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【父の逮捕・事務所トラブル】ローラが干されたとんでもない理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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信じるか信じないかはあなた次第

 

 【父の逮捕・事務所トラブル】ローラが干されたとんでもない理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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ローラがテレビに出ない理由。干された説や現在CMだけに出るのはなぜ?

ハーフモデルでタレントのローラさん。

一時期は週にレギュラー12本という大活躍を見せていましたが、最近はCM以外でテレビ出演する姿を見かける機会がめっぽう少なくなっていますよね?

2020年1月13日の『深イイ話』では、久々に元気な姿を見せてくれていますが、現在のローラさんはどんな活動をされているのでしょうか?

ローラがテレビに出ない理由は干されたから?

テレビで見かけなくなった芸能人=干された、というワードがすぐに上がりますが、ローラさんもご多分に漏れずその説が浮上。

具体的に、”干された”と言われる根拠はなんなのでしょうか?

父親の逮捕

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2014年10月24日、ローラさんの実の父親であるバングラデシュ人のジュリップ・エイエスエイ・アルさんが逮捕されるという衝撃のニュースが飛び込んできました。

容疑は”海外療養費の不正受給を指南した”との内容で、詐欺事件として逮捕(処分保留で釈放)されたと報じられています。

当然、ローラさんが犯罪を犯したわけではないので、本人には何の関係もありません。

 

しかしイメージ・ブランド商売である芸能人なので、父親の逮捕でローラさんが出演するCMのスポンサーやテレビ関係者にも影響が出たのではと考えられているようです。

理不尽なことですが、現実問題、ローラさんは2014年頃からそれまで数多く出演していたレギュラー番組が減少し始めています。

 

この件に関し、さまぁ~ず三村さんがTwitterでローラさんを擁護する発言をしていたことも注目されました。

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しかし芸能関係者によると、ローラさんのテレビ出演減少の理由を
「ローラの父・ジュリップの詐欺事件は関係ない。事務所がローラのギャラ単価を上げているのが理由」と述べていたようです。

果たして真相はどうなのでしょうか?

 

事務所とのトラブル

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その後、2017年には所属事務所とのトラブルが発覚。

ローラさんは自身のTwitterで、

「ローラ最近裏切られたことがあって心から悲しくて沈んでいるんだけど、わたしは人には絶対にしない」
「黒い心を持った人とは絶対に一緒にいたくない。10年の信頼をかえしてください」

など意味深すぎる発言をし、ニュースにもなりました。

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ローラのTwitterより

 

トラブルの概要はタレントの移籍を制限する”奴隷契約”とも言われるもので、ローラさんの意向に反し、『専属期間が10年で、その後も事務所の了承がない限り10年の自動更新』という内容が交わされていたということのようです。

ローラさんは2007年にモデルデビューしているので、契約更新のタイミングでこのことが発覚したのでしょう。

契約当初はもしかするとうまく丸め込まれていたのかもしれませんが、いずれにしてもローラさんはこの内容を把握していなかったようですね。

実質20年間の専属契約で不当に拘束されているとして、契約終了を求める申し入れ書を送付していたと報じられました。

 

事務所側も譲らず平行線のまま騒動が続きましたが、2018年3月、ローラさんが自身のTwitterで和解を発表。

今回LIBERA(所属事務所)とよく話し合い和解をしました。今後、海外ではWMEそしてIMGというエージェントと契約する事になりました。これからも沢山の夢を追いかけて頑張ろうと思います。

ーローラTwitterより

対立した状態が互いにとってマイナスだと双方が判断した、という理由で騒動が収まった模様。

ローラ、事務所側の両者が信頼するイベント企業がローラの指定代理店となり、そこを介して活動することで決着がついたようですね。

海外での活動についても述べられていますが、だとすると、別のところにテレビに出なくなった理由があったのでしょうか?

 

SNSでの政治的発言

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もうひとつ注目されるのが、2018年12月にインスタで発信した政治的発言。

We the people Okinawaで検索してみて。美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう

辺野古問題についての意見表明だったようで、移設反対の署名を呼びかけたのですね。

ローラさんのフォロワーは日本では渡辺直美さんに次ぐ人気で570万人ほどいるため、影響力は絶大。

結果、1ケ月で約20万人分の署名が集まったそうです。

これにより、スポンサー企業がCM起用に対して敬遠するリスクも考えられますが、実際にはこの発信以前からテレビ出演は減っていますし、CMにも未だに出演を続けているので、ローラさんの芸能活動に対しての影響はそこまでなかったのでは?と思います。

なぜかCMではよく見かけるローラ

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ハナユメのCMに出演していたローラ

 

テレビ番組で見かけなくなったローラさんですが、とはいえCMで見かける頻度はかなり高いですよね?

