信じるか信じないかはあなた次第
- 【若気の至り?】タトゥーをしていると先頭に入れないのか漫画にしてみた@アシタノワダイ
- 古代日本では男性はみんな刺青をしていた!?
- 肉体系男子に大人気となった豪華絢爛&ユニークな刺青
- 刺青・タトゥーと銭湯
- 湯どんぶり栄湯へ取材
- 考察・まとめ
- 【アメリカ】日本よりは多いタトゥー人口 しかしイメージは「低所得者」
- 【韓国】韓国では軽犯罪になる可能性もある
【若気の至り?】タトゥーをしていると先頭に入れないのか漫画にしてみた@アシタノワダイ
【写真あり】江戸時代の刺青を徹底紹介!罪人に彫られた入墨刑が恥ずかし過ぎる
古代日本では男性はみんな刺青をしていた!?
日本における刺青の歴史は古く、縄文~弥生時代には盛んに刺青が行われてました。古代日本について書いた中国の歴史書『魏志倭人伝』には、女王・卑弥呼が君臨した邪馬台国の男性は誰もがみな体はもちろん顔にまで刺青を施していたと書かれています。
縄文・弥生時代の遺跡から発掘される土偶からも、当時の刺青文化をしのぶことができます。
ちなみに、当時の刺青はファッションではなく、魔除け・呪術的な意味合いのものだったそう。奈良時代以降、中国から伝来した儒教の影響もあり刺青文化はすっかり廃れてしまうわけですが、一部では刺青文化が消えずに残りました。
たとえば、蝦夷地(現・北海道)に住んでいたアイヌの人々。
アイヌの刺青は精霊信仰と密接な関係にあり、独特の美しい文様が特徴です。特に、年頃の女性がする口の周りの刺青は有名で、人気漫画『ゴールデンカムイ』に登場するヒロインの祖母もしてますね。
また、琉球(現・沖縄県)の人々もユニークな刺青文化「ハジチ(針突)」を持っていました。これは女性のみに行われるもので手の甲や指に刺青を施しました。魔除け、死後の世界への手形、成人儀礼、美しさの象徴……などさまざまな意味があったそうです。
さらに、儒教と対立関係にあった密教の僧侶のなかにも刺青をしていた者がいて、書寫山圓教寺を開いた性空(しょうくう)というお坊さんは、胸に「阿弥陀仏」の刺青があったとも。ファンキー!
一説に、戦国時代には、雑兵らが指に自分の名前や住所を刺青していたともいわれています。野垂れ死にしても誰だかわかるようにということなのですが、いま彫るんだったらマイナンバーですね、わかります。
漁民の間でも魔除け的な意味合いとID的役割のため刺青が行われていたとか。
とまぁ、刺青文化は一部の人々によって細々と受け継がれていきましたが、表舞台にあがるのは江戸時代まで待たねばなりませんでした。長い冬の時代があったわけです。そして、江戸時代の初め頃。まずは、侠客といった渡世人たちの間で、お守りとして「南無阿弥陀仏」などの経文を肩の先に彫ることが行われるようになりました。
侠客と刺青、という組み合わせはしっくりきますが、ちょっと意外な職業の人々も江戸時代初期の刺青文化を牽引しました。
それは、遊女たちです。大坂や京など上方の遊女たちの間でブームとなったのが「起請彫り(きしょうぼり)」と呼ばれる刺青です。
これは、馴染み客への“愛の証”として、遊女が自分の上腕に客の年齢の数だけホクロの刺青を入れたり、「(客の名前)命」と相手の名前を体に刻み込むもの。「入れボクロ」ともいいます。
