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(漫画)ヴィレッジヴァンガード大量閉店の真相を漫画にしてみた(マンガで分かる)
遊べる本屋ヴィレッジヴァンガードが営業黒字化、店舗ごとの仕入削減が奏功か
遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」やハンバーガーレストラン「ヴィレッジヴァンガードダイナー」を運営するヴィレッジヴァンガードコーポレーション<2769>が、2022年5月期第3四半期に7,700万円の営業利益(前年同期は4億3,800万円の営業損失)を計上しました。
新型コロナウイルス感染拡大によるショッピングモールの一時閉鎖・営業時間短縮などの影響を受け、大赤字を出した前期から一転。早くも黒字化を実現しています。継続的な客数の減少、不採算店の閉鎖による売上高の減少を余儀なくされているものの、仕入・在庫コントロールを効かせて原価を抑制しています。
この記事では以下の情報が得られます。
・ヴィレッジヴァンガードの業績推移
・黒字化の要因原価率を3.5ポイント低減
ヴィレッジヴァンガードはコロナ禍の2021年5月期第3四半期の売上高が前期比14.1%減少。2022年5月期第3四半期の売上高はそこから更に8.1%もの減少に見舞われています。コロナ前の2019年5月期第3四半期の売上高と比較すると22.8%の減少です。
■ヴィレッジヴァンガード業績推移(単位:百万円)
2018年5月期
第3四半期2019年5月期
第3四半期2020年5月期
第3四半期2021年5月期
第3四半期2022年5月期
第3四半期売上高 25,577 25,209 24,671 21,196 19,481 前期比 95.4% 98.6% 97.9% 85.9% 91.9% 営業利益 462 332 112 -438 77 前期比 206.0% 71.9% 33.7% - - 営業利益率 1.8% 1.3% 0.5% - 0.4% ※決算短信より筆者作成
ショッピングモールや繁華街への出店が多いヴィレッジヴァンガードは、緊急事態宣言の影響を強く受けました。2020年5月は250店舗の休業を余儀なくされ、一時売上高は前年対比で20%を下回る水準まで低下しています。
コロナを機に不採算店を閉鎖しました。2022年2月末時点の店舗数は320。2020年2月末と比較して20店舗減少しています。店舗を整理したものの、集客力はコロナ前の水準まで回復しておらず、2022年5月期第3四半期のヴィレッジヴァンガードの1店舗当たりの月商は680万円ほど。2020年5月期第3四半期の810万円から16.2%減少しています。
※ヴィレッジヴァンガードは2022年5月期第1四半期から「収益認識に関する会計基準」が適用されていますが、基準を前期と揃えた場合でも月商は710万円であり、大幅に減少していることには変わりありません。
ヴィレッジヴァンガードは、1店舗当たりの稼ぐ力が著しく失われたため、原価を抑制して利益が出る体制へとシフトしました。2022年5月期第3四半期の原価率は59.4%。2020年5月期第3四半期と比較して3.5ポイントも下げています。収益認識の基準を合わせた場合の原価率も61.3%であり、1.5ポイント抑制しています。
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ヴィレッジヴァンガードが大量閉店していた…なぜ斬新性失われ「中途半端な店」化?
ヴィレッジヴァンガードの店舗 (「Wikipedia」より)
ユニークな本や雑貨などを独特の陳列方法で販売する「ヴィレッジヴァンガード」を運営するヴィレッジヴァンガードコーポレーションで、閉店の嵐が吹き荒れている。2014年5月末には403店を展開していたが、不採算店の閉鎖を進めた結果、19年5月末には346店まで減った。この5年で57店減ったかたちだ。ヴィレヴァンにいったい何が起きているのか。
ヴィレヴァンは「遊べる本屋」をキーワードに、マニアックな漫画など一般的な書店が扱わない本を販売。雑貨や衣料品、食品も扱い、品ぞろえは豊富だ。「サブカルの聖地」とも言われ、熱狂的なファンが多いことで知られている。
陳列はアイテム別に整然と並べるのではなく、異なるアイテムを組み合わせて雑多に並べるのが特徴だ。地面近くから天井近くまで所狭しと陳列する。POPは個性的で、特製の黄色い紙に「さわるな! 欲しくなるぞ。」といったユーモアあふれる文言が書き込まれている。品ぞろえが店舗によって大きく異なるのも、ヴィレヴァンならではだろう。
ヴィレヴァンを知らない人のために、筆者が先日訪れた下北沢店(東京都世田谷区)の様子を紹介したい。同店は個性的な店が軒を連ねる下北沢に立地している。数あるヴィレヴァンのなかでも広い売り場を有しており、品ぞろえは豊富だ。ヴィレヴァンを代表する店舗といえるだろう。
同店では本はテーマに沿って陳列する。「旅行」をテーマにしたコーナーでは、海外旅行ガイドブック『地球の歩き方』(ダイヤモンド社)といった正統派のものから、『「危ない」世界の歩き方』(彩図社)や『ヒッピーの教科書』(幻冬舎)といった、ややマニアックなものまで多種多様な旅行本を並べていた。
同店では「ビール」をテーマにしたコーナーが設けられていた。ビールサーバーや缶ビール冷却器、タンブラーなどビールにまつわる商品を陳列。ほかにも、ベーコンの缶詰といったおつまみや、ビールに合うおつまみのレシピ本なども並べていた。
韓国グルメのコーナーでは韓国産の食品や調味料を陳列。映画コーナーでは映画キャラクターのプリントTシャツやポスター、おもちゃが並べてあった。衣料品コーナーにはファッション誌も置いてある。同店では、このように異なるアイテムを組み合わせたコーナーを随所に設けていた。
ヴィレッジヴァンガードが大量閉店していた…なぜ斬新性失われ「中途半端な店」化?
ヴィレッジヴァンガード、大赤字脱却なるか
「遊べる本屋」をコンセプトに、遊び心満載の書籍やコミック、加工食品、雑貨、アパレル、CD等を、店員手製のポップで演出して陳列している「ヴィレッジヴァンガード」。サブカルファン御用達の小売店チェーンだ。そのヴィレヴァンの運営会社、ヴィレッジヴァンガードコーポレーションが苦境に陥っている。
チチカカを売却
同社は8月1日、エスニック雑貨を販売する子会社のチチカカを、金融情報配信会社フィスコ(ジャスダック上場)の親会社であるネクスグループに売却した。チチカカはこの2年間、ヴィレヴァンの業績の足を引っ張ってきた赤字子会社だ。
これに伴う処理で、ヴィレヴァンは2016年5月期の連結決算で43億円もの最終赤字を計上。結果、数年前まで5割を超えていた自己資本比率は26.3%に低下。2012年12月末時点で140億円近くあった利益剰余金は、2度の最終赤字でほぼ半減、今回の処理で31億円にまで減った。
だが、市場はこの結果に失望したわけではない。2016年5月期の決算を発表した7月14日からさかのぼること半月。6月30日に、ヴィレヴァンはチチカカの売却と、売却に伴う特損発生を折り込んだ2016年5月期の業績予想の下方修正を発表している。
実はこの時、株価はほとんど反応していない。同日終値1674円に対し、翌日の終値は1656円と、わずか1%の下落。最終赤字予想が16億3300万円から43億8800万円へと、さらに27億5400万円悪化する内容だったにもかかわらずだ。
株価が動いたのは決算発表翌日の7月15日。取引開始早々ストップ安を付け、終値では若干持ち直したものの、翌々日の7月20日には安値1156円を付けて年初来安値を更新した。理由は明白で、株主優待の条件悪化を公表したことで、優待目的の個人投資家の失望売りが膨らんだためだろう。
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