事務所トラブルがあった2017年以降に出演したものを一部あげただけでも、これだけの数。

  • DMM.com「DMM Bitcoin」
  • DMM.com「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」
  • 楽天「楽天モバイル」
  • 楽天「Rakuten BRAND AVENUE」
  • エースコック「焼そばモッチッチ」
  • ライオン「NONIOハミガキ クリアハーブミント」
  • コーセー「スポーツビューティ」
  • エステティックTBC
  • ユニクロ
  • ユニ・チャーム「ソフィ センターイン ハッピーキャッチ」
  • サントリー バーボン「ジムビーム」
  • エイチーム「Hanayume」
  • ジョンソン「グレード」

それもそのはず。

直近3年間のCM女王ランキングでは、以下を記録しています。

2017年:15社で1位

2018年:12社で3位(渡辺直美、有村架純と同率)
2019年:8社で6位

徐々に順位を下げてはいますが、テレビに出ていないなかでCM8本とは、かなり凄いのではないでしょうか。

この結果を見ても、ローラさんが芸能界から干された、というわけではなさそうですよね。

ローラ、テレビ出演激減の理由は「好きなことをやりたいから」?

ロサンゼルスに拠点

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ここまでローラさんが干された?という噂について見てきましたが、どうやら有力そうなのは「事務所がローラのギャラ単価を上げている」という芸能関係者の情報くらい。

確かに大きな理由にはなりそうですが、それでもあれだけ人気を博したローラさんをテレビ番組でぱたりと使わなくなるものでしょうか?

 

実は、2016年出演の『スッキリ!!』や2019年出演の『坂上動物王国』に、ローラさんをテレビで見かけなくなった答えが隠れていたようです。

事務所との和解を報告したツイートにも、「沢山の夢を追いかけて頑張ろうと思います」とある通り、スッキリではこんな発言を。

オペラも大好きなんだけど、かっこいいポップスとかも好きだからそういう歌も歌いたいなと思うし、料理をもっともっと磨きたいなって思うし、ちょっとゆっくりとした時間を作りたいと思ってる。ティーを飲んでゆっくり考える時間だったりとか、小説を書いてみたりとか。

 

ローラさんは現在、海外での活動について、WME・IMGというエージェントと契約をしています。

前者は、坂本龍一さん、XJAPANさんなどのアーティストも所属している事務所。

 

拠点も2014年から米・ロサンゼルスに移し、豪邸で暮らしている様子を自身のインスタグラムで明かしています。

そのお値段3億円とも言われ、敷地面積300平米の広さだそう。

ロスの高級住宅街にあり、同じ地区には音楽関係者や映画関係者も多く住んでいるのだとか。

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ローラのインスタグラムより

 

2019年5月には「坂上どうぶつ王国」に出演。

最近では貴重になったバラエティへ登場し、ロスの自宅を公開、移住にあたっての不安やリスクについてこう振り返ります。

もしLAに行っちゃったら、多分お仕事もどんどん失っちゃうとか、あったけど、別にゼロ円になってもいいやっていう気持ちで来た。

後悔が一番嫌だなって思って。好きなことを思いっきりやりたいなって。

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2つの番組で「ちょっとゆっくりとした時間を作りたい」「好きなことを思いっきりやりたい」と話しているように、ローラさんはバラエティに出ずっぱりの日々に疲れや煩わしさを覚え、環境を変えてみたとも考えられます。

「当時のローラは、精神的に参っていたにもかかわらず、スケジュールがいっぱいいっぱいでした。事務所では、どこかでセーブしないと続かないと考え、タレント稼業を広げ過ぎないことにしたようですよ」と話している芸能関係者もいるようです。

 

そして、ハリウッド映画への出演、ファンクラブの会員限定での雑誌制作、歌手活動の準備など、まさに好きなことをやっているローラさんですが、そのためにはこれまで築いてきた日本での人気や収入を維持しておく必要がありますよね。

それに最も効率的なのがCM、ということで、現在CM以外でのテレビ出演がなくなった最大の理由ではないでしょうか?

