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【沢田マンション】建築ミス?日本のヤバすぎる建物について漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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信じるか信じないかはあなた次第

 

 

 

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【沢田マンション】建築ミス?日本のヤバすぎる建物について漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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土佐の九龍城!沢田マンションのモーレツすぎる6年の暮らし

6年暮らした、奇妙な毎日

四国を代表する《変な建築》といえば、なんといっても沢田マンション、通称沢マンである。
私もここで、2002年から2008年までの6年余りを過ごした(というか、この四国大陸メンバーでも竹村愛、高橋康太、眞鍋久美は元沢マン住人である)。
当時沢マンは加賀屋哲郎氏の「沢田マンション超一級資料」や古庄弘枝の「沢田マンション物語」の出版が相次ぎ、高知でもgraffitiが沢マン中興の祖ともいえる住人・N氏の沢マンコレクションを展示する「嗚呼沢田マンション-27号室の日常展」を開催するなど、それまでの「妖しすぎるマンション(一昔前は生活保護や高齢者ばかりであった)」から急速に「若いもんが多く集っている(それでも全戸数の1/3程度)」マンションへと変貌を遂げていた時代であった。

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いまから10年前は、N氏の暮らす27号室で毎晩のように飲み会が催され、沖縄やらドイツやら東京やらと各地から沢マン見たさに訪れた客人相手におきゃくを繰り返す、そんな日々を繰り返していた。その後は若い住民が増えたこともあって各部屋ごとの飲み会へと分散していったが、兎にも角にも、よく飲み、よく遊んだ6年間だった。

この頃、こうした飲み会に集っていた住人はかなり幅広く、大学生、JA職員、印刷業、デザイナー、記者、看護士、アパレル店員、雑貨店員、コンサル、建設事務、土木作業員、公務員、デパート店員、カフェ店主、ただの酔っ払い、歌手、旅人、、、などなど超多彩。少なくとも職業的には一切似たもん同士ではないから話も尽きず、年齢層も20代から60代までという感じだからやっぱり話はどこまでも広がっていった。お互いを呼ぶときは名前も使うが「部屋番号」であったりもして。

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2007年頃の沢マン若手住人揃い踏み写真。2009年頃までにこの写真に写るほぼ全員が退去した。現在、この部屋は「沢田マンションギャラリーROOM38」になっている 

当然あらゆるできごとも多く、同棲に結婚、出産に死去からはじまって、住人同士の仲違い痴話喧嘩火災ストーカーからの逃避行を手伝う事件、水道管破裂三階なのに床下浸水、絶望的な天井全面雨漏り→部屋内に屋根設置事件等々、思い出したらキリがないほど。「高知遺産」で沢マンのことを書いた時は《立体長屋》と表現したが、長屋どころか小さな村の如く、濃密な人間関係がこの建物の中で繰り広げられていたわけだ。

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沢マン住人の飲み会。それぞれ家で適当につくって適当に持ち寄って飲む。

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沢マンの夜景。12月になるとこうしてイルミネーションが飾られる。

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地下駐車場への入口。入るのにかなりコツのいる駐車場。 新車に変えた途端に左と上の2カ所を同時にこすり、以来入れなくなった。

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地下駐車場。大雨になると水没する。

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沢田マンション防災会の統一シャツ。写真には写っていないが、このほかに「ション防災会」と沢マンのロゴマークの総勢11名

高知市の防災イベントでは全員がキレイに並ぶと「沢・田・マ・ン・シ・ョ・ン・防・災・会」となるTシャツを作成して出場し当時の市長の苦笑を買い、ウエブに強いN氏の主宰していたsawaman.comというサイトでは各室にライブカメラを設置して住人の暮らしを赤裸々に公開。《月見の宴(2002年)》、《EXPO SAWAMAN(2006年)》《沢田マンション豊年祭》《SAWA SONIC》などのマンション全体を会場としたイベントもその時々の住人が勝手に企画開催し、数多の芸能人が来訪すれば沢マンツアーと称して1時間も2時間もマンション内のみどころを案内したり、岩佐真悠子が私の部屋で写真集の一コマを撮影したりと、なんだか今考えても奇妙な毎日を送っていたのである。