今でも恋人や家族の名前のタトゥーをする人がいますが、江戸時代からあったんですね。ただ、心が離れた時の後悔はハンパなさそうです。
江戸時代中期、現代の「刺青=悪い・怖い」というマイナスイメージを決定づける出来事が起こります。罪人への刑罰のひとつに「入墨刑」が採用されたのです。
余談ですが、「いれずみ」という言葉を漢字で表記するとき、「刺青」「入墨」などの候補があがります。また、「いれずみ」のことを「彫り物(ほりもの)」ともいいますが、じつはそれぞれ意味が違いました。
まず、一般によく使われる「刺青」ですが、これは「入墨」の文章語で、日本文学史を代表する小説家・谷崎潤一郎の小説『刺青(しせい)』(明治43年)が有名になって以降、「いれずみ=刺青」となり、定着しました。なので、江戸時代には「刺青」という言葉はありません。
次に「入墨」ですが、これは「体に針などで傷をつけ、そこに墨などをすりこみ文字や絵を描くこと」を意味し、「文身(ぶんしん)」ともいいます。江戸時代には「入墨」といえば罪人への刑罰として彫られる「いれずみ」を指しました。
一方、自分で彫りたくて彫る「いれずみ」は「彫り物」と呼ばれました。上方では「彫り物」を「がまん」というなんともストレートな呼び方をしたとも。
まとめると、以下。ここ、テストに出ます。
- 入墨=罪人への烙印
- 彫り物=ファッション
現代では「刺青」も「入墨」も「彫り物」もごっちゃになってますが、歴史的に見るとぜんぜん別物だったのであります。
さて、話を「入墨刑(墨刑)」に戻しましょう。
入墨が罪人への刑罰として幕府により採用されたのは、八代将軍・徳川吉宗の時。大都市を中心に増加する犯罪を抑制するのが目的だったそう。
「入墨刑」は刑としては軽いもので、軽い盗みを働いた罪人が追放刑や敲(たたき)刑に処せられるとオプションとして入墨を施されました。ちなみに、入墨刑を科せられるのは町人だけで武士には適応されませんでした。ちなみのちなみに、10両以上を盗むと死罪です。“罪人の烙印”である入墨刑は、罪人がどこで犯罪をおかしたのかがわかるように、藩や地域によって入れる場所やデザインが異なりました。
たとえば江戸だとこんな感じ。
左腕の肘下に9㎜(三分)ほどの太さの線が2本彫られました。結構、目立ちそう。
たとえば京だとこんな感じ。
左腕の二の腕に12㎝×9㎜ほどの長方形が2つ彫られました。湿布みたいでちょっと恥ずかしい……。
腕に彫られることが多かった「入墨刑」ですが、地域によっては顔面の場合もありました。
かなりインパクトがある顔面入墨刑をいくつかご紹介すると。
まず、高野山。
額に巨大なホクロ! いや、入墨。千昌夫かな? 心なしか罪人の表情に悲哀が漂っています。
お次は、肥前(現・佐賀県)。
わあ、ドストレート!!
バツって……。
犯罪はもちろんバツですが、それにしてもこんなでっかくバツって……。犯罪抑止力ありそうです。
芸州(現・広島県)はもっとすごい。
初犯は額に「一」。わかりやすい。
再犯すると、
画数がひとつ増えます。
で、反省もせず3回も罪を重ねると……
ゲェーっ!!「犬」の入墨!!
