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【留学生は授業料タダ?】奨学金の闇(マンガで分かる)

信じるか信じないかはあなた次第

7月におこなわれた参院選でほとんどの政党が給付型奨学金の創設を公約に掲げていたように、奨学金問題は社会的なイシューとなっています。

なぜいま給付型奨学金が必要とされるようになったのでしょうか。以下では、奨学金問題の基本的な構図を示していきます。

 

 

www.youtube.com

 

ポイント① 奨学金を借りる

ポイント② 月々の返済が高額

ポイント③ 外国人留学生への奨学金の一部は日本負担

 

 

 

 

 

日刊ゲンダイ「4割が「苦しい」職場に取り立てが来る“奨学金地獄”の実態」(平成28年3月3日配信)における奨学金に関する記事について

【平成28年3月7日更新】

平成28年3月3日、日刊ゲンダイにおいて「4割が「苦しい」職場に取り立てが来る“奨学金地獄”の実態」というタイトルで本機構の奨学金が取り上げられました。

本機構の督促に関して次のとおり報道されましたが、事実と異なる内容がありましたので、説明させていただきます。

・タイトルについて
「4割が「苦しい」職場に取り立てが来る“奨学金地獄”の実態」
・本機構のコメントについて
返済が遅れると、それこそ闇金のように職場まで督促が来るという話もあり、これについては機構も「まず勤務先に電話をして返済をお願いし、場合によっては勤務先で話をすることもあります」(広報担当者)と認めている。

本機構が、機構職員や債権回収業務委託業者に、返還者の方の職場へ直接に訪問させて、返還を求めるということはありません。
返還者の方から勤務先の電話番号を教えていただいている場合には、その勤務先へ電話にて連絡をすることはあります。しかし、そのような連絡は、複数回に渡ってご自宅への郵便文書を送付し、更にご自宅や携帯電話に電話を架けてもなお連絡がつかなかった場合に、やむなく行うものです。したがいまして、本機構が「まず勤務先に電話する」ということはありません。
なお、督促に関する文書や電話を差し上げる際には、返還期限を猶予する制度があることをご案内しています。
このように、延滞初期の段階で返還者の方と連絡を取ることに努めることによって、返還困難な方には、返還猶予の制度を活用していただき、他方、返還できるにも関わらず「うっかり」で残高不足等のため口座引き落としができなかった方には早く気付いていただくことが、延滞に陥った方の早期救済のために大変重要であると考えております。

返還に関して、わからないことがありましたら、ご遠慮なく本機構の奨学金相談センターにお問い合わせください。
電話番号:0570-666-301(ナビダイヤル ・ 全国共通)

  • 受付時間:9時00分~20時00分(土日祝日および年末年始を除く)

www.jasso.go.jp

 

15分でわかる! 日本の奨学金制度は、何が問題なのか?

『POSSE』特集内容の論点が「15分でわかる」シリーズ。労働や貧困、社会保障にかかわるテーマについて取り上げ、各論の論点を網羅していながらもコンパクトにまとめています。今回は『POSSE』32号(2016年9月発行)に掲載した、「奨学金問題」についての記事を公開します。

はじめに

7月におこなわれた参院選でほとんどの政党が給付型奨学金の創設を公約に掲げていたように、奨学金問題は社会的なイシューとなっています。

なぜいま給付型奨学金が必要とされるようになったのでしょうか。以下では、奨学金問題の基本的な構図を示していきます。

日本の奨学金制度の概要

まず、日本における「奨学金」のほとんどは日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金です。文部科学省高等教育局学生・留学生課「(独)日本学生支援機構(JASSO)奨学金貸与事業の概要」によれば、日本の奨学金の87.6%(金額ベース)がJASSOの奨学金となっています。

さらに、貸与型のなかでも、有利子である第二種奨学金の割合が高くなっています。2014年には、第二種奨学金の全体に占める割合は貸与人員で65.4%、貸与金額で72.1%にも上っています(日本学生支援機構「平成26年度 事業報告書」)。OECD34ヶ国中、大学授業料が有料でかつ公的な給付型奨学金がないのは日本だけです。

JASSOの奨学金を借りる学生は、2004年の23.3%から2014年には38.7%に増加しています。

奨学金利用の背景

では、なぜ奨学金を借りる学生が増えているのでしょうか。

●家計状況の悪化

第一に、家計状況の悪化が挙げられます。JASSOの「学生生活調査」(2004年度から2年おきに実施)によると、大学学部(昼間部)の学生の収入全体はピーク時の2004年度の220万300円から2012年度には199万7300円まで、また、収入のうち「家計からの給付」はピーク時の2006年度の149万6300円から2012年度には121万5200円まで落ち込んでいます。

