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(漫画)幸楽苑が51店舗も大量閉店し赤字が続く理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)

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(漫画)幸楽苑が51店舗も大量閉店し赤字が続く理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)

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なぜ幸楽苑は290円の中華そばをやめたのか。一石四鳥の価格戦略を追う

原材料の値上げにつき

Noel Hendrickson/Digital Vision/Thinkstock

山崎製パンは、7月1日出荷分から食パンや菓子パンの価格を最大7%値上げすることを決定しており、ユニクロも新商品の2割で平均10%値上げすると発表しています。8月にはカゴメがソースを値上げするなど、まさに「値上げラッシュ」です。多くの食糧を輸入する日本において、円安による食品価格の上昇は避けられません。さらに「ゆうパック」も平均4.8%の値上げを予定しており、ネット通販業者への影響も懸念されます。

そんななか、桁違いの値上げを敢行したのが、株主として週刊誌の取材を受けたこともあるラーメンチェーン「幸楽苑」。この春、看板商品を290円の「中華そば」から、520円の「醤油らーめん 司」へとモデルチェンジ。値上げは客離れの要因となり、体感値で2倍の値上げといえば致命傷になりかねません。

しかし、そこに値上げを逆手に取った、ブランドイメージの再構築をはじめとする「一石四鳥」の周到な戦略を見つけます。一般ビジネスの事例ながら、マーケティングまで求められるWeb担当者の参考になることでしょう。

値上げの理由は

ラーメンの原価率は低く、食材の高騰によるダメージは他業種に比べれば軽微であり、2倍もの値上げの理由にはなりません。しかし、値上げは外食産業全体が抱える問題であり、Web業界にも通じるのが「人手不足」です。

人件費の安い若者を採用することで、外食産業のビジネスモデルは成立していました。しかし、少子化で若者が減ります。そこに東日本大震災からの復興需要、東京五輪にともなう都市整備、訪日外国人観光客によるインバウンド消費の盛り上がりなど、「仕事」が増えれば企業は人手を求め、人材の確保が困難となります。記憶に新しい所では、深夜営業や店舗数を縮小した牛丼の「すき家」が挙げられます。

都内では飲食業の時給は、高校生でも千円台に突入しており、数年前に800円台で賄えていた人件費の高騰分を補うために、「値上げ」が避けられなくなっています。

 

すき家の教訓

Web業界も同じです。国内の若者の数は限られ、近く「若者争奪戦」に巻き込まれことでしょう。そして、一部に見かける若い技術者(見習い)や営業マンを、安い給料で「使い潰し」するようなブラック企業は、今後の採用が難しくなり淘汰されていくでしょう。「ワンオペ」に代表される過酷な労働条件によって人が集まらなくなり、営業が困難となった「すき家」が示した歴史の必然です。

「長崎ちゃんぽん」の「リンガーハット」が、数年前から「電磁調理器」に切り替えていったのは「高齢化対策」です。ガスの火を使う中華鍋は重く、「電化」によって負担を軽減できれば、高齢のパートでも調理できるからです。

具材を入れれば炒め上がる、ドラム式の「炒め器」の導入も同じ理由です。今後の「求人市場」において「高齢者」は、団塊世代のリタイアと絡めて注目すべきセクターです。字数の関係で深掘りしませんが、シルバーなWeb担当者の活躍する日がやってくるとみています。

ハイボールテクニック

幸楽苑に話を戻します。幸楽苑の価格戦略のうまさは、520円のラーメンが「最安値」でないところにあります。

看板メニューが290円だった当時から、幸楽苑には醤油、味噌、塩、それぞれに390円のラーメンがあり、今も提供されています。つまり、現在の最安値は390円。なのに看板商品を520円とするのは「ハイボールテクニック」です。

店内で観察していると、看板メニューの変更を知らない客が、290円の「中華そば」を注文すると、520円の「醤油らーめん 司」に変わったと告げられ戸惑います。しかし、メニューを開くと、そこに「390円」の「極旨醤油らーめん」を見つけ、ホッとした表情でこちらを注文します。

「ハイボールテクニック」とは、始めに無理な(高めの)要求を伝えておいてから、次の要求を下げることで、相手が受け入れやすくなることを狙う交渉術です。290円から390円ではなく、520円から390円へと導くことで「安い」と錯覚させるということです。

なお、ハイボールテクニックは、取引先との価格交渉で多用される基本技。覚えておかないと損します。

ライバルとの戦いのなかで

同様の格安ラーメンチェーンに「日高屋」があります。こちらの看板メニューは390円の「中華そば」。幸楽苑の最安メニューと同じ価格です。日高屋は駅前に重点的に出店している強みを活かし、1年ほど前から、会社帰りのサラリーマンを狙った「ちょい飲み」を打ち出して人気を集めています。対する幸楽苑は、郊外のロードサイト型店舗が多く、全店規模で「飲酒」を前面に押し出すことはできません。