これは恥ずかしいにもほどがある。絶対、「ほら、ワンって言えよ(ニヤニヤ」とからかわれます。3回も罪を重ねてはいけませんね(戒め)。肉体系男子に大人気となった豪華絢爛&ユニークな刺青
庶民文化が花開いた江戸時代後期、刺青文化も最盛期を迎えます。
ポイントは、それまでワンポイントが主流だったのが、体全体に豪華絢爛な刺青をいれるようになったこと。キャンバスに見立てた背中を中心に腕や臀部、太ももにかけての広範囲に、まるで絵画のような豪華絢爛かつユニークな刺青を施すことが大ブームになりました。
このブームの火付け役の裏には、ある大ヒット小説があります。
それは、
ヒーローたちが活躍する中国の人気小説
『水滸伝』。
その新訳本『新編水滸画伝』で、江戸時代を代表するベストセラー『南総里見八犬伝』の作者・曲亭馬琴が初編の文章を、天才絵師・葛飾北斎が挿絵を担当したのです。
さらに約20年後、幕末の“奇想の絵師”歌川国芳が『水滸伝』のヒーローたちを描いた浮世絵シリーズ『通俗水滸伝豪傑百八人之一個(ひとり)』を発表。
『水滸伝』のヒーローたちの全身に色鮮やかに彫られた美しい刺青は、見る者を魅了し、刺青のデザインに大きな影響を与えました。また、浮世絵の技術が取り入れられ彫師の技術も向上、洗練された芸術的な刺青を全身に施すことが可能になりブームに拍車をかけました。
特にこぞって体に刺青をしたのは町火消や飛脚、駕籠(かご)かき、魚屋、大工などといった肉体労働の男性たち。肌を露出することの多かった彼らは、男の「粋」と全身に刺青を施す苦痛に耐えた「勇気」「男気」をインパクトのある刺青で誇示したわけです。
こちらは江戸の町を火事から守る町火消。命がけで火と戦う勇ましい町火消に刺青は欠かせないもの。鎮火活動が終わり、サッと火消装束を脱いだらあらわれる背中一面の刺青。一説に、焼死しても誰かわかるように刺青を彫ったとか。
こちらは仕事中の大工さん。ちょっとわかりにくいですが、画像左、鉋(かんな)をかけている男性の腕には満開の花が。高所で作業をする鳶(とび)も刺青を入れている人が多かったようです。
こちらは褌一丁の飛脚。明治時代に撮影されたと思われる写真です。引き締まった肉体に刺青が映えます。
肉体系男子にファッションとして大流行した刺青ですが、刑として入墨を彫られた前科者がそれを隠すために大きな刺青を彫ることもあり(広島のように顔に彫られたらどうにもなりませんが…)、幕府はたびたび刺青禁止令を出しましたが、効果はあまりなく、むしろ刺青ブームは武士階級にまで広がっていくわけであります。
主に浪人や旗本・御家人の次男、三男といった、どちらかというと“ちゃんと”していない武士たちが中心でしたが、なかには一万石のれっきとした大名にも刺青を入れる者がいたとか。「刺青を入れた武士」というと、パッと思いつくのが「この桜吹雪に見覚えがねぇとは言わせねぇ!」のタンカでおなじみ“遠山の金さん”こと名奉行・遠山金四郎景元ではないでしょうか。
しかし、これはあくまでドラマのなかのお話で、金さんが刺青を入れていたことを歴史的根拠を示す文献はありません。とはいえ、若い頃はかなりヤンチャだった金さん。“若気の至り”で刺青を入れたのではという説もあります。ただ、その刺青は桜吹雪ではなく、「女の生首」説、「桜の花びら1枚だけ」説など諸説様々。一体、本当のところはどうだったのかとっても気になります。金さんと同じく「刺青の名奉行」として知られるのが、珍談・奇談を集めた随筆集『耳嚢(みみぶくろ)』の作者としても有名な根岸鎮衛(やすもり)です。
鎮衛は下級武士から南町奉行にまで出世したシンデレラボーイなのですが、やはり無頼だった若い頃に刺青を入れたという説があり、そのデザインは赤鬼だったとも。ですが、金さんと同じく噂の域を出ません。ザンネン。
ほかにも、現代では考えられませんが歌舞伎役者も刺青を入れていました。
こちらは幕末の歌舞伎役者・中村芝翫(しかん)を描いた浮世絵ですが、着物から見事な刺青がチラ見えしています。
こちらも江戸時代後期の人気歌舞伎役者を描いた浮世絵。ポージングのカッコよさ、刺青の艶やかさ、背景の斬新さに目を奪われます。
また、刺青が歌舞伎の舞台のなかで重要な役割を果たすこともありました。