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sawaman.comで流していたライブカメラ。これは2002〜2004年まで住んでいた56号室。 その後18号室へマンション内引っ越しをした。

その後、集合写真に写るメンバーは私も含め2008年頃までにほぼ全員が退去。このメンバーの中で唯一残った写真家・岡本明才さんがこの写真に映っている部屋を改装し、「沢田マンションギャラリーroom38」を開設するなどの変化をみている(➡2014年には奈良美智が展覧会を開催)。

 

沢田マンション 781-0011 高知県高知市薊野北町1-10-3

459magazine.jp

「なんなんだこれは?」素人夫婦が独学と自力で作った巨大要塞“沢田マンション”を探訪してみると…

この記事を読んでいるあなたは、「沢田マンション」をご存知だろうか。建築や珍しい場所の愛好家の間では言わずと知れた有名な建築物であり、あとにも先にも地球上に同じ規模のものが現れることはない建物の一つだ。

 簡単に説明すると沢田マンションとは「素人の夫婦が独学と自力で作った巨大なマンション」である。「ふたりだけでどこまでやれるのか、人間の力を試してみたい」「10階建て、100所帯あるマンションを作ろう」と1971年から建設が開始され、増築に増築を重ねた外観から「日本の九龍城」と呼ばれている。

 私が沢田マンションの存在を知ったのは、とある雑誌を読んでいたときのこと。見た瞬間、頭をガツンと殴られたような衝撃と、いくら悩んでも解決しない疑問に見舞われた。

沢田マンション外観 ©あさみん

「なんなんだこれは?」

 横に長い真っ白なマンション、ウネウネと曲がったり複雑に交差したりする通路、そして、その間から生えている鬱蒼とした植物が続けざまに目に飛び込んだ。

「どこが入口? どこが部屋? なにがどうしてどうなってるの?」

 見れば見るほど疑問は増え続け、「これはなんとしても実物をこの目で見てみたい!」という気持ちが募っていった。

意外な場所にあった沢田マンション

 早速、高知県高知市にある沢田マンションを訪れることにした。

©iStock.com

 初めての高知、高知龍馬空港からレンタカーを借りて、桂浜や龍河洞、ひろめ市場など高知の有名観光地を巡り、かつおのたたきを食べ、サンゴを買う。アンパンマン列車にも乗り、巨大なアーケード商店街や、有名なはりまや橋も見ておきたい。そんな1泊2日のプランの経由地に沢田マンションを組み込んだのだ。

 沢田マンションは高知市の中心部からおよそ3キロ。JR土讃線で高知駅の隣駅である、薊野(あぞうの)駅からは徒歩10分ほどで到着する。

 事前に見てきた沢田マンションの写真はどれも南側から撮影されており、背景にはすべて裏手にある山が写っているため、田んぼや畑が広がっているのどかな場所にあるのだろうと勝手に想像していたが、意外にもアクセスは良い。

©iStock.com

 高知市の中心部から路面電車と並走する片側2車線の広い道路を進む。まだまだ大きな商業施設が並ぶ街並みを10分ほど走っていると、早くも「目的地に到着しました」というアナウンスが。

 カーナビに導かれたその場所は田んぼや畑どころか、回転寿司店、銀行、スーパーマーケット、有名カフェチェーン、そして巨大な家電量販店が密集するショッピングエリアの隣だった。

目の前に現れた要塞のような建物

 実際に目の前で見る沢田マンションは想像以上に巨大な要塞のようだった。その圧倒的な存在感とスケールの大きさは、しばらく見惚れて立ち尽くしてしまうほどだ。事前に見ていた誌面上では一枚の写真で沢田マンションのすべてを写していたが、目の前で見ると首を上下左右に動かし、目をぐるぐる動かさないと全貌が見えないのだ。 