●学費高騰

第二に、大学の学費が高騰してきたためです。国立大学においては、1975年には授業料が3万6000円、入学料が5万円でしたが、2005年以降現在に至るまで授業料は53万5800円、入学料は28万2000円(現在は国立大学法人、いずれも標準額)と、授業料は14.8倍、入学料は5.6倍にまで高騰しています。

●大学進学率の上昇

さらに、家計状況の悪化と学費高騰という条件のもと、奨学金という借金を背負ってでも大学に進学する理由を考える必要があります。大学進学率は1990年の24.5%から2015年には51.7%まで上昇しています(文科省「学校基本調査」)。その背景には、90年代以降の求人激減で高卒就職が困難となったことが挙げられます。高卒求人数はピーク時の92年の約160万件から、2010年には20万件を切るまでに急減しています。

ただ、同時に経済的な困難から大学を中退するリスクも高まっています。2014年度の文科省の調査(「学生の中途退学や休学等の状況について」)によれば、大学中退者の総数は全学生数の2.65%にあたる7万9311人、そのうち経済的理由による者は中退者全体の20.4%にあたる1万6181人となっています。経済的理由による中退者は2007年度には14.0%であり、この5年間で6%も増加しています。

奨学金の返還困難

以上のような背景のもとで奨学金を借りる学生の割合は上昇している一方で、大卒でも就職できずに非正規雇用となってしまったり、「ブラック企業」に就職してしまい就労を継続することができないために、奨学金返還が困難になってしまう若者が増加しています。

2003年には222万人が、ピーク時の2010年には341万人が延滞しています。2010年以降の延滞者はおおむね横ばいとなっています(所得連動返還型奨学金制度有識者会議第11回配布資料)。

●不十分な救済制度

そもそも、JASSOの奨学金では返還困難者に対する救済制度が不十分であると指摘されています。返還免除は死亡や重度の心身障害を負った場合に限られています

返還猶予は、「生活保護」受給と「傷病」による就労不可の場合にはその事由が継続している期間中認められますが、年収300万円以下を目安とする「経済困難」の場合には10年間の期限が設けられています。

つまり、10年経って年収が上がらなかったとしても、返還猶予は期限切れとなってしまうのです。また、減額返還の制度もありますが、月々の返還額が半分になるだけで返還総額は変わりません。

●厳しい取立て

それでは、実際に返還困難に陥った場合にはどうなるのでしょうか。

まず、滞納3ヶ月以上で個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)へ登録され、延滞が解消したとしても5年間はローンやクレジットカードの審査が通りにくくなります。

次に、滞納3ヶ月から9ヶ月までは債権回収専門会社(サービサー)による取り立てが始まります。

そして、9ヶ月を超えると自動的に法的措置に移行します。この場合にJASSOは、奨学金の一括返還を求め、督促に応じなかった場合には訴訟を起こします。こうした訴訟は、JASSOが発足した2004年の58件から、2012年には6193件にまで急増しています(東京新聞2016年1月3日付)。

100倍以上にまで急増している訴訟のなかには、明らかに強引な取り立ても見受けられます。たとえば、卒業後に難病を罹患して就労に制限がかかり、困窮状態になった方にJASSOが裁判を起こしたという事例もあります(三宅勝久「ルポ・奨学金地獄」奨学金問題対策全国会議『日本の奨学金はこれでいいのか!』あけび書房、2013年)。

●保証人問題

さらに、本人が経済的事情から奨学金の返還困難に陥るだけでなく、保証人にまでリスクが及ぶケースも見られます。

奨学金を借りる際には人的保証か機関保証を選ぶ必要がありますが、機関保証の場合に必要な保証料を避けるために、人的保証を選ぶ人が多いようです。

人的保証では連帯保証人と保証人が必要となり、多くの場合、連帯保証人には両親のどちらかが、保証人にはその他の親戚が立てられています。本人が支払えない場合には連帯保証人や保証人に請求がなされます。前述の通り親世代も経済的に厳しくなっているため、奨学金で親子共倒れになってしまうリスクが高まっていることが懸念されています。

前借金としての奨学金

また、こうした奨学金は、卒業後に働く学生にとっての実質的な「前借金」となります。前出の「日本学生支援機構奨学金貸与事業の概要」によれば、平均貸与総額が学部生で195万5000円、大学院生で378万7000円であり、奨学金を利用した大学生は約300万円の借金を負った状態で就職することになります。