これは、人気の歌舞伎演目『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』(通称「白浪五人男」)に登場する女装した美貌の大泥棒・弁天小僧菊之助。この弁天小僧、正体がバレた時に、「知らざぁ言って聞かせやしょう」から始まる名口上を述べながら女装を解いていくのですが、白い肌に浮かぶ鮮やかな桜の刺青が現れるシーンは舞台の見どころのひとつとなっていました。
こうした舞台の影響で刺青を彫る者も結構いたことでしょう。
このように大流行した刺青は多数の浮世絵にも描かれています。いくつかご紹介します。
まずは、『水滸伝』のヒーローたちを日本の侠客に見立てたシリーズ『近世水滸伝』(三代歌川豊国)より「竹垣の虎蔵」。その名の通り、竹と猛々しい虎がデザインされた刺青となっています。なんだか虎が耳元にささやきかけているようにも見えますね。
お次も『近世水滸伝』より「競力富五郎」。インパクト大の龍の着物から、同じく龍の刺青が見えるというダブル龍。龍は刺青デザインの定番でした。
こちらも『近世水滸伝』より「ましらの源次」。左腕に孫悟空の刺青、というのもユニークですが、さらに個性的なのが右腕に孫悟空の口から吐き出された分身たちがいること。両腕でひと続きのデザインになっているなんて、只者じゃない感がすごい。
これは幕末の役者絵。牡丹の花も刺青デザインの定番ですが、着物の花柄と相まってとっても華やか。背景のポップさにも目が奪われます。
最後も幕末の役者絵。刺青のデザインはなんと異境に住むという伝説の人種・手長足長族。腕の長さに合わせて、足長の長~い足が彫られているシャレのきいたデザイン。お腹にいるのは鎌倉時代の猛将・朝比奈三郎。色んな伝説のある人で戯曲化されたり巨人化されたりする人気者です。
こうした芸術的な刺青を全身に彫るにはかなりの肉体的苦痛と相当な金額がかかりました。
一度に全部を彫りあげることはできなかったため、何回分にも小分けして作業は進められました。一説にその料金は、彫り1回あたり金1分(約2万円)ほどで、全体を彫るには5~7両(約40~56万円)くらいという大金がかかったとも。
彫る人のランクによって価格もピンキリだったとは思いますが、それにしても結構なお金が必要だったでしょうに、町人のみなさんはどうやってお金の工面をしたんでしょうか。気になるところです。江戸時代後期に大ブームとなった刺青ですが、時代は変わって明治時代になると、“近代国家”の仲間入りを目指す明治新政府によって刺青は「悪しき風俗」として全面禁止されます。刺青が再び解禁されるのは戦後の1948年(昭和23年)まで待たねばならず、長く非合法の存在となったわけです。
おもしろいことに、日本国内で禁じられた刺青は、高い技術と芸術性から海外で注目を集め、英国のジョージ5世とアルバート皇子が来日した際に刺青を入れたとも。
これらは明治時代に撮影された写真です。こうした刺青男性のブロマイドは外国人のお土産としても人気があったのでしょう。現代風にいえば「クールジャパン」として日本の刺青は外国人のハートを掴んだのです。
江戸時代の刺青は現代とはずいぶん立ち位置も意味合いも違ったようです。
タトゥーがOKの銭湯へ、真意を聞いてみた。|「刺青がどうではなく、結局は人」
就職・結婚への影響、生命保険の加入不可などに続き、「銭湯及び温泉等への入場制限」は、タトゥー・刺青に付きまとう代表的な制約の一つだ。
東京オリンピックの開催を来年に控えた今、日本の入浴施設ではそれぞれが異なる対応をとっており、社会全体としてタトゥーとどう向き合っていくかを考える必要が出てきている。そんな銭湯とタトゥー問題であるが、先日Twitter上でとある銭湯の「タトゥーに対する対応とコメントを記載した張り紙」が投稿され、ユーザーからは称賛の声も多くたちまち話題となった。
今回DOTTでは、タトゥーに対しとある対応をとっている東京の銭湯『湯どんぶり栄湯』へ足を運び、対応の真意と銭湯業界の実情を取材してみた。刺青・タトゥーと銭湯
ではまず、取材部をお読みいただく前に「タトゥーと銭湯」についての現状を整理してみよう。
銭湯でタトゥーはNG?
