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【肉体改造】ライザップが急激にオワコンになったとんでもない理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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【肉体改造】ライザップが急激にオワコンになったとんでもない理由を漫画にしてみた(マンガで分かる)@アシタノワダイ

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結果にコミットで年商1000億。ライザップを生み出した社長の挫折

いつも刺激的なビフォーアフターCMで話題の「ライザップ」ですが、最近ではダイエットのみならず英会話教室や高齢者の健康づくりのサポートなど、さまざまなジャンルの事業を手掛けているようです。しかし、同社の瀬戸健社長は、どの事業にしても「人を変える」という点では同じだと断言します。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。幼少期はクラスでビリだったという瀬戸社長を変えた「衝撃体験」とは?

年商1000億円!「2ヵ月で15キロ減」の裏側

証券マンの森田泰崇さん(40歳)は最近、体に嬉しい変化が起きているという。森田さんは今、ダイエットの真っ最中。森田さんの健康が気になっていた妻・陽子さんも日々、低カロリーの食事を作って応援している。

以前、森田さんの体重は100キロ近くもあった。始めてまだ1ヵ月半だが、既に10キロ減った。「ここまで減ったのは驚きです」と言う。劇的なダイエットの秘密が会社帰りに通うライザップだ。ポッコリおなかの人がまさに劇変する衝撃のCMで急成長。会員数は10万人に迫っている。

全国に123あるライザップの店舗。中へ入るとカラオケボックスのような個室が並んでいる。ライザップのダイエットは個室でのマンツーマンのトレーニングが基本。森田さんを担当するのは東京・自由が丘店トレーナーの白川裕也。元キックボクサーの強者だ。

50分間のトレーニングが週2回。2ヵ月コースの料金は29万8000円+入会金5万円(税別)と、かなり高額だ。「かなりのお金を払っているので覚悟を決めてやっています」(森田さん)と言う。

ただしその料金はトレーニングのためだけのものではない。それが痩せるための食事管理だ。ある日の森田さんの昼食は海藻サラダ弁当。ライザップから指導されている食材を中心に使っている。毎食ごとに食事の写真を撮って送ると、すぐにそれを受け取ったトレーナーが善し悪しを判断してくれる。痩せ方に応じて、糖質をどれくらい制限するかなど、最適な食事をアドバイスしてくれるというわけだ。

「食事を見てコメントももらえるので、続けようという気持ちになります」(森田さん)

ライザップでは最初に決めた目標体重の実現に向け、担当トレーナーがつきっきりでサポートしてくれる。森田さんは2ヵ月目の計量で、15キロの減量を達成した。単なるトレーニングではなく、結果を出すことに徹底してこだわる。これが「結果にコミット」なのだ。

目標達成に自信を持つライザップならではの制度が全額返金保証。開始から30日以内なら、いかなる理由でも解約でき、全額返金に応じてくれる。

そんな独創的ダイエットで急成長するライザップ。健康関連など、様々な企業を買収、今やグループ年商は1000億円に迫った。東京・新宿に本社を構え従業員数は既に5000人を超えている。

 

ゴルフも英会話も~さらば三日坊主!結果を出す秘密

若くして成功を収めるライザップ社長の瀬戸健(39歳)。子会社「マルコ」の岩本真二社長によると、「瀬戸社長は億万長者ですが、横浜まで電車で行く。『タクシーで行ってください』と僕が言ったくらい。彼はお金目的で事業をやってないと思いますよ」とのこと。大谷章二ライザップグループ取締役も「家族での食事はファミレスだと聞きます」と言う。

「サイゼリヤは子供も大好きですし、ワインはコスパがいいですし」と笑う瀬戸。この日、着ていたスーツも洋服の青山が展開するブランド。「3~4万円だと思います。これでも結構高いほうです。自分の趣味は仕事なので」と言う。

そんな仕事人間の瀬戸が今進めるのが、新分野の開拓だ。

その一つがゴルフ。プロの資格を持つトレーナーによる週2日のマンツーマン指導が特徴。ある男性はそれにより念願の100を切ることができたというが、その秘密は日々自宅で行う練習にあった。これも指導の対象なのだ。スイングを動画に撮ってトレーナーに送り、それを毎日チェックしてもらうことで、スコアは着実に上がっていくという。