これだけの借金を負っているからこそ、大学生たちは就職活動を成功させなければならず、また、就職先がブラック企業であったとしても、せっかく掴んだ正社員雇用を手放すわけにはいかないと考えてしまうことが問題視されています。

奨学金制度改革

以上のような問題が噴出するなか、政治レベルで奨学金制度の見直しがおこなわれています。

●所得連動返還型

まず、所得連動返還型奨学金制度の創設が有識者会議で検討されています。ただし、その内容は非常に大きな問題を抱えていると指摘されています。

有識者会議においては、年収0円の人であっても月2000〜3000円程度の金額の返還を開始することが適当であるとされており、また、最長の返還期間は返還完了もしくは本人が死亡または障害等により返還不能となるまでとされています。

つまり低所得者が死ぬまで返還を求められ続ける制度設計となっています。また、返還者が被扶養者となった場合には、扶養者の収入を勘案して返還額を決定すべきであるともされています。

類似の制度はイギリスやオーストラリアでも導入されています。しかしイギリスでは返還開始の所得基準を年収約380万円、返還義務期間を30年と定めており、またオーストラリアは返還開始の所得基準を年収507万円とし、返還義務期間は定めていません(所得連動返還型奨学金制度有識者会議第1回配布資料)。

いずれにしても、所得連動返還型奨学金は本人の収入に応じて無理のない返還を求める趣旨の制度であり、日本で現在議論されている制度はその趣旨から逸脱しているという批判もなされています。

●給付型

参院選で各党が給付型奨学金を公約に掲げて闘ったのち、文科省は給付型奨学金創設の検討チームを設置し、具体的な制度設計の検討を始めました。

主な論点として、対象者の選定、給付方式、財源確保などが挙げられています。対象者については、低所得世帯の子供とし、児童養護施設退所者・里親出身者、生活保護受給世帯、住民税非課税世帯などが挙げられています。

また、「国民の理解」を得るために成績要件の導入も検討されています。給付方式に関しては、学業をおろそかにする学生にも奨学金が支払われる可能性があるとして、いったん貸与する形式を取り、進級や必要な単位の取得を条件に返還を免除する方式も考えられています。

終わりに

北欧や大陸ヨーロッパの福祉国家においては、そもそも学費が無料であり、そのうえで生活費として奨学金が支給されます。

それと比べて、日本では大学が早くから市場化されており、70年代以降には学費高騰を招きました。そのうえ、日本型雇用の縮小とともに家計状況が悪化したことで債務としての奨学金利用が増加し、学卒者は返還のためにブラック企業に縛りつけられかねない状況になっています。

このように、大学教育の商品化の弊害が大きいことが問題視されています。教育においても福祉国家の建設を通じた脱商品化を進めていく必要があるでしょう。

note.com

 

岸田首相、奨学金「出世払い」検討を… 就職後に一定年収になったら返済

・岸田首相は30日、「教育未来創造会議」を首相官邸で開き、大学などの授業料を国が一時的に肩代わりし、学生が就職後に一定の年収に達した段階で返済する「出世払い」方式の新たな奨学金制度の創設に向けた検討を指示した。

・首相は会議で、「より踏み込んだ提言のとりまとめをお願いする。教育人材育成、人への投資は成長の源泉だ」と語った。

「出世払い」方式は、オーストラリアなどが採用している。政府が授業料を立て替えて大学に支払うため、学生は在学中、授業料を支払う必要はない。卒業後、一定の年収を超えたら、所得に応じた額を給与天引きで分割納付する仕組みだ。

日本では、返済不要の給付型奨学金の対象外となった学生は、貸与型奨学金を利用するが、卒業後、年収が低く返済に苦しむ人が少なくない。自民党内では、卒業後、年収300万円に達してから返済を始める制度案などが検討されている。

sn-jp.com

 

大学数・学生数は50年間で倍増、女子占有率も上昇

旺文社教育情報センターは2020年11月2日、「50年間で大学数・学生数とも倍増」と題したデータ分析をWebサイトに掲載した。この50年間で大学数・学生数は倍増し、女子占有率も上昇が続く一方、18歳人口の減少などで大学の生き残り競争は激化している。

 「50年間で大学数・学生数とも倍増」は、文部科学省が公表した令和2年度(2020年度)学校基本調査速報などを資料として、大学・短大に関わるデータをまとめたもの。

 2020年度の大学の学生数は、前年度比3,000人減の291万6,000人で、6年ぶりの減少。学生数を設置者別にみると、国立大が59万9,000人、公立大が15万8,000人、私立大が215万9,000人と、私立大が全体の4分の3を占めている。短大の学生は、短大数の減少とともに減少傾向が続いており、2020年度は前年度比5,000人減の10万8,000人と、10万人割れが目前となっている。