「タトゥー・刺青が入っていたら銭湯に入れない」とはよく言われるが、一概に全てそうかと言われるとそうではない。
プール等と同様に「スーパー銭湯」と定義される娯楽目的の温浴施設では、基本的にタトゥーがNG。
完全に入場が禁止されている施設や、シール等で隠しての入浴のみ許可している施設など様々であるが、大多数の施設が入場できないものだとされている。対して銭湯は「公衆浴場」とも言われ、保険衛生上必要とされる施設だとされているため、基本的にはタトゥーが入っていても入場することが可能。
※全国浴場組合は「刺青のある方もお断りしていない」と言及している。ただ組合のルールとは別に、個々の店舗ごとに独自のルールを設けることは良しとされており、タトゥーの入っている方の入場を拒否している銭湯も多い。
※刺青が理由の拒否は、法的にはグレー。銭湯とタトゥーの事実
結局どっち?という話になってしまったが、観光庁が2015年にとったアンケートでは入浴施設の56%以上の店舗が「タトゥーのある人の入浴を拒否している」と回答。
実際は半数以上の施設ではタトゥーがNGであるため、「銭湯はタトゥーがNG」という話も強ち間違いとは言い切れない。昨今の銭湯業界とタトゥー
参考に、Webサイト『しらべぇ』が2018年にとったアンケートの結果をご覧頂きたい。
『しらべぇ』の調査結果では、実に9割を超える方が「タトゥーの入った方と銭湯に入りたくない」と回答しており、いかにこの問題の解決が困難であるかを数字が物語っている。
話題のツイート
そして本記事のテーマである、話題のツイートがこちら。
『湯どんぶり栄湯』の張り紙の画像にコメントを添えたツイートは27000RT・82000いいねと瞬く間に拡散。
リプライ上では『湯どんぶり栄湯』を称賛する声が非常に多く、他にもユーザー各々の刺青を目にした際の体験談や、地元の銭湯の話などで賑わいを見せた。湯どんぶり栄湯へ取材
筆者もツイートを拝見するや、すぐさま『湯どんぶり栄湯』へ連絡し、実際に話を聞かせて頂ける運びとなった。
ご夫婦で経営される『湯どんぶり栄湯』は、温泉さながら温かい様子で迎え入れてくれ、刺青・タトゥーのある方々の実情と、独自の対応についてこう答えて下さった。銭湯|刺青・タトゥーへの対応
当店は、刺青・タトゥーのある方の入店OKです。
創業当時より70年以上に渡り、刺青・タトゥーの有るお客様によるトラブル無く営業して参りました。
しかし、時代の流れで、入店を断る入浴施設は増えています。
刺青やタトゥーが有るだけで、迷惑な風紀を乱すお客様ということにはならないと当店は考えます。
ですが、どうしても目立ってしまいます為、大声で話す、いつまでも裸でいる等、他のお客様が怖く感じてしまう恐れのある行為はお控え下さい。
どうぞご協力お願い致します…!
天然温泉 湯どんぶり栄湯 店主このような対応の経緯について聞かせて頂けますか?
数年前、刺青のあるグループ客のマナーに対するクレームが増えた時期があって、元々刺青はOKだったんですが、そこから真面目に刺青について考えるようになりました。でまた、ここ最近で段々タトゥーの入ったお客さんも増えてきて。
口コミとか見ていると「栄湯は、刺青の入ってるお客さんの率が高いから、行くのやめた」ってレビューもあったりして。
何回か話し合った中で、実は「今年から刺青・タトゥーの入店はNGにしよう。」って思って。それをある人に相談してみたら「でも、刺青だからって大きなトラブルもないんでしょ?」って言われて、「確かに大きいトラブルはないな…。刺青に関わらずマナーは悪い人は悪いし。」って思ってこうなりました。
ただ「2人以上ではあんまり来ないで」とは伝えるようにしてます。
もともとタトゥーの入った方が2人も3人もいるのに、そこに増えると刺青祭みたいになっちゃうから(笑)なるほど。では刺青に対して特段優遇な対応をとっているわけでは無く?