そこで従来比で高価格の「ラーメン」を看板にすることで、「ラーメンの幸楽苑」というブランドイメージの再構築を目指した、というのが私の見立てです。それはそのまま、「ラーメン以外の価値の提供」へと走る日高屋へのイヤミ、もとい「差別化」となります。マーケティングにおける、差別化の大切さはいわずもがなです。

料金設定の妙

さらに値上げは500円ではなく520円(税別)。消費税が5%だったときによく見た価格で、その分まで乗せてしまった気もしますが、そうだとしても称賛します。これまでの幸楽苑は「セットメニュー」のお得感が乏しかったからです。

お得感を探すのは、メニュー選びの醍醐味でもありますが、520円が「司」登場したことで、100円を超える割引額の「セットメニュー」が続々と登場しました。こうした値引きを演出する余白(余力)をも生み出すための料金設定であり、あえて520円と「+20円」の値引き原資をしっかり取りつつ、「人件費」「ハイボールテクニック」「差別化」とあわせて一石四鳥。平成になってから、ここまで見事な「値上げ」を見たことがありません。

ちなみに新看板メニューの「司」は中細のストレート麺。新メニューというより懐かしいラーメンです。従来の「幸楽苑味」とは異なります。

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「“思いつき経営”が苦境の元凶」 幸楽苑、「いきなり!ステーキ」への業態転換が裏目に

「“思いつき経営”が苦境の元凶」 幸楽苑、「いきなり!ステーキ」への業態転換が裏目にの画像1
幸楽苑の店舗(「Wikipedia」より/ITA-ATU)
 ラーメンチェーンの幸楽苑ホールディングス(HD)は6月18日に開催した定時株主総会で、創業者で50年以上経営に携わってきた新井田傳(にいだつたえ、77)氏が代表取締役会長を退任した。設立50周年を節目に「経営の第一線を退きたい」との申し出があったそうだ。退任後は創業者相談役として息子の昇社長(47)をサポートする。

 経営再建に向けて正社員の6%にあたる約50人の希望退職を募っていたが、5月30日までに48人の応募があった。併せて会長の役員報酬を3カ月間ゼロ、社長は同50%減とした。

 幸楽苑HDの業績はコロナ禍で客足の戻りが鈍く、21年3月期の売上高は265億円(20年3月期比30.5%減)、営業損益は17億円の赤字(同6.6億円の黒字)、最終損益は8.4億円の赤字(同6.7億円赤字)と2期連続の最終赤字となった。赤字幅は拡大した。

 3カ月ごとの最終損益の推移をみると、コロナが直撃した20年1~3月は5.8億円の赤字。同年4~6月が7.4億円の赤字で最悪。その後、売り上げが若干回復し赤字幅は縮小し、21年1~3月は2.0億円の黒字に転換した。

 21年4月の既存店売り上げは前年同月比35.8%増、同5月は同14.2%増と持ち直した。前年実績は緊急事態宣言によって19年に比べて4月が50%減、5月が38%減だった反動が大きいが、コロナ前の19年4月に比べると4月の売り上げは7割の水準にとどまる。

 人件費を削減するため年内にも配膳ロボットを100店以上に導入。客がタブレットで注文するとロボットが席に料理を運ぶ。持ち帰りや宅配の強化を進め、22年3月期は売り上げ288億円(21年3月期比8.4%増)を目指す。最終損益は2.5億円の黒字と3期ぶりの黒字転換を計画している。

「いきなり!ステーキ」への業態転換が大失敗
 幸楽苑は1954年、電力会社を定年退職した新井田司氏が福島県会津若松市で食堂を開業したのが始まりだ。傳氏が18歳の時、父の食堂を引き継ぎ、上京して修行。修行先の1つだった「幸楽飯店」から2文字もらい、帰郷後、幸楽苑を開業する。70年11月、株式会社に改組した。

 日本におけるチェーンストア理論の第一人者であるペガサスクラブの渥美俊一氏のチェーン展開の教えを忠実に実践。ラーメンチェーンの幸楽苑を展開し、2003年、北海道・東北の外食企業として初めて東証1部に上場を果たした。傳氏は業界最大手に育てたが、拡大路線が裏目に出て業績が悪化。長男の昇氏に社長の椅子を譲った。

 新井田昇社長は創業家の3代目。97年、慶應義塾大学を卒業後、三菱商事に入社。2003年、幸楽苑HDに入社して海外事業を担当。18年11月、父の後を継いで社長になった。

「“思いつき経営”が苦境の元凶」 幸楽苑、「いきなり!ステーキ」への業態転換が裏目に

 

四半期速報 株式会社幸楽苑ホールディングス

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