 この50年間の学生数・学校数の推移をみると、大学の学生数は1971年度146万9,000人から2020年度291万6,000人へ倍増(198.6%)している。設置者別では、国立大学生28万3,000人(189.3%)、公立大学生10万9,000人(320.8%)、私立大学生105万6,000人(195.8%)とそれぞれ増加した。

 学校数も増加を続けており、1971年度389校から2020年度795校と、約2倍(204.4%)に増えている。設置者別では、国立大11校、公立大61校、私立大334校の増加。さらに2019年度から誕生した専門職大・短大(公私立で11校が開設)も今後増える予定があるという。

 大学進学率は、1971年度の19.4%から1976年度の27.3%まで上昇し、その後多少のアップダウンを経て1990年度の24.6%まで下降。 1991年度からは2012年度と2013年度を除き、上昇を続け、2019年度は53.7%となった。短大進学率は1994年度の13.2%をピークに2019年度の4.4%まで下降を続けている。

 一方、2020年度の大学の女子学生数は前年度比1,000人増の129万4,000人となり、女子占有率は過去最高の44.4%となった。2020年度の短大の女子学生数は前年度比4,000人減の9万5,000人。女子占有率は88.0%で、9割近くが女子の状況はほぼ変わっていない。

 旺文社教育情報センターでは、大学(学部)はこれまで学生数の増加に支えられてきたが、18歳人口の減少などにより、「入学者の減少傾向が恒常化しつつあり、大学・短大の生き残り競争は熾烈を極めている」と指摘。「これまで入学者増加の波に乗ってきた大学をはじめ高等教育機関への進学率も、各種の奨学金制度の導入などの施策が講じられてはいるが、今後は減少に転じる可能性もある」と分析し、2020年がターニングポイントになる年と予測している。

《奥山直美》

reseed.resemom.jp

 

私大への助成金で歪められる日本の教育現場

18歳人口の大幅な減少に耐えられるのか

日大アメフト部の問題を機にクローズアップされている(写真:Fast&Slow/PIXTA)

日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題でクローズアップされた話題の1つに、政府から交付される学校法人への補助金がある。私立大学助成金、いわゆる「私学助成金」だ。

「私学助成金」とは

私学助成金は、私立の大学や短期大学、高等専門学校に各学校の教職員数や学生の数などによって毎年交付される。その総額は2017年度で3168億円にも達する。いわば学校を運営する際に必要な経費に対して補助されるもので、学部の新設とか新たに大学を立ち上げる、といった時の補助金とはまた異なる。

私学助成金などの教育機関に対する補助金はどんな仕組みになっているのか。また、その交付基準とはなにか。

現在、日本にはざっと780校(2017年度)の大学がある。そのうち私立大学は604校。その大半は政府から私学助成金=「私立大学等経常費補助金」を交付されている。この経常費補助金は、施設整備費補助、研究設備整備費等補助、教育研究活性化設備整備費補助といった名目だが、大きく分けて「一般補助」と「特別補助」の2種類になる。

2017年度の交付学校数は、短期大学や高等専門学校なども合わせると873校(出所:日本私立学校振興・共済事業団、以下同)で、一般補助=2688億円、特別補助=479億円。1校あたりの平均は大学で5億1371万円、短期大学は7426万円、高等専門学校1億4220万円となる。

これを1人当たりの平均に換算すると大学が15万5000円、短期大学18万3000円、高等専門学校19万6000円となる。私立大学に通っている人は、毎年平均で15万円程度の補助金を受けて学生生活を送っている。

大学別に補助金額の多い上位ランキングを紹介しよう。

①早稲田大学……92億4079万円
②日本大学……91億5481万円
③慶応大学……90億3456万円
④東海大学……62億8399万円
⑤立命館大学……60億1353万円

国立大学などの「運営費交付金」を見てみると、国立大学法人(4研究機関含む90法人)でざっと1兆0970億円(2017年度予算額、以下同)になる。そのベスト5を見ると次のようになる(同)。

①東京大学……824億円
②京都大学……543億円
③東北大学……463億円
④大阪大学……441億円
⑤九州大学……409億円

5校合計で2680億円に達する。

私学助成金そのものは、このところ継続して一定の伸び率にとどまっており、今では大学の経費に対する補助割合は全体で10%程度に留まっている。かつては3割近かったのだが、いまや大学の収入の1割が補助金という状態になっている。