「これだけの回数をこの期間でやりましょうということだけやってくだされば、必ず結果は出せます」(ライザップゴルフトレーナー・山本太郎)

別の男性が通うのは、結果にコミットする英語教室だ。「これまでグループの英会話レッスンなどいろいろ受けたのですが、続かなかった。ライザップはカリキュラムがしっかり設計されていて、宿題のシステムがいいと思います」と言う。マンツーマンで行う教室での英会話から、自宅に持ち帰る宿題の指導まで、徹底的にトレーナーが寄り添うことで目標の英語力を実現してくれるという。

ゴルフに英語、ダイエット。一見違う分野にみえるが、瀬戸は全て同じビジネスとして捉えているという。

「我々は三日坊主市場と言っているのですが、わかっているけど三日坊主で終わってしまう。僕も耳が痛い話ですが、その『大変』をサポートする。世界中に三日坊主で悩んでいる方はたくさんいると思います」(瀬戸)

瀬戸が見つけた鉱脈は、やりたくてもつい三日坊主で終わってしまう習い事。それを目標達成までやり抜かせるのがライザップのビジネスなのだ。

「人は変われる」を全力サポート~カギを握るトレーナー

ライザップが最も力を入れるのが、客を目標へと導く優秀なトレーナーの育成だ。厳しいトレーニングを客にいかにやりきらせるか。全力で客と向き合うトレーナーがいなければ、結果にコミットするライザップのビジネスは成り立たない。

「理屈だけでは人は動かない。お客様の気持ちを変えるのは気持ちしかないんです。本当に良くなってもらいたいという気持ちがあるからこそ、お客様もトレーナーを信頼でき、『このトレーナーとやってみたい』と思うことができ、人生が変わっていく。本気が人を変えていくんです」(瀬戸)

東京・中野のライザップアカデミー。トレーナーの採用率はわずか3.2%。筋肉の構造から栄養学まで、1ヵ月168時間をかけて様々な専門知識を叩き込まれる。さらにはカウンセリングのシミュレーション。客のやる気を引き出す会話になっているのかを徹底的にチェックされる。そんな挫折をさせないプロたちが、ライザップ最大の武器なのだ。

この日、千葉・柏店トレーナーの中嶋弦太と計量に向かったのは会社員の寺門正人さん。順調に体重が減ってきていたのだが、前の週から1グラムも落ちていなかった。これがひと月ほどで誰もが経験する停滞期の壁だ。

「体重が減っているときはやる気もどんどん湧いていたのですが、頑張っても数字が減らないと、ちょっと萎えちゃいます」(寺門さん)

こんな局面こそトレーナーの腕の見せどころ。ベテラントレーナーとの対策会議が開かれた。トレーニングにエアロバイクを導入し、有酸素運動に取り組むことになった。寺門さんは心が折れそうになった時、何度となく中嶋に助けられたという。

「トレーナーとの人間のつながりというか、サポートしてくれるから、手を抜かないで続けられる。一人でジムに通うのとは全然違います」(寺門さん)

そんなトレーナーの全力のサポートが客の人生を変えていた。

鹿児島県鹿屋市に住む渡邉亜沙美さん。最近、かねてから思いを寄せていた男性と結婚することができた。以前の渡邉さんは体重100キロ近かった。渡邉さんは自分を変える決意をし、ライザップに1年以上通い続け、実に40キロを超えるダイエットに成功した。スリムになったことで性格も明るく一変。念願の結婚生活を手にすることができた。

トレーニングでは何度もくじけそうになった渡邉さん。そこに寄り添ってくれたのがトレーナーだった。渡邉さんは「トレーナーの存在は大きくて、特に標準から痩せ体型に入るときは、『できます』と常に信じて言ってくれたので、すごく心強かったです」と、当時を振り返った。

 