みんな一緒ですよ。刺青が入っているとかそうじゃなく、みんなで使ってもらいたいっていう気持ちです。
特に「刺青・タトゥーのある人たちでも、入れるところを作ってあげよう」という気持ちはないですね。1日40人くらいは刺青の入っている人が来店しますけど、やっぱり威圧的なものは否めないですし。
しかも見せたいからか、いつまでも裸のままのお客さんもいたりして、そういう人には「服着て?」って、みんなが怖がらないように注意するようにしてます。少なからず、刺青が一般の方に「威圧」を与えてしまうことがある、ことはご承知だと。
そうですね。
昔は刺青の入った方がいると、逆にみんなルールを守るというか、秩序が保たれるというか(笑)
本業の方々も静かに入ったり、こうルール・マナーを守りながら入ってたんだけど…。
今は入ってる人たちが逆に騒いだりしちゃうことが多くなってきて。
そこは今と昔の違いじゃないですかね。今、分かりました。
張り紙は「刺青が入っててもお風呂に入れる」ことを明示しているだけでは無く、「全ての方に安心してもらえることの証明」に近くって。
そう!そうです。
うちは外見で判断するよりもマナーを徹底してるだけなんですよ、刺青の入ってる人たちであっても、普通に入ってくれればそれでいいんです。なのでうちのお客さん、みんなマナーすごく良いんですよね。
他の銭湯で、お客さんのマナーが悪くても注意しないところもあるけど、うちは注意するので他の銭湯よりもマナーは良いと思います。刺青の入ってる方にマナーを注意して、逆ギレしたりする人もいますよ。
でもそういう人は注意したら、もう来なくなるし、それでいいんですよ。では刺青の有無にかかわらず、皆が平等に銭湯を楽しんでもらえるよう、秩序を保つ努力をされているからこそ、刺青の人でも受け入れられるってことですよね。
うちはマナーを守れない人は来なくて良いし、刺青が入っててもマナーが守れるんだったらどうぞいらしてください。だし。
それは刺青が入ってようが、入ってまいが関係ありません。結局は「人」です。最後に、まだまだ賛否の絶えない「刺青と銭湯業界」ですが、刺青・タトゥーと銭湯業界は今後どのように共存していくべきだと思いますか?
施設側が「刺青の入ってる人を注意しない」「普通の人だけ注意する」とかしちゃったらダメなんですよ。
うちは刺青が入ってようが注意はする、それを見たお客さんも「注意してるんだな」って安心してくれる。やっぱり、刺青が入っていたら「強く見える」って思ってすごく堂々しちゃう人も一定数いるじゃないですか。
そう人たちがいるから「刺青=威圧的」に思えちゃうのかなって。
普通に入って、普通に同じように楽しめばいいのにって思いますね。考察・まとめ
筆者は少し、勘違いをしてしまっていたかもしれない。
一見すると、単なる「刺青があっても悪い人とは限らないから—」と、我々にとって都合よく捉えてしまいがちだが、実際のニュアンスは少し異なる。『湯どんぶり栄湯』の張り紙によっての施策は、あくまで刺青・タトゥーが威圧になる可能性を受け止め、それを公衆浴場という性質と照らし合わせた、悩みに悩んだ末の決断。
加えて、経営を行う梅田さんの不断の努力があって成立している、「全ての方が安心して銭湯を楽しめる」ことの証明のようなものでもあった。タトゥーの入っている筆者も改めて身の引き締まる思いを感じずにはいられない、とても有意義な取材となった。
最後に、取材にご協力頂いた『天然温泉 湯どんぶり栄湯』をご紹介し、本記事を締めくくりたい。
刺青・タトゥーの有無に関わらず、自慢の超軟水の露天風呂で「どんぶって」みてはいかがだろうか。営業は夜0時までやっているため、仕事終わりの疲れをゆっくり癒すのもいいだろう。
名称 天然温泉 湯どんぶり栄湯 住所 東京都台東区日本堤1-4−5 料金 460円 電話番号 03-3875-2885 HP http://sakaeyu.com @yudonburi @yudonburi.sakaeyu asakusa.sakaeyu では、良いタトゥーライフを!