圧倒的な存在感! ©あさみん

 そして写真で見てもわからなかったものは、実際に見てもまだわからなかった。それだけではない。写真で見たときとは違うまた新たな疑問が湧いていた。

「屋上にあるのはなんなんだ?」

屋上に見える謎のクレーン ©あさみん

「一体これは何階建てなのか?」

一見するだけでは何階建てなのかわからない ©あさみん

 見れば見るほど複雑な形をしていておもしろい。視界に入り切らない凄まじい大きさに加え、ウネウネと曲がり複雑に交差した通路や隙間を植物が埋めているさまは、いかにもこどもが描いた伝説の生き物のような自由度。素人なのに、逆に素人だから固定観念なしで作れたのだろう。

マンション内部の見学も可能 ©あさみん

 そんな沢田マンションは見学ができる。

 大家さんに一言声をかけ、住民のプライバシーに配慮しながら静かに見ていく。通常のマンションであれば、住民でない身分で立ち入るのには気が引けるが、沢田マンションにはいくつか店舗が入っていることもあり、初見でも見学しやすく、ありがたい。

多様な店舗・事務所が入居している ©あさみん

 店舗は、沢田マンションのグッズが買える事務所の他、レンタルスぺースやギャラリー、リラクゼーションスポットなどさまざまで、特に人気なのが1階にあるカフェ「藁屋」。カウンターとテーブル席が並ぶおしゃれで居心地のいい店内では、高知県産の野菜を使ったランチプレートやカレーが楽しめる。

お洒落な店も多い ©あさみん

 また、1階と地下の駐車場を使って飲食やアートのマルシェもたびたび開催されていたり、空室を利用したゲストハウスに泊まることもでき、誰もが気軽に足を運ぶことができる(記事公開時は休止中)。

高級タワマンでも実現されていない画期的な構造!

 そんな沢田マンション最大の見どころは、なんといってもスロープだろう。

 立体駐車場のように取り付けられたスロープで、車に乗ったまま2階3階の玄関先まで乗り付けることができるのだ。さらにマンション内を突っ切って裏手に回り、4階5階まで繋がっている。

入口から5階までつながる驚異のスロープ ©あさみん

 こんな仕様、高級タワーマンションでさえも未だに実現されていない画期的なアイデアだ。この日は上階の住民が自転車に乗ったままスロープをシャーッと駆け下り、そのままノンストップで気持ちよさそうに出掛けて行った。

建物内には“隠し階段”も!

 さらにもうひとつ、ひときわ存在感を放っているのがリフトだ。

増築をするうえで不可欠だった資材を運ぶリフト ©あさみん

 もちろんこれも手作りで、資材を運ぶために使われている。さらにリフトの下には地下への隠し階段が現れ、「多目的ホール」と書かれたスペースへと繋がっている。意外なところに意外なものがあり、発見するたびに驚きがある、さながらここは忍者屋敷のようだ。

リフトの下に見える地下への階段 ©あさみん
隠し階段の先には「多目的ホール」が ©あさみん

 また、インテリアのようになにげなく置かれた発動機にも注目したい。

 製材機を動かし、地下水を汲み上げるポンプを動かしと、マンション建設における様々な場面で活躍してきた実物で、コレクションは40台にも及ぶ。

建設の心臓部を担った発動機 ©あさみん

 壊れては直しを繰り返してきた発動機。沢田マンションは、この発動機があったからこそ、増築を重ね、現在の迫力溢れるマンションを作り上げることができた。目立たないが、とても大切にされていることがよくわかる。

階を上って探索を続けると……

 沢田マンションの中は坂あり段差ありカーブありと難所が続き、増築してきたことがよくわかる作りだ。歩いていると自分がいま何階にいるのかもわからず、来た道を戻っているはずなのに景色が全く違って見える。

内部構造はさながらゲームのダンジョンのよう ©あさみん

 増築が重なったマンション内はまさに迷宮そのものであり、自分の部屋があったとしても、引っ越したてであれば、なかなか帰れそうにない。

 先のわからないワクワク感に人様の家という緊張感が加わり、想像していた以上に興奮する。私はいつの間にかそろりそろりと忍び足になり、辺りを気にしながら手に汗を握っていた。