倒産寸前からの大逆転~驚きのライザップ誕生秘話

ライザップが会社を挙げて行う年に一度のイベント「ボディメイクグランプリ」が千葉県浦安市で開催された。その年、もっとも劇的に生まれ変わった会員を選ぶコンテストだ。

肉体だけでなく、その人の心や人生にどんな変化があったのかも重要な審査のポイント。全国から選び抜かれた参加者たちが、厳しいダイエットに挑む裏にあった強い思いを切々と語った。30キロ以上落としスリムになった女性は、最後に涙ながらにこう語りかけた。

「生まれ変われた今なら言えます。お父さん、お母さん、産んでくれてありがとう……」

瀬戸がライザップのビジネスを通じて伝えたいのは、「人は変われる」という信念だ。瀬戸自身、誰よりも大きな変化を体験してきた。

製鉄の街・北九州市で生まれた瀬戸の実家は、住宅街で手作りパンの店「シャノン」を営んでいる。母親の和子さんが、家のすぐ前の小学校に通っていた当時の話をしてくれた。

「運動会のときも練習のマイクの音が聞こえるんです。『瀬戸!』と呼ばれているので、見たら砂場の角で立たされているんです」

その学校での成績は予想を超えるものだった。通信簿を見ると、40人いるクラスの中で1度を除いて全てビリ。だが瀬戸は「自分は社長になる」と言い放ったという。

「勉強しない子だったから、全然、真に受けてなかったですけどね」(和子さん)

ところが瀬戸は高校を出ると猛勉強して、1998年、明治大学に入学。2003年には「健康コーポレーション」という会社を立ち上げた。「これから人を幸せにするのは健康だと思って、大豆を濃縮したサプリメントを作ろうとスタートした」(瀬戸)会社だ。

資本金は妻と折半した900万円。しかし商品は全く売れず、倒産を覚悟した。ところがそこに奇跡が。おからを原料に使ったクッキー、「豆乳クッキーダイエット」を販売したところ、大ブレークしたのだ。「400万箱以上売れたので『来た!』と思った」という。

貧乏暮らしから瀬戸の状況は一変する。瀬戸の会社はわずか4年で年商100億円を突破。立派なオフィスを構えるまでになる。その成長ぶりはマスコミから若き成功者として注目されるほどだった。

ところがその後、瀬戸のヒットを知った同業者が続々と参入。一気に類似品が溢れかえることになる。なす術のない瀬戸。会社の売り上げは、あっという間に10分の1に激減し、社員たちは次々に去っていった。「金融機関に『金はもう払えません』と話はしていました」と言うほど、倒産寸前の状態に追い込まれた。

そんな中で思いついたのが、後に大成功をもたらすライザップのビジネスだった。

発想の原点は若き日の体験にあった。高校3年のとき、瀬戸は女子生徒から友だちを紹介される。瀬戸に思いを寄せているというその子は、身長150センチと小柄ながら、体重は70キロを超えていた。体型のせいで引っ込み思案になっていた彼女に、瀬戸はあるとき、「そんなに体型が気になるんだったら、俺と一緒にダイエットやってみない? 応援するし、絶対痩せるって」と言う。

そして彼女のダイエットをサポートする日々が始まった。一緒に運動をするのはもちろん、ダイエットの勉強をし、痩せるにはどんな食事が良いかまで、つきっきりでアドバイスした。いつしか瀬戸は彼女と付き合うようになり、挫けそうなときも必死で励ました。

すると3ヵ月後、驚くべき結果が。スリムな体型に変貌した彼女は自分に自信を持てるようになり、一気にクラスの人気者となったのだ。

「自信に満ち溢れていたのは間違いないですし、人ってこんなに変われるんだと。人が持つ内面の明るさとか元気とかを含めて、すごいと感じました」(瀬戸)

倒産寸前の危機で瀬戸の脳裏に蘇った高校3年の思い出。この「人は変われる」という体験こそがライザップの原点なのだ。

高齢者がライザップに熱狂~2000円で若返る新サービス

南アルプスをのぞむ長野県伊那市。お得な体験ができると、年配の市民たちが集まっていた。

そこに登場したのはライザップのスタッフ。実は格安で高齢者の健康づくりを手助けするライザップの新たな取り組みだ。

全8回のトレーニングと定期的な食事のチェックもついて、費用はわずか2000円。高齢者が健康になれば医療費も削減できる。そこで伊那市はライザップと組み、プログラムの導入を決めた。