意外にも海外でもタトゥーのイメージは悪い!?海外現地での反応
日本では刺青の呼称が一般的なタトゥーだが、社会的にはまだまだ受れられていない。江戸時代の頃は刺青は罪人に対する刑罰の一種であったし、戦後日本においては暴力団のシンボル的な認識が根深い。その結果、公衆浴場やプール、ジム等では攻撃的な刺青とファッションタトゥーの区別なく、入場を断られる場合がある。また、当時大阪市長であった橋下徹氏が刺青のある市職員を市民の目に触れない部署に配置転換を行った等、日本では社会的に刺青への目は厳しい。海外のタトゥーは現地でどのように思われているのだろう。日本よりも広く受け入れられているイメージはある。海外現地在住ライターがリポートする。
【アメリカ】日本よりは多いタトゥー人口 しかしイメージは「低所得者」
(現地在住ライター 長谷川サツキ)
日本と比べると、アメリカでタトゥーをしている人を見かける率は高い。どの町でもちょっと探せばタトゥーを入れてくれるお店があるし、若い子はファッションとして足首や指にワンポイントで小さなタトゥーを入れていたりする。絵柄は様々。昔ながらのドクロやら花やらを入れている人もいれば、「大好物だから」という理由でソーセージと目玉焼きのタトゥーを肩に入れていたり、「幸運を招くんでしょ?」ということでカラフルな招き猫を腕にでかでかと入れていたりする。この辺りの自由さはさすがアメリカと思う。
だからと言ってアメリカでタトゥーが受け入れられているのかといえば、答えは「NO」だ。タトゥーを入れている人に対する心証は、日本と同じくアメリカでも決して良くない。大抵の親は年頃の子供がタトゥーを入れたいなどと言い出したら大反対する。なぜか?はっきりと言ってしまえば、アメリカでは「タトゥー=低所得者」というレッテルが張られてしまうからだ。ホワイトカラーの一般企業でタトゥーをしている人はまずいない。少なくとも見える場所にタトゥーはない。私の勤めていた薬局もタトゥーは一切禁止だった。社会に出てから世間のタトゥーへの反応を知り、若気の至りでタトゥーを入れてしまったことを後悔しているという大人も少なくない。
一度入れたらもう元には戻せないタトゥー。アメリカでも日本でも社会の目は冷たいようだ。
【韓国】韓国では軽犯罪になる可能性もある
(現地在住ライター キム・ハナ)
結論から言うと、韓国でも基本的にはタトゥーのイメージはよくない。現在では芸能人も隠さずにタトゥーを露出しているため、若者を中心に抵抗がない人も増えているようだが、基本的にはタブー視されている。
日本と違う点は、タトゥーの中でもサイズが小さいファッションタトゥーであれば、ウォーターパークや韓国式サウナであるチムヂルバンには入場することができる点だ。しかし、全ての施設で問題なく入場できるわけではなく、一部のウォーターパークでは禁止されているし、チムヂルバンも子供のいない夜10時以降なら入場OKというような措置を取っている所もあるようだ。
仕事に関しては、日本では大阪市職員の刺青発覚で配置転換があったように、韓国でも同様なことが起こるだろうと思う。場合によっては解雇される可能性まであるらしい。しかも過度なタトゥーは不安感や恐怖の対象にもなりえることから、警察に通報されると軽犯罪として処理され、過去には罰金150万ウォン(約15万円)の支払い命令まで下りた事例まである。実際にはほとんどないケースだとは思うが、想像よりもタトゥーに対して厳しい韓国。タトゥーをしている人はあまり露出せず、目立たないようにしたほうがよさそうだ。もちろん日本と同様、タトゥーはしないに越したことは無い。