ちなみに特別補助も、近年は減少傾向にあり、財政面でのやりくりに苦慮している日本を象徴していると言っていい。特別補助の交付というのは、いくつか条件があって「成長力強化に貢献する質の高い教育」「社会人の組織的な受け入れ」「大学等の国際交流の基礎整備」「経営強化等支援」などの項目に対して交付される。

経営のトップが出てこない背景には…

一連の日大アメフト部の問題において、当該選手だけでなく監督やコーチ、学長までが会見を開いたが、最後まで会見に姿を見せていないのは日大の田中英壽理事長だ。学校をビジネスと考えれば、経営のトップ=理事長が出てこないのは、やはり違和感がある。

その背景には巨額の助成金=補助金があるように思えてならない。確かに、日大の危機管理のなさは目立ったが、その一方で90億円を超える私学助成金を受け取っている日大としては、そうそう軽々しく自分の非を認めるわけにはいかない事情がありそうだ。

たとえば、私学助成金を受け取るには一定の条件がある。「法令違反等」や「財政状況」によっては補助金甲府が打ち切りになる、あるいは減額されるケースがあるからだ。こうした背景をメディアがきちんと伝えたかどうかはやや疑問が残る。

たとえば、学校法人の財産の不正使用や財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書といった公文書への虚偽記載などが対象になるのだが、次のようなケースでも補助金の打ち切りや減額があるとされている。

・学校経営にかかわる刑事事件により役員または教職員が逮捕及び起訴された場合

・役員もしくは教職員などに訴訟や紛争があり、教育研究その他の学校運営が著しく阻害されて、その機能の全部若しくは一部が休止している状態の場合

・理事会または評議会が長期間開催されず、教育研究や学校運営が正常に行われていない場合

日大アメフト部の事件では、悪質反則は内田正人前監督と前コーチの指示だったとされているが、内田前監督は日本大学全体の理事=役員だったために、仮に今回の事件が刑事事件に発達した場合、補助金の減額、打ち切りになる可能性が出てくる。

ここに、日大が自校の役員の不祥事をあっさりと認められない事情がある。私立学校振興助成法にも役員の責任などは明記されている。

私立大学に押し寄せる「2018年問題」

全国に600校余りある私立大学には、「2018年問題」という大波が押し寄せようとしている。

大学の「主要顧客」である18歳人口は、ピーク時の1992年に200万人を超えていたが、その後減少に転じ、2017年のそれは120万人へ4割減少した。2000年代後半に減少ペースはいったん鈍ったが、2031年には100万人を切る。「2018年問題」とは、18歳人口の減少スピードが2018年に再び加速することにより、私立大学の経営を大きく直撃するという問題を指す。

実際に大学や大学院の将来像を議論する中央教育審議会、いわゆる「中教審」もこの秋を目処に、国立大学法人が複数の大学を経営できる仕組みなど、少子化の進展に対応するための将来構想を文部大臣に答申すると言われる。

その中には経営悪化の私立大学に対して、早期の撤退を促す目的で学部や学科単位の「譲渡」を可能にする、あるいは他の大学や企業、自治体と密接な連携ができる体制を作るなど、大学や大学院の在り方について議論が交わされている。

そんな議論に関連して、最近になってクローズアップされているのが、大学の定員割れの問題だ。

補助金を受けている私立大学の40%は、5年連続で定員割れに陥っていると言われている。2018年度からは、定員割れしている私立大学に対して補助金を減額する方向に動いており、場合によっては補助金の打ち切りも検討するとされている。大学ビジネスも、いよいよ人口減少の影響をまともに受けつつある、ということだ。

実際に、大学教員の平均年齢は学校教員統計調査によると、2016年度現在で平均年齢49.1歳。過去最高でこの数字は年々上昇している。若手の教員が育っていないことを物語っているのだが、教員不足から定年延長した大学が多く、そのぶん教員の賃金の低迷につながっているとも言われる。

ちなみに2017年秋に、東京23区の大学の定員を抑制する文部科学省告示が交付されたが、地方大学の定員割れを防ぐために、人が集まりやすい東京の大学の定員数を制限するのは、あまりに安直な政策と言わざるをえない。定員割れの大学の活性化に繋がるとは到底思えない。

大学を減らす仕組みを作るほうが建設的だ

人気のない大学を減らす仕組みを作ることのほうが、今後の人口減少社会を考えたとき、はるかに建設的と言える。

そもそも、私立大学という私的な組織に多額の税金が使われていることには、以前から憲法89条の「税金を私的企業や団体に交付することを禁止する規定」に違反しているのではないかという指摘があった。教育機関だから特別扱いすることで、これまでスルーされてきたのだが、国際的に低いランクに甘んじている日本の大学の現状を考えると、助成金制度が功を奏しているとも思えない。

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