「ライザップさんのプログラムを導入することで、市民の皆さんが健康になる地域づくりを目指しています」(白鳥孝市長)

既にライザップとの取り組みが行われている静岡県牧之原市。始めてから1年がたつこの日は、1年前から体力がどれだけ改善されたか計測が行われた。実年齢が70歳の女性は、以前は86歳だった体力年齢が30歳も若返るという驚くべき結果が出た。

「成果を出して実績を持って、『来てほしい』と言ってもらえるサービスをつくれるかどうか。スタートラインに立ったばかりだと思うので、これからです」(瀬戸)

一方、新宿の本社で瀬戸が幹部社員を集めて議論しているのは、いかに痩せた後のリバウンドをさせないかについてだ。客に不安があれば即座に改良に乗り出す。

ライザップで今、始まっているのがリバウンド保険。コース終了後に保険に入れば、万一リバウンドしても無料でトレーニングを受けられるという制度だ。

「人は変われる」をやり抜くための、瀬戸の闘いは終わらない。

 

 ~村上龍の編集後記~

いろいろな意味で目立つ会社だ。出店攻勢、他業種とのコラボ、積極的なM&A。

瀬戸さんと対面する前、きっとギラギラした感じの人なんだろうなと勝手にそう思っていた。だが、違った。情熱に充ちた「普通」の経営者だった。

車、家、腕時計など、いわゆる「地位財」には興味がなく、他者の喜びに関与したいという思いが感じられた。

1日の食事代が夫婦で300円という貧乏時代も、成功後も、価値観が変わっていない。

人々の健康への希求、ダイエットブームは当分続くだろうが、RIZAPの優位は揺らぎそうにない。

<出演者略歴>

瀬戸健(せと・たけし)1978年、福岡県生まれ。明治大学商学部中退。2003年、健康コーポレーション設立。2012年、ライザップ初出店。

source:テレビ東京「カンブリア宮殿」

image by: YouTube RIZAP(ライザップ)公式チャンネル

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ライザップ、入会者94%減で経営危機…瀬戸社長“赤字なら辞任”の約束を反故、信頼低下

ライザップ、入会者94%減で経営危機…瀬戸社長“赤字なら辞任”の約束を反故、信頼低下の画像1ライザップのロゴ

 経営再建中のトレーニングジム大手RIZAPグループの2020年3月期連結決算(国際会計基準)の最終損益は、60億円の赤字(19年同期は194億円の赤字)だった。従来予想(5億円の黒字)から一転、赤字に転落。不採算事業の見直しで業績が持ち直してきた矢先に、新型コロナウイルスが直撃し、2年連続の赤字に陥った。

 

 売上高に当たる売上収益は前期比3.8%減の2029億円。計画から220億円下振れした。営業損益は7億5200万円の赤字(前期は83億円の赤字)。4~12月累計の営業利益は43億円で、当初の通期予想の32億円を上回っていた。しかし、第4四半期(20年1~3月期)を含めたトータルの営業損益は一転して7億円の赤字。第4四半期に50億円の赤字が出たことになる。20年3月期の年間配当はゼロ。形ばかりの復配だったが、年1円の配当を予定していた。しかし、連続して無配となった。

 

瀬戸健社長、「黒字にならなかったら、この場にいない」と株主総会で宣言
 瀬戸社長は19年6月の株主総会で、「今期(20年3月期)の赤字は絶対にありえないという自信と確信を持っている。黒字にならなかったら、この場にいない」と言い切った。そのコミットメントを、あっさりと破った。瀬戸氏はウェブ上の決算説明会で「創業者として、こうした時期だからこそ覚悟を決めて、しっかり乗り越え、強い会社として生まれ変わって成長していく」と語った。“終身社長”としてM&A(合併・買収)を追い求めるつもりなのだろうが、株主総会という、企業にとってもっとも重要な公式の場での発言は重い。公約違反のツケは株価ならびに今年の株主総会で回ってくる。