壁に直接書かれた注意書き

 マンション内を彷徨っているといろんなものに遭遇した。

壁に直接書かれた注意書き ©あさみん

 誰もが目につく柱の一つには、大胆にもマジックペンで「夜間通路は静かに歩きましょう!」と直書き。

レトロな看板、レトロなベンチ、レトロな洗濯機が備わったコインランドリー ©あさみん

 少し開けたスペースにはベンチも設置されたコインランドリー。また上階にも雑貨屋やピアノ教室がオープンし、部屋の玄関先には自転車や車が駐車されていた。また、スロープの脇では果物が実り、至るところで季節の花が咲いている。テラスには土が盛られ家庭菜園もでき、マンションだというのに緑豊かなところも印象深い。

屋上にはさらなる衝撃が

 いよいよ空が見える屋上まで上がってくると、信じられないことに池があり水が流れる滝まであるではないか。ここへたどり着くまでに見てきた「生活のある風景」とはまた違う、楽園のような雰囲気に驚いた。

「牧歌的」という言葉がこれほど似合う屋上はなかなかない ©あさみん

 さらに最も高い場所には大家さんの家が建ち、隣では動物が飼われ、広大な畑が広がっている。1970年代に作られたとは思えぬアヴァンギャルドな発想に、私は再び衝撃と感動で立ち尽くした。

沢田マンションは入居も可能

 沢田マンションでは空室情報も出ており、空きがあれば入居することができる。家賃は広さにもよるが1室2万~5万円台。高知市内の相場より2~3割格安である。

 もともと母子家庭など困窮状態にある人々の入居が優先だったところ、近年はその建築の壮大さや沢田スピリットに魅了された若者の入居が増加。海外からも注目され、多くのアーティストやデザイナーが訪問。部屋数はおよそ70あり、現在でも100人以上が入居している。

 ちなみに沢田マンションは現在の法律では「違法建築」とされているが、諸々の理由で黙認されている。今後沢田マンションのようなセルフビルド建築は現れないであろう唯一無二の存在だ。少しでも長く利用されるよう大切に見守っていきたい。

自分の目で見て体験する意義

 全国各地には沢田マンションのような、不思議でおもしろい、変わってて珍しい場所が無数にある。写真を挙げて紹介すると……

酷道の先にある深い森の中を1時間掛けて走るモノレール ©あさみん
各地の国宝のフェイクが並び洞窟で地獄体験したかと思えば大理石でできたアート空間が広がる珍寺 ©あさみん
消費税を取らずお釣りはピン札、営業時間7時間で週休3日。ステータスを持つ包装紙と紙袋に思い出が詰まった伝説の百貨店 ©あさみん

 こうした、行ってみないとわからない、行ったら興奮が止まらない、中毒性のあるスポットを、これからも紹介していきたい。

 私は自分のアンテナに引っかかる場所を見つけては、実際に行って、自分の目で見て驚きたいのだ。

 紹介したいと考えるこれらの場所は、いわゆる有名な観光地と違い、不定休や臨時休業といった不測の事態が発生しやすい。そのため、時間に余裕を持ち、何があっても動じない広い心でのぞみ、できれば事前に連絡をしておくといいだろう。またほとんどの場合は車でないと行けないことも注意が必要。ルートや所要時間を調べ、余裕のあるスケジュールを立て、計画的に回るのがおすすめだ。まずは自分が住んでいる街で気になるところを探し、実際に足を運んでみてほしい。想像していた以上に、意外な発見があることだろう。

「行きたかったのに……」と嘆くことの無いように

 近年になって、お金や後継者、老朽化などさまざまな理由で、行ってみたかった店舗や場所が次々と閉店、閉鎖されている。「いつまでもあるだろう」「いつか行ってみたい」とのんきに構えていたが、閉まるときは一瞬だった。国で保護されているようなものはたとえなくなったとしても修復や再現がされるだろう。しかし、なくなってしまったら永遠に見ることができないものがあるのだ。今まで存在し続けてくれたことに感謝と敬意を抱きつつも、なくなることを食い止めることは私にはできない。しかし、体験し、記録に残すことならできる。なくなったものは二度と戻らないのだ。

 なくなるかもしれない……からこそ、記録に残しておきたいもの。それを求めて私は次の行き先を探している。

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