 

ちなみにLAのご自宅ですが、現在は売りに出しているそう。

表向きは「広すぎて淋しいから」と言いますが、月々の返済が300万円ほどになるため苦しいのではないか?とも言われています。。

 

ハリウッド映画で女優デビューも

上述の通り、ローラは夢のひとつであるハリウッドデビューも既に実現しています。

それが、2016年公開の映画『バイオハザード』

※ローラさんは0分8秒頃に出演。

 
 

出演は、映画のオーディションに参加して勝ち取ったと話しています。

ただそれ以降は女優として中々目立った活動が見られないので、それだけハリウッドの世界は厳しいということなのでしょうか…。

ハリウッド女優として絶対成功したいと思っているようで、その夢に向かってLAで英語のレッスンを受けているという話もあります。

そのため、現在ローラさんは、日本とLAを行き来しながら、仕事をしているのだそうです。

 

歌手活動を目指している

歌がうまいことでも知られているローラさんですが、女優だけでなく歌手としての成功も目指しているそう。

 

2012年の著書『THE ROLA!!』でも、
「歌はたった数分で人を感動させるし、いろんな気持ちにさせてくれるでしょ?わたしも、いつか、そういう表現者になりたいな~って、ず~っと思ってたの」と、綴っています。

特に本場の音楽への憧れは強く、英語をマスターしたのはそのためでもあるそう。

ちなみに日本での歌手デビューは既に果たしており、
・2011年:ISSA×Souljaの「i hate you」
・2012年:単独のデビューシングル「Memories」(劇場版ポケットモンスターの主題歌)
をリリースしていますが、それ以来曲を出していません。

現在はオペラの練習もしているらしく、今後歌手活動を再開するにあたってのトレーニング時間を確保するため、というのも、テレビ出演を控えている理由の一つかもしれませんね。

 

保護犬保護猫の支援活動

 

 

 

2018年6月には、保護犬・保護猫支援の団体「UNI project」を立ち上げ、日々のSNS投稿などで動物愛護の活動に尽力しているローラさん。

「坂上どうぶつ王国」には移住後も何度か出演があり、2019年8月には動物保護の最先端をいくというLAの情報を発信していました。

番組内でも、「こんなことが起きているから可哀想だ、じゃなく、買わないようにするとか(中略)っていう行為が、象を助けるとか、そういうことにつながるから、消費する私たちが考えなきゃいけないってことだよね」などと発言。

政治的な問題にも自ら意見を述べたりと、ローラさんは意外にも、社会問題にとても関心が高い方なんですね。

 

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まとめると、ローラさんはテレビ業界から干された、というわけではなく、自らのやりたいことを追求していくため、自らテレビ出演の機会を減らしていた、ということが分かりました。

バラエティでの大活躍期を経て、やりたいことにも気づけたのかもしれませんね。

とはいえ、2020年1月13日放送の『深イイ話』では、ローラさんの新企画も始動するとか!

以前とは違ったキャラクターで、再びローラさんをテレビで見れるようになるかもしれません!?

gendai.ismedia.jp

ローラさん父に執行猶予判決、海外療養費の詐欺事件で

海外で支払った医療費が還付される制度を悪用して海外療養費計約167万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われたタレントのローラさんの父親でバングラデシュ国籍の無職、ジュリップ・エイエスエイ・アル被告(55)の判決公判が5日、東京地裁で開かれた。横山浩典裁判官は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。

 昨年12月の初公判でジュリップ被告は、大きなマスクで顔の下半分を隠し、うつむき加減で入廷。常に涙目の様子で時に嗚咽(おえつ)を上げながら、「はい」「いいえ」といった簡単な受け答えは日本語で、それ以上の内容については通訳を通して発言を続けた。

 初公判で起訴内容を認めた後、検察側の冒頭陳述では人気タレントの親としての苦悩が明らかにされた。冒頭陳述で検察側は、「経営していた中古車輸出業がうまくいかず生活費などに困り、療養費制度の悪用を計画した」と指摘。詐取金は借金の返済などに充てていたという。さらに捜査段階で事件への関与を否認したことについて、ジュリップ被告が「子供に迷惑をかけると思った」と供述していたことも明らかにしている。

今年1月の第2回公判での被告人質問では、否認していた背景を改めて語っている。

 弁護人から「逮捕後すぐに正直に話さなかったのはなぜ?」と問われると、号泣。「子供たちの将来を考えると恥ずかしくて言えませんでした」と消え入りそうな声で通訳に話した。

 昨年10月の再逮捕以降、約3カ月に及んだ留置場生活については「自分を見直す機会になった。生まれ変わった」などと述べている。また、1月の保釈時に支払った保釈保証金300万円と被害弁済を行った200万円以上という合わせて500万円余りの出費については、「子供たちが用意してくれた」と明らかにし、改めて涙を流した。

 一方、検察側の指摘によると、ジュリップ被告が同様の詐欺行為を初めて行ったのは平成19年。これは、ローラさんが芸能活動を開始した年だった。検察側にこの点を突かれると、「覚えていない」などと曖昧な答えに終始。「子供の仕事の邪魔になるとは思わなかったか?」との問いには「(当時は)何を考えていたか分かりません」などとはぐらかした。検察側の求刑後に裁判官から発言を許されると日本語で「大変申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

 ジュリップ被告は、現地でデング熱の治療を受けたなどという虚偽の書類を提出し、平成19年6月~24年7月に海外療養費や保険金計約167万円を詐取したとして起訴された。

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大炎上したローラ「辺野古工事中止呼び掛け」をどう考えればよいか

「ローラ発言」はなぜ批判されたのか

「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」とInstagramで辺野古基地工事中止を求める署名を呼びかけたローラ。

どうしてローラの発言がこんなにも話題になり、そして批判されたのだろうか?

芸能人による政治的な発言はいまやめずらしくない。松本人志の「ワイドナショー」や坂上忍の「バイキング」といったTV番組で、芸能人が政治や社会について議論し、しばしば炎上している。

むかし、ローラはくりぃむしちゅーの有田哲平と共演し、二人の熱愛報道をネタにして話題になったことがあった。ふたりが出演した「全力!脱力タイムズ」は報道番組の体裁をしたコント番組で、お笑い芸人がコメンテーターを務めるニュース番組のパロディになっている。

例によって、ローラの署名呼びかけは芸能人らによって議論された。爆笑問題が司会を務める「サンデー・ジャポン」では、デーブ・スペクター、テリー伊藤、西川史子、堀江貴文らによって激論がかわされたが、ローラへの批判はだいたい次のようにまとめられる。

ローラの署名呼びかけは、発言の必然性が感じられない。辺野古基地問題にはこれまで関心もなく、考えたことはなかったのではないか。その証拠にこれといった対案もなく、「美しい沖縄」という誰でも言えることしか言っていない。彼女のやっていることはハリウッド俳優のマネでしかない……。

しかし、工事中止の署名をした芸能人はほかにもいたが、なぜローラだけここまで話題になったのか? これまでのローラの芸能人としてのイメージとのギャップが、驚かれたのではないか? はっきり言ってしまうと、ローラは「頭が悪い」イメージゆえに話題になり、そして批判されたのではないだろうか?

〔PHOTO〕gettyimages

最近はTV番組の出演がめっきり減って、CMでその姿を見るだけになってしまったが、「オッケー」が流行語になったころのローラのイメージは、敬語を使わない「タメ口」キャラだった。「できるかもしれないの」や「登録するだけでできちゃう」というくだけた表現にその頃の名残りを見ることができる。

ローラの登場後その人気に続けと、ダレノガレ明美といった「タメ口」をきく女性の「ハーフタレント」が増えた。「タメ口」の理由として敬語を使う習慣がなかったからとしばしば説明される。

しかし、ウエンツ瑛士といった男性の「ハーフタレント」がきっちりとした敬語を話すのはなぜなのだろうか。女性であることと「タメ口」であることには関係があるのではないか。

「タメ口」を話す男性の「ハーフタレント」に元AKB48の川崎希と結婚したアレクことアレクサンダーがいるが、彼がいまひとつ人気が出ないのは男性だからではないだろうか。

タメ口」は権力への挑戦

言語学者の田中克彦は日本語の「敬語法」が「権力関係そのものを反映するだけでなく、その権力関係を温存し、形骸化した後もなお強化しつづける」と述べている(「敬語は日本語を世界から閉ざす」)。

つまり、ひとびとは敬語を正しく使うことで、自分が所属する集団の権力関係において自分がいまどの位置にいるのか、を表現し、そしてその権力関係を維持しているわけだ。

敬語を使えない人間は社会人として失格とみなされるし、それはヤクザといった集団でもかわらない。

 

芸能界も厳しい上下関係があることは、お笑い芸人の神経質な敬語を聞くだけでわかる。

先日のM-1グランプリ後のとろサーモン久保田かずのぶとスーパーマラドーナ武智正剛による上沼恵美子への暴言も、「おばさん」「更年期障害」という女性蔑視的な発言よりも、守るべき上下関係を踏み超えたことばかりがクローズアップされた。

たいして「タメ口」とは集団の権力関係を無視する話法である。それは権力への挑戦とみなされる。だからこそ嫌われるのだ。

例外的に「タメ口」で話してよいとされるのは、一人前の存在とみなされない子供だけだ。ローラが画期的だったのは、寺田心といった敬語を話す異様な子供が活躍する芸能界において、その特異なキャラクターによって「タメ口」を話すタレントとして人気を博したことだ。

しかし、そのいっぽうで、ローラをはじめとした「タメ口」の「ハーフタレント」が一様に女性であり、そのうえ「天然キャラ」「お馬鹿キャラ」と評されたことも思い出そう。

「ハーフタレント」の「タメ口」は、「頭が悪い」女性というイメージと引き換えでもあったのだ。

ローラが実際どうなのかは別として、芸能人として「頭が悪い」というイメージを背負ってしまったことは確かだろう。しかし、今回のローラの署名の呼びかけには論理的な一貫性があると思う。それは芸能人というあり方がかかわっている。

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「セレブ」はいつ誕生したか

芸能界とはある意味で民主主義的な世界である。フランスの歴史学者アントワーヌ・リルティの『セレブの誕生』によれば、18世紀半ばに「著名性(セレブリテ)」という文化が生まれたとされる。

たとえば、著名人に熱狂するファンといった文化現象は、映画やテレビといったマスメディアの発達に関連付けられることが多いが、リルティによれば、新聞というジャーナリズムが登場した18世紀にすでに存在していたという。

たとえば、啓蒙思想の泰斗であったヴォルテールも、彼の私生活を覗き見したい「公衆」に取り囲まれていたそうだ。リルティは「著名性(セレブリテ)」は近代民主主義的なものだと説明している。

「誰でも有名になれるがゆえに本質的に民主主義的であり、近代の個人主義に完璧に適応しており、一つの社会階級よりも特定の個人に対する感情移入を育むものであり、大多数の人々の選択に完全に依拠している」(『セレブの誕生』松村博史ほか訳、名古屋大学出版会、2019年)

「著名性(セレブリテ)」が民主主義的であるならば、民主主義もまた「著名性(セレブリテ)」の領域となるだろう。「著名性(セレブリテ)」の誕生以後、作家や役者だけではなく、政治家さえも「公衆」の移ろいやすい関心を引かねばならなくなった。

そのためには公衆が求めるイメージを振る舞い、また宣伝や広告によって自分に対するイメージを操作するだろう。リルティが示すのは、近代民主主義はその初めから「ポピュリズム」であったということだ。

さて、リルティによる「著名性(セレブリテ)」の定義はその現代バージョンである芸能界にも当てはまる。芸能界は「誰でも有名になれるがゆえに本質的に民主主義的」なのだ。

ニュース番組がバラエティ化し、ワイドショーばかりになったという批判がある。芸能人がコメンテーターとなるのもこのバラエティ化のひとつとされる。

しかし、「著名性(セレブリテ)」の観点からみれば、政治と芸能は移ろいやすい「公衆」を相手にしているという意味で同じなのだ。

そして、芸能人の政治性、そしてTV番組の政治性も、日本国民の政治性を反映したほうが人気は出やすいだろう。選挙の投票率をみればわかるように、「最大多数派」は政治に無関心な人々であり、次に多いのは安倍政権を支持する人々である。

この「著名性」のあり方が、芸能人以外にも及ぶのもいうまでもない。たとえば、たいへん残念なことだが、元日の「朝まで生テレビ」で社会学者の古市憲寿が「全国民から見て沖縄はプライオリティが高いわけじゃない」と発言したのも、日本人の多数派の意見を反映してのことだろう。

ローラとローラを批判する芸能人の違い

もちろん、芸能人の人気は一国だけにとどまらない。ローラのように、アメリカに活動拠点に移し、Instagramも英語で投稿して、国際的な「セレブ」を目指せば、その政治的な主張も変化する。ローラの相手は日本の公衆ではない。グローバルな公衆なのだ。

アメリカの中間選挙を控えた昨年11月、歌手のテイラー・スウィフトが民主党の支持を表明したことが日本でもニュースとなった。スウィフトがこれまで政治的な発言をしなかった理由として、南部の保守的な白人層に人気があるカントリーミュージック出身だったことがあげられる。

しかし、世界的な歌手としてグローバルなファンを持つ存在になったスフィフトにとって、反トランプを掲げたほうがメリットは大きかっただろう。人種差別やLGBT差別に反対する姿勢を見せたほうが、グローバルなファンに喜ばれるからだ。アメリカ一国のファンよりも、世界のファンのほうが人数は多いのである。

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ローラもまた国際的なセレブとしてグローバルなファンの獲得を目指している。プラスチック用品による海洋汚染について懸念をあらわし、ユニセフのイベントで1000万円を寄付したことも、そして「美しい沖縄」というエコロジーの観点から署名を呼びかけたことも、その意味で一貫している。

元クイーンのブライアン・メイもTwitterで署名を呼びかけて話題になったが、それも「サンゴ礁を守って」というエコロジーの視点だったことを思い出そう。エコもまたグローバルなファンの心に訴えかける典型的なロジックである。

ローラをめぐる今回の騒動が、芸能人の政治的発言とCMスポンサーといった議論に集約されてしまったのは、ローラの人気がいまだ日本だけにとどまり、国際的なセレブとしてグローバルなファンを獲得していないからだろう。

ローラとローラを批判する芸能人の違いは、彼女らの求める「公衆」が単に国内かグローバルかの違いなのだ。

「一般意志」はどこにあるのだろうか

ところで『セレブの誕生』で最も刺激的なのは、ジャン=ジャック・ルソーを扱った箇所だ。ルソーもまた彼の私生活を覗き見ようとする「公衆」に取り囲まれた著名人だった。

リルティは、晩年の著作である『ルソー、ジャン=ジャックを裁く――対話』に「著名性」と格闘したルソーの姿を見ている。

この著作は、ジャン=ジャックの頭文字をとった「J・J」をめぐって「ルソー」と「フランス人」との対話によって構成されており、「『パリ全体、フランス全体、ヨーロッパ全体』が、『民族全体』あるいは『同時代人』たちが、全員一致して彼に敵意を向けている」ことを告発する内容となっている。一般的にはルソーの迫害妄想が生んだ狂気の書だとされてきた。

リルティによれば、ルソーは「メディアの支配下で形成される大衆の意見に対する批判的視点」を先見的に持っていたのだという。

だが、リルティはこれ以上踏み込んでいないが、ルソーの「公衆」への批判は『社会契約論』をはじめとする政治理論とどう関係するのだろうか? いうまでもなく、晩年のルソーが批判していたのはポピュリズムである。

〔PHOTO〕iStock

ルソーによれば、人民の意志である「一般意志」は、共同体の成員の「全員一致」によって見出される。もしくは「全員一致」までいかなくとも、投票によって「最大多数派」の意志に見出される。

だが見たように、晩年のルソーは「公衆」の「全員一致」は批判していた。たしかに『社会契約論』においてもルソーは「公衆」が「幸福を欲していても、それがわから」ず、「彼らが欲しているものを教えてやらなければならない」存在としている(『社会契約論』作田啓一訳、白水社)。

そして、たとえ「全員一致」であったとしても、そこで表明された意志が「一般意志」ではないケースもあげている。それは「市民が奴隷状態に陥って、もはや自由も意志も持たなくなった場合」である。ルソーがその例としてあげるのは、オットーやヴィテリウスが皇帝の座をめぐって対立し、暗殺や内乱が続発したローマ帝政期である。

辺野古基地工事中止を求める署名は20万筆を超えたが、ホワイトハウスがどのような回答を寄せるのか。2月に予定される辺野古基地の是非をめぐる県民投票の結果はどうなるのか。県民投票にたいして日本政府がどのような反応を示すか。沖縄の辺野古基地移設をめぐる「一般意志」はどこにあるのだろうか。

もちろん、ルソーによれば「つねに正しい」とされる「一般意志」は、芸能人の発言に左右され、移ろいやすい「公衆」の意志でないことは確かのようだ。

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