 

ジムの5月の入会者数は前年同月比94%減
 中核子会社RIZAP(ライザップ)が運営するスポーツジムの入会者数は年明けの1月は前年同月を8%上回っていた。だが、2月に名古屋市、岐阜県可児市、千葉県市川市のジムでクラスター(集団感染)が発生した。スポーツジムは3密(密閉・密集・密接)の典型的な業種だ。2月以降、入会者数が急減。2月は12%減、3月は57%減。緊急事態宣言が出た4月は89%減。5月にいたっては94%減まで落ち込んだ。

 

 次の営業の柱と考えていたゴルフスクールの会員数は1月は28%増、2月は21%増と伸びた。しかし、3月は25%減、4月は87%減、5月は95%減と激減した。ゴルフスクールは赤字が続いている。スポーツジムが壊滅的な落ち込みとなったため、収拾がつかなくなった。傘下のジーンズ専門店、ジーンズメイト(RIZAPグループが57%出資。東証1部)が消費税増税とコロナ禍のダブルパンチを受けた。訪日観光客の減少も痛手だった。CD販売のワンダーコーポレーション(75%出資。JQ上場)ではライブイベントの中止が響き、集客力が落ちた。

 

5月中旬には、RIZAPグループ全体の店舗の7割が臨時休業に追い込まれた。20年3月期決算では稼げなくなった店の減損損失などで59億円の特別損失を計上した。2期連続の大幅赤字により、金銭消費貸借契約上の財務制限条項に抵触したが、「金融機関からは債務返済を請求しないとの承諾を得ている」(瀬戸社長)という。21年3月期の業績予想は「合理的な算定・予想ができない」として公表を見送った。

 

プロ経営者、松本氏の代わりに招いた中井戸氏からも三下り半
 瀬戸氏が積極的なM&Aを進めた結果、RIZAPグループ子会社群は一時期、80社を超えた。悲願としていた札証アンビシャスから東証1部上場への昇格を実現するため、18年6月、指南役として元カルビー会長兼CEOの松本晃氏を三顧の礼をもって取締役に迎えた。

 松本氏は、新規のM&Aを進めようとする瀬戸氏に待ったをかけ、18年に凍結。20~30代の女性をターゲットにした婦人服・服飾雑貨を企画・製造・販売するアパレルSPAの三鈴(東京・品川区)の身売りやフリーペーパーを発行するサンケイリビング新聞社(東京・千代田区)の一部事業の譲渡などにより黒字化を目指した。

 その松本氏はわずか1年でRIZAPグループを去った。松本氏と入れ替わるように、19年6月、中井戸信英氏と望月愛子氏が社外取締役に就いた。中井戸氏は住友商事で副社長を務めた後にシステム開発会社・CSK(現SCSK、住商情報システムがCSKを吸収、東証1部)で社長・会長を歴任した。望月氏は経営コンサルティング会社・経営共創基盤のマネージングディレクター。企業再建に関わってきた経験を持つ。ところが、この2人も今年3月、社外取締役を辞任した。1年をたたないうちに、三下り半を突き付けたのはなぜか。

「コロナ後の経営戦略をめぐって対立した」(関係者)と見られている。瀬戸社長は「コロナ危機を、成長戦略に転じる絶好のチャンス」と捉えたようだ。4月以降を「構造改革の最終段階」と位置付け、再び成長路線にカジを切るつもりだった。松本氏によって封印されたM&Aを再開させるということだろう。M&Aは瀬戸社長の経営の原点でありRIZAPグループに成長をもたらす源泉だ。こうした性急な方針転換に、2人の社外取締役が異議を唱えたようだ。

 

 松本氏、中井戸氏、望月氏。外部から招いた経営指南役は、いずれも短期間で辞めていった。ブレーキ役を失ったRIZAP号はどこへ向かうのか。ゾンビ企業を買収して「負ののれん代」を利益として計上して、利益をカサ上げする経営手法が、Withコロナの時代に通用するのか。RIZAPグループの迷走は続く。

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