町内会の最大の凄さです。
町内会の入会金は50万円
芦屋市六麓荘町の町内会は、国や市政からの補助金に一切頼らず自分たちの経済力だけで運営費をまかなっています。
そのため、六麓荘町の新規居住者には、入会賛助金として入会金50万円、町内会費年1万2,000円、積立金年6,000円を支払う義務があります。
集められた資金は、防犯カメラや公民館などの共有施設の管理・運営費に充てられます。六麓荘町の治安維持に不可欠な費用ですが、あまりにも高額なので一般庶民は驚愕することでしょう。
六麓荘町に住むにはどうしたらいい?
高級住宅街といえども芦屋市六麓荘町はれっきとした公の土地であり、住みたい人は自由に引っ越して暮らすことができます。
最近ではアジア系の大富豪が別荘感覚で豪邸を建てている他、江崎グリコ社長の江崎勝久氏、B'zの稲葉浩志さん、天童よしみさん、Kinki Kidsの堂本光一さんなどのセレブ系有名人が六麓荘町内に邸宅を構えているそうです。
ここでは、芦屋市六麓荘町の住人になる方法を紹介していきます。
まず町内会に連絡
芦屋市六麓荘町の豪邸に住みたい方は、まず何よりも経済力を手に入れてください。
六麓荘町の土地価格の相場は、一坪あたり約70万円。固定資産税が年間2,000万円以上になる可能性もあり、数千万円~数億円程度の年収がないと生活できないでしょう。
世間では高収入と言われる年収1,000万円世帯も、六麓荘町では中流クラス。起業や投資で大金を稼げるようになってください。
不動産屋などと相談して芦屋市六麓荘町内で引っ越せる場所が見つかったら、なるべく早めに六麓荘町の町内会に連絡を取りましょう。
町内会への加入は必須ではありませんが、新築住宅を建てる場合に施工内容が景観保護条例に違反していないか審査する必要があります。近隣住民の方々と顔を合わせて挨拶することで、お互い安心して暮らせるメリットもあります。
連絡先は、芦屋市六麓荘町町内会の公式ホームページ上で全て公開されています。引っ越し前に全ての注意事項に目を通し、余計なトラブルにならないように気を付けましょう。
芦屋市六麓荘町の高級住宅街を見に行こう
今回は、兵庫県芦屋市六麓荘町の特徴や現地に住む際の注意点などを紹介いたしました。
日本屈指の高級住宅街・六麓荘町は、庶民にとって憧れの地域。観光する際には現地の光景をしっかり目に焼き付けて、いつの日か六麓荘町の豪邸に住めるように自分のモチベーションアップに役立ててみてください。
町内会入会金50万円…六麓荘町、日本一の高級住宅街の謎のベールを剥ぐ
日本の代表的な高級住宅街といえば、「東の田園調布」「西の芦屋」。その芦屋のなかでも群を抜くレベルの超高級エリアが「六麓荘町」だ。某菓子メーカー社長や大物ミュージシャンなどの著名人も多く暮らしているというが、その実態はベールに包まれており、広くは知られていない。
独自の建築協定が存在し、勝手に家を建てられない、道路には信号も電柱もない、町内会入会費が50万円……。数々の噂に彩られた六麓荘町の実態について、現地の不動産会社であるOh!不動産の幸保和明社長に聞いた。
●目指したのは「東洋一の別荘地」
六麓荘町は、JR神戸線の芦屋駅から徒歩30分の場所に位置する。町内には信号どころか電柱もなく、タクシーも走っていない。立派な庭を擁した大邸宅が立ち並び、コンビニエンスストアもスーパーマーケットもない。人通りは少なく、ひっそりと静かな町だという。
「六麓荘町は、1928年頃に大阪の財界人たちが中心となって出資・開発されました。“東洋一の別荘地”を目指して、当時イギリスの植民地だった香港の九龍半島にあった白人専用街をモデルに建設されたといわれています」(幸保氏)
道幅は6メートル以上、1区画は少なくとも300~400坪。水道用の貯水池を設けたり、日本で初めてとなる電線の地中化を行ったりするなど、六麓荘町では先進的な造成が行われた。
「お金持ちの排他的な街をつくろうとしたのではなく、理想の街をつくって眺望を守ろうとしたのが発想の出発点だったといいます」(同)
六麓荘町では、新たな住宅や別荘を建てる際の手続きや建築基準を「六麓荘町建築協定」として設けている。現在でも、建物が協定を満たしているかを住民たちで運営される「建築協定運営委員会」が確認しているのだ。
その項目には「1区画が400平方メートルの敷地であること」だけでなく、「建築物の建物は1階建か2階建まで」「緑地部分10平方メートルにつき、高木1本と中木2本を植えること」など、街の景観を意識した項目が並んでいる。
長年、住民たちが守り育ててきた美しい街並みを壊さないために、新たに移り住んできた住民には「住宅環境を保全するため町内会規約を遵守します」といった内容の誓約書に署名を求め、「街のコンセプト」を理解してもらうのだという。
こうした決まりはあくまでも自主的な「紳士協定」だったが、その拘束力を強化するために住民たちが活動した結果、2007年に「芦屋市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例」が改正された。
「全国に高級住宅街は多くありますが、六麓荘町がそのなかでも特別な理由は、市や企業ではなく、町民たちが自主的に開発してきたという成り立ちにあります。『高級住宅街』というカテゴリを条例化してまで守っているのは、日本では六麓荘町のほかにはありません」(同)
●町内会入会金は規格外の50万円
新たな住民には町内会への入会が義務付けられ、その賛助金として50万円が必要だという。
「町内会への入会金が50万円、町内会費が年1万2000円、積立金が年6000円かかります。これらは、共有施設などの管理運営費用に充てられています」(同)
徹底した景観保護を実施できるのは、この規格外の町内会費があるからこそなのかもしれない。町内会への入会が必須だからか、住民同士のコミュニケーションは活発で結束は固いという。
「六麓荘町では、昔から住民たちが率先して理想の街づくりをしてきました。代々暮らしている住民たちは、六麓荘町のブランドやステータスをひけらかすというよりも、プライドを持って継承しているんです。美しく静かな街並みを守るために、条例や町内会の活動が必須なのだと思います」(同)
●中国人の大富豪も増えている?
何代も住み続ける住民がいる一方で、新たにやってくる住民も多い。新規住民には新興企業の社長や芸能人などが多いというが、外国の富裕層も増えているという。
「最近では、中国系の方もちらほらいらっしゃるようです。それも、日本のお金持ちとは桁違いの大富豪。アジアのお金持ちたちは、その独自のネットワークを通じて六麓荘町に注目しているようです。彼らは歴史と伝統を理解しているので、『ちょっと日本にも別荘を買おう』という軽い気持ちではなく、日本に住むつもりで買っているんです」(同)
美しい景観を守り育ててきた六麓荘町の住民たちだが、その目的はあくまでも自分たちが静かに暮らすため。世界的にも珍しいという唯一無二の高級住宅街は、これからも住民たちの手によって守られていくことだろう。(文=坂本七